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「自分の価値を下げてるのは自分自身なんだよ」の話

「アートの価値って曖昧じゃないですか。デッサンがすごく上手というなら、すごいなーって分かりますけど、線が数本引いてあるようなやつは何がいいのか、分かりにくい気がするんです」
「そうだね」
 老人は私の言葉にうなずきながら、コーヒーを口にする。
「価値ってどうやって創ればいいと思いますか?」
「ふふ、みんな自分が創るものには価値があると思ってる。でもね、価値を決めるのはいつも自分以外だ」
「はい」
 そうだ。どんなに時間をかけて創っても、価値を感じる人がいなければ、自分の作品に価値はないんだ。創作にかけた時間には、ほとんど意味がない。短い時間で創られていても、高額で売られてる作品はたくさんある。
「多くの人は、自分で自分の価値を下げてるんじゃないかと思ってるよ」
「自分の価値を自分で下げてる?」
「そうだ」

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