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SEC活用事例紹介#1 ドクターゴン診療所 泰川 恵吾先生(沖縄県宮古島市)


ドクターゴン診療所の概要

院長 泰川 恵吾先生
医療法人社団鳥伝白川会
ドクターゴン診療所
〒906-0203 沖縄県宮古島市上野字宮国746-17
TEL:0980-76-2788
FAX:0980-76-2752
mail:gon@cosmos.ne.jp
Webサイト:https://www.drgon.net/drgon/

泰川先生が理事長を務める診療所は、鎌倉と宮古島の2か所を拠点に運営されており、合計8人の医師が在籍している。宮古島の患者には末期がんや障害を持つ方も多く、診療科を超えた包括的な医療が求められている。

インタビュー

- 高齢者が多い地域では眼科疾患の患者が多いと思いますが、Smart Eye Camera(以下、SEC)の導入前はどのように診療されていましたか?

 診療所には細隙灯顕微鏡がありましたが、眼科専門ではないため使用方法がよくわからず、うまく活用できていませんでした。また、カメラが付いていなかったため、所見を写真で残すことは困難な状況でした。
 目の病気や自覚症状があるよく見られる眼科疾患には、まず抗菌点眼薬を処方していました。しかし、約半数のケースでは、抗菌薬を処方しても治療効果が見られませんでした。しかし、それ以外の選択肢がなく、やむを得ず様子を見るしかありませんでした。
 また、白内障や緑内障のような疾患は治療に介入できない状況でした。失明すると認知機能が低下し、認知症を加速させてしまうことにもなり、とても悔しい思いをしていました。

- SECは専用クラウドを用いた眼科専門医による遠隔読影が可能ですが、実際に利用してどのような印象を持たれましたか?

  2021年11月に初回の撮影を行いました。来院された全ての患者さんをSECで撮影し、その画像をクラウド上で眼科専門医に遠隔読影してもらいました。返ってきた読影結果を見て、白内障を持つ患者さんの多さに非常に驚きました。
 現在では遠隔読影を通じて、様々な治療を患者さんに届けることができています。例えば、結膜炎の原因には結膜弛緩症が多く、抗菌薬が必要ないことを知りました。不必要な抗菌薬の処方が減り、患者さんの負担も軽減されました。
 訪問診療の患者さんにも同様にSECで撮影を行い、外来と同等の精度で眼科診療を提供することができ、非常に喜ばれています。

- 宮古島の診療には欠かせない存在となられている泰川先生が、今後SECを活用して取り組んでいきたいことがあればお聞かせください。

 もともと沖縄県は緑内障が多い地域ですが、宮古島は紫外線が強く、白内障の発症リスクが高いと思います。そのため、宮古島は、眼科診療が届かず失明している方が多いのではと推測しています。SECを活用することで、この問題を改善したいと考えています。
スクリーニングの結果を踏まえた論文を発表し、眼科と連携して島全体での啓発活動や受診促進に取り組んでいきたいです。
 また、島内にある当院と同じグループに所属する訪問看護ステーションでもSECを活用し、眼科診療の敷居を下げ、島民の健康を支える取り組みを進めていきたいと考えています。

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