サービスが良い男
1993年頃、高校時代の友人が入っているアニメ関係の同人誌に参加している特撮好きな二人目の元交際相手を紹介された時の回想録をもとにして作成した。
◯高校の友人3人で近所のサウナに行った時の会話から
円 「おうじゃに紹介した彼、どうだった?」
私 「初対面の割には結構サービスが良い感じだったよ。」
円 「普段はそんな感じじゃないよ。」
かぢ「そうしたのはおうじゃと今すぐ付き合いたいといっているんだよ。」
私 「それにしちゃ怪しく感じる。一回話しただけで毎日のように電話かかるからちょっとキツい...。」
円 「大手に勤めていて寿退職狙っているおうじゃにはピッタリだよ。」
かぢ「今がチャンスだからもったいないよ。」
私「だから、彼の記事を会報で見たけど、会話はともかく、最初から上柳昌彦並みのノリの良さで接する人はちょっと距離が近すぎて重いわ。」
かぢ「そんなの思い過ごしだよ。一生に一度しかないチャンスだからもったいないよ。」
円 「毎日電話かかってくるだけでもありがたいじゃん。もっと前向きになりなよ。」
私 「それがね、うちの父親が取り次いでいるんだけど、毎日うちに電話してくるから迷惑しているのよ。おまけに彼が住んでいる静岡で同棲しようって。」
円 「箱入り娘が毒親柄逃げられるチャンスじゃん。ありがたく思え。」
かぢ 「口うるさい毒親から離れて、好きな人と過ごせるのはおうじゃのことを思ってくれてるのだからもっと前向きにならなきゃ。」
私 「....」
◯翌日自宅の固定電話に二人目の元交際相手から電話がかかり、実父が対応する
実父「ここ最近、西村(二番目の元交際相手)という知らない男から毎日電話かかってくるのはどういう関係だ?」
私「高校の友達から紹介された。それだけ。」
実父「奴は何をしているのか?」
私「札幌の高校をでてから工場勤務を転々として、今はパチンコ屋の店員をしている。」
実父「うちはそういった低学歴で工場勤務や水商売で働いている奴を婿に入れたくない。
今度電話がかかってきたら別れるとはっきり言え!」
私「彼は私に優しくてサービスが良い人だからこのまま結婚でそうだからという理由で高校の友達に紹介されたの。だから、彼と私の友達を悪く思うのやめて!」
実父「そういう考えをしているお前が馬鹿だからうちがめちゃくちゃにされてしまうんだよ!収入が少なそうな奴がうちに来られたらお前のだけでなく、うちの財産が奪われる羽目になるんだぞ⁉︎」
私「面識のない人を悪くいうのやめて!‼︎」
実父「優しい人に声を掛けられて騙されて泣いて帰ってくるお前の顔は見飽きた。そういうんだったら今すぐうちから出ていけ!」
◯私は咄嗟に家から飛び出し、深夜に公衆電話で友人に電話をかけ、いつものサウナに誘う。
円「どうしたの?」
私「実はね、うちに西村さんから毎日のように電話がかかってきてるから迷惑だと言われているの。だから、今すぐ別れろと言われちゃったの。」
かぢ「いつもそうだけど、おうじゃの家族ってうるさいよねー。私だったらこの家に住みたくないのは理解できる。特にお父さんの性格って酷い!」
私「この前言ったでしょう、西村さんは最初からサービスが良くてついていけないって。だから家族もそういう男は裏があるから警戒しているぐらいだから。」
円「西村さんは受け身なおうじゃと比べてバイタリティーがある人なんだよ。他人の好意を素直に受け取れないで素直に喜びなよ。」
私「このままだったら私達の共通の友達数人がデキ婚していいるけど、うちはそういう人達を好きになれないと言われているぐらいだから。」
かぢ「デキ婚は悪い風潮だと思われるけど、今も離婚せずにうまくいっていれば幸せなもんだよ。」
円 「俗にいうヲタとヤンキーの夫婦は離婚しにくい。だから特撮好き同士のカップルは長く続きやすいんだよ。」
私「そうね。冷静に考えたら最初に出会った後楽園でダイレンジャーのイベントにみんなから離れて、二人っきりで行って盛り上がったのは覚えている。」
かぢ「それなら大したもんだよ!」
私「考えてみたら、共通の友達も子宮という子供が産める臓器があることを盾にして、男を捕まえて、どんな厳しい親を理解させるという手があることに気づいた。」
かぢ「保健体育の実技だけでなく、ペーパーも成績が悪かったおうじゃはそこまで理解するようになって成長したね。」
円「お父さんの言いなりになっているおうじゃは見たくないから、これを機に静岡に行っておいで。」
私「ありがとう。それに今ここにいないゆみちゃん(自死した親友で共通の友人のひとり)と電話していてる時に、西村さんからポケベルがなってしまって、着信音に気づいたら西村さんを優先してもいいと言ってくれた優しさを大切にして行ってくるよ。」
かぢ「そうだよ。もう良い大人なんだからそんな毒親と離れて、良い加減に自立したおうじゃが見たいから、心配して言ってるんだよ。」
私、「毒親の判断に委ねた私は嫌。自分の目で本当の西村さんを確かめに行ってくるから待っていてね!」
◯友人二人は頷き、サウナを後にする。
私は公衆電話で西村のポケベルを鳴らし、「アイタイ」と伝え、友人二人に見送られながら新幹線で東京を後にし、静岡にいる西村の元に向かう。
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只今失業中で高齢家族に合わせた生活を強いられており、取材する時間と費用がない状態で2時間という短時間で執筆しなければならない厳しい状況です。 主たるジャンルはいじめ、ハラスメント等の労働・社会問題を過去の回想を基にして執筆しております。