森美術館「アナザーエナジー展」社会に直結するアートの魅力
森美術館のアナザーエナジー展を見に行ってきました。
70歳以上の現役女性アーティストに絞った展覧会なんですが、キュレーションも素晴らしいですね。この企画を立てたキュレーターのメッセージが強く込められていてすごかったです。
インスタレーションもすごかった。特にセネガ・ネングディさんのワープ・トランス。最近、映像作品も創り始めたので、映像と合わせた立体物というのも考えてみたいなと思い始めましたよ。
会場内にカチャカチャした音が流れ続けているんですが、本当に全身を使って味わえるような作品で作品を探索したくなる面白さがありました。
メインビジュアルに使われているフィリダ・バーロウさんの作品もパワフル。図録に過去作品の展示写真も出ていたんですが、屋外に設置されたインスタレーションはいいですね。景色を作品の一部にして、暮らしを一変させちゃうような雰囲気が素晴らしいです。
この展示室の展示も素晴らしいですね。ここ、六本木の風景が見えるとても特殊な部屋なんですが、その分、町と対話するような静かな作品が映えます。
現代アートのおもしろさはやっぱり社会へのメッセージ性、作家の哲学が色濃く出ている部分だなぁと改めて感じました。現代社会をアーティストとしてどう捉えているかが問われているとして、私はそれを関係性が急速に再構築されている時代だと思っています。
それでもまだ、既存の関係性に縛られて、適切な位置に向かうことができなくなっているところがあると思うんです。私は「移動」を社会に対する治療と捉えているので、関係性の縛りから逃れることで、適切な場所への移動が後押しされるようになるといいなと思っています。
そういう作品をこれからもつくっていきたい。
アナザーエナジー展では、90歳を過ぎてやっと見つかり、展示発表の機会が得られたという作家さんもいました。ほとんど1世紀がかりって、もう人生が作品のようだよ。こんなに素晴らしい作家さんが世界にたくさんいるっていうだけでも幸せなことですね。ありがとうございます。
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