知って下さい、猫の難病「FIP」と「香害」、「化学物質」の関係② -柔軟剤と香り付き洗濯洗剤編1-
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・初めに
日々の生活もままならず、暮らすのもおつらい中で、
次の犠牲者を出さぬ様にと化学物質に対して啓発を続けて下さる皆様、本当に有難う御座います。心から感謝申し上げます。
ツイッターの利用規約に則りツイートの埋め込みをさせて頂いておりますが、ご都合が悪い様でしたらご一報頂けますと幸いです。
直ちに削除させて頂きます。
扇桜
1.毒と毒の共演、「柔軟剤」と香り付きの洗濯洗剤
こちらのの続きです。
今回は本丸である、
柔軟剤と香る洗濯洗剤について書かせて頂こうと思います。
どうかお付き合い下さります様に、何卒宜しくお願い申し上げます。
毒-1.柔軟剤の主成分は「第四級アンモニウム塩」(QUAT)
ここ10年程でFIPが急増したと、ボランティアさんや個人の飼い主さんから漏れ聞こえます。
柔軟剤が流行り出したのは「ダウニー」が先駆けで、今から10年ちょっと前だそうですが、この柔軟剤に使用されている成分は
「知って下さい、猫の難病「FIP」と「香害」、「化学物質」の関係① -消臭剤編-」
でご紹介した第四級アンモニウム塩(QUAT)の一種である「ジアルキル」が主です。
消臭剤編でご紹介した「ベンザルコニウム」よりはまだ毒性は弱く、全く同じことが当て嵌まるかは限りません。
が、これは「陽イオン型」の界面活性剤であり、
「陰イオン型」に対して毒性が遥かに強いです。
ざっと第四級アンモニウム塩(QUAT)の一種である「ベンザルコニウム」のまとめを掲載させて頂きます。
これには蓄積性があり、研究機関でも取り除くのに数カ月かかります。
①
毒性が非常に強く、実際の連続殺人事件でも使用された
②
経口推定致死量は体重1kg当たり50~500mgで誤飲による死亡事故が多い
③
蓄積性があり、研究機関でも取り除くのに数カ月かかるので霧状にして撒き続けるのは自殺行為
④
マウスによる実験では
1.死亡
2.流産、不妊
3.肝機能障害
4.肝臓・卵巣・腎臓・脾臓の重量低下
5.精子減少
6.排卵減少
7.血糖値、血中コレステロール値の上昇
8.体重不足
9.乳酸量、尿酸値低下
⑤
マウスの繁殖力が60%→10%に低下
⑥
マウスに二分脊椎症や無脳症といった「先天性異常(欠損)」が増え、
使用中止後も2世代に同じ症状が出た
⑦
先天性異常の発生率は第四級アンモニウム塩非含有消毒薬の使用では0・1%に対し、第四級アンモニウム塩含有の消毒薬使用では15%になった
⑧
誤飲すると嘔吐、下痢、筋肉の麻痺、中枢神経の抑制などの中毒症状が出る
⑨
0.1%以上の水溶液は眼を腐食、1%以上は粘膜を、5%以上は皮膚を腐食する
次は2つ目、香料を包んでいる「マイクロカプセル」です。
これは大変小さく、はじけると皆さんご存知、環境省も注意を促し気象予報も出される
「PM2.5」になります。
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毒-2.香料を閉じ込めているマイクロカプセル
・PM2.5に変身する柔軟剤と香り付き洗剤
「?」と思われた方もいらっしゃるかと思います。
実は「PM2.5」は健康に影響を出す微小粒子の俗称で、「粒子状物質」です。
つまり小さな物質のサイズの名称なんですよ、大きさの単位と思って頂ければ良いです。
※「粒子状物質 - Wikipedia」
サイズによりPM10等もありますが、2.5μm(マイクロメートル)以下のサイズを俗称としてPM2.5と呼ばれます。
※1マイクロメートル=0.001 ミリメートル。基礎単位の百万分の一。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「環境省_微小粒子状物質(PM2.5)に関する情報」
-以下本文一部抜粋-
PM2.5は非常に小さいため(髪の毛の太さの1/30程度)、
肺の奥深くまで入りやすく、呼吸器系への影響に加え、循環器系への影響が心配されています
-抜粋終了-
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
環境省が警告を出している通り、
サイズがとても小さいので体内に容易に侵入し、
呼吸器を始めとしたあらゆる場所を侵します。
マイクロカプセルは、はじける前のサイズはもうちょっと大きいのですが、はじけた後はPM2.5程のサイズになり、
しかもはじけると言う事はつまり 増えます。
柔軟剤や香る洗濯洗剤と何の関係が、と思われた方もいらっしゃると思います。
「着るとき、香りよみがえる」
「着ている時まで香りが続く」
この様に香りの持続性が高い商品特徴は「高残香性」と呼ばれ、
その分毒性も強いです。
まずはこれらに使用されている香りが
「続」いたり
「残」ったり
「戻」って来る仕組みについて書かせて頂こうと思います。
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・「香り長持ち」(高残香性)の仕組み
「香りセンサー」
「アロマカプセル」
「香りスイッチ」
これらは柔軟剤に使用される謳い文句です。
先程少し触れましたが、この言葉たちは高残香性の仕組みを示しています。
こういった香りが長く持つタイプの商品は、
「マイクロカプセル」と呼ばれる小さなカプセルに香料が包まれています。
「アロマカプセル」、「パフュームカプセル」等とも呼ばれていますが、
このカプセルはわざと脆く作られており、
摩擦、圧力、熱などで壊れるように出来ています。
「動きにあわせてアロマカプセルがはじけ」
とは「ソフラン」の文句、
「服をスワイプすると、香りスイッチ成分(アロマカプセル)がはじけて、香りがよみがえります」
は「レノア」の文句です。
閉じ込めた香料を、動いたり触るだけで壊れるカプセルから放出するという仕組みですね。
つまりその都度カプセルを壊し、
PM2.5を作り出してはすぐ身近で吸い込み続けている訳です。
※参考ページとして
「マイクロカプセルについて - マイクロカプセルの機能|富士フイルム」
「芳香/機能性マイクロカプセル | 三木理研工業」
「高残香性柔軟剤 | 時事用語事典 | 情報・知識&オピニオン imidas - イミダス」
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・マイクロカプセルはマクロファージを自殺に追いやり、アレルギーになりやすい体へと変える
実はPM2.5等の微小粒子は、肺の中の免疫細胞であるマクロファージを自殺(アポトーシス)に導きます。
PM2.5はとても小さいので気道、肺の奥まで入り込み、炎症反応が引き起こされるのですが、そこはお掃除屋さんのマクロファージです。
通常は炎症を起こしている異物をちゃんと食べて(貪食)、処理分解してくれます。
所がアレルギーを起こす種類の微小粒子である場合、
それを食べたマクロファージは自殺してしまいます。
更にその後は「IL-1α」(細胞の信号)が長期的に体内で放出され続け、
この状態でアレルゲン(例えば花粉など)となる物と出会うと、
それに対してのアレルギーを起こすようになります。
※マクロファージが自殺しない微小粒子はIL-1αの放出はなし
簡単に言ってしまうと、
香料を包んでいたマイクロカプセルがはじけて
PM2.5程~それ以下のとても小さな物質となり
↓
肺の奥へ侵入して炎症が起こります。
↓
肺に住んでいる免疫細胞であるマクロファージが
はじけたマイクロカプセルを異物として食べてくれるのですが
↓
アレルギーを引き起こすタイプの異物だと
マクロファージが自殺をしてしまいます。
↓
自殺後は体がアレルギー体質になりやすい状態となってしまう為、
色々な物に反応を起こすようになります。
この流れが柔軟剤や香り付きの洗剤を使用する事で、前回に書かせて頂きました「化学物質過敏症」の発症や、花粉症の様な症状を出している要因だと思われます。
そしてこれも、FIP増加の大きな原因になっていると思われます。
前回に書かせて頂きました通り、FIPはウイルスに対してアレルギーを起こして初めてFIPとなります。
「色々な物に反応」にFIPV(Vはウイルスの頭文字)が入っていても何らおかしくはありません。
アレルギーを起こさなければ腹水も肉芽腫も、FIPの症状は起こりません。
※参考ページとして
「微細粒子の吸入によるアレルギー性炎症の発症機構を解明 — リソウ」
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毒-3.マイクロカプセルの素材、「イソシアネート」
マイクロカプセルの原料の一つ、「イソシアネート」という物質です。
これも毒です。
最近の原料は「イソシアネートではなくアクリルアミドなのでは」とも言われ、古い情報となってしまう可能性がある事をご容赦下さい。
また、メラミン樹脂が主流という方もいらっしゃります。
余談ですが、アクリルアミドも毒です。
メラミン樹脂もホルムアルデヒドが溶出されます。
・身近に溢れているのに温度変化に弱く、固体でも揮発してマクロファージにまで入り込む
イソシアネートはポリウレタンの主原料であり、
これを含んだ製品はアスファルト、セメント、タイヤ、ゴムから接着剤、スポンジ、繊維まで身近なありとあらゆる物に使用されています。
イソシアネートを用いた特許取得製品は2020年6月現在で何と7万6千件(!)を超えていて、どれだけ身近に溢れているかがよく分かりますよね。
※「特許情報プラットフォーム|J-PlatPat」
顕著なのが呼吸器系の侵襲性で、職業性喘息の原因としてもよく知られ、
重度の喘息、肺炎になるケースもあります。
工業の機械、部品にまで汎用されているのに、
固体になっても不安定で温度変化に弱く、空気中に揮発しやすい為に、 鋳物工場、電線ハンダ付け工場、自動車修理工場まで様々な現場で発症が起き、
家具の組み立て用接着剤で重症の喘息を発症したり、トンネルの工事や室内塗装工事で死亡した例もあります。
イソシアネートは全身に回りますが気管に最も多く、次いで食道、消化管、肺に多く検出されるそうで、
内臓は心臓、腎臓、肝臓、脾臓、血中にも見られ、
体を守る免疫細胞であるマクロファージからも検出されます。
FIPはウイルスがマクロファージに棲み付いて体中を巡ります。
詳しい仕組みはまた別の機会にお話しさせて頂けたらと思いますが、
マクロファージが正しく働けば「活性酸素」や「活性窒素」を武器にウイルスをちゃんと倒してくれます。
イソシアネートに侵されて正しく働いてくれるのでしょうか?
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・ホルムアルデヒドよりも危険なイソシアネート
トルエンジイソシアネート 0.005ppm
ホルムアルデヒド 0.1ppm
これは何の数字かと言うと、2018年の「作業環境許容濃度」です。
簡単に言うと薬品を使用する現場でどれだけの濃度なら許されるか、という指針ですね。
数字が低ければ低い程に毒性が強く危険と言う意味であり、
つまりホルムアルデヒドよりも桁違いに毒性が強い事を意味しています。
「許容濃度等の勧告(2018 年度) 平成 30 年 5 月 17 日 日本産業衛生学会」
こちらには200種類程の化学物質が記載されていますが、
イソシアネートはこれらの中でトップクラスで数字が低いです。
他に全く同じ数値で規制された物はもう一つありましたが、
ヘキサン -1,6- ジイソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネート)が同じく0.005ppmでした。結局イソシアネートです。
※
ppm(パーツ・パー・ミリオン)・・・
百万分率(ひゃくまんぶんりつ)。
1ppm=0.0001%。10,000ppm=1% 。
主に化学分野に用いられる単位で、大気汚染などの公害、添加物の含有量など、ごく少量の物質に用いられる。
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・外国ではアスベスト、水銀と並んで規制されるのに、日本では一般規制がない
アメリカでは「国立労働安全衛生研究所(NIOSH)」が固体になっても有害である事、作業員の発症率が極めて高い事を注意勧告し、
カナダのオンタリオ州「労働災害防止法」では10種類のみ特別に規制を行っているそうですが、水銀、アスベストに並んでイソシアネートが規制されているそうですよ。
こんなに恐ろしい物質ならちゃんと管理されているだろう、と思っている方。そこはやはり日本品質です。
一般環境下での規制は一切ありません。
びっくりしますよね、本当に。
明らかにイソシアネートを使用している労働環境でのみ、上記の作業環境基準の勧告がありますが、イソシアネートはとにかくあらゆる所に使用されていて、多分規制は不可能だと放置しているのでしょう。
その結果、ごく身近で吸い続ける様な柔軟剤や洗濯洗剤にまで使用される様になったんです。
繰り返し申し上げますが、イソシアネートは呼吸器系に一番影響が出ます。
こんなに身近で毎日吸い続けるなんて、自殺行為です。
余りにも当然の事ながら、
既に通常使用で犬猫の肝酵素値の上昇、腎機能の低下、意識混迷、呼吸困難が症例として報告されています。
※2022.2.10一部訂正
リンク先の獣医師の記述に一部間違いがありました。
リンク先を症例報告をして下さった小宮先生の頁に変更、
本文の一部を削除、変更させて頂きました。大変申し訳御座いません。
※参考ページとして
「イソシアネート - Wikipedia」
「トルエンジイソシアネート - Wikipedia」
「ポリウレタン - Wikipedia」
「ポリウレタン原料について ウレタン原料工業会」
「Ppmとは何? Weblio辞書」
「PPM換算表|ナカライテスク」
「環境に広がるイソシアネートの有害性 津谷 裕子 内田 義之 宮田 幹夫」
「イソシアネートがヒトに及ぼす影響」
「イソシアネートによる過敏性肺炎と気管支喘息発作を併発した1例」
「健康を守るために知ろう「イソシアネート」 ( 5年前の常識では もう生きられない)」
「報じられない化学物質イソシアネートの危険性、柔軟剤で体調が悪化、産業界優先の日本の愚民政策(1) | MEDIA KOKUSYO」
「アメリカではトルエンジイソシアネートによる健康被害に対しての対策案がある - ecohiroba ページ!」
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毒-4.人工香料と「合成ムスク」
香りに使われる成分は当然人工香料ですが、この香料も毒です。
ただ、先に申し上げておきたいのは
天然由来だから安全な訳では決してありません。
天然の物でも強い物もありますし、喘息が出る方もいらっしゃります。
・天然でも人工でも猫は解毒が出来ない
前回の記事でも触れましたが、肝臓の解毒機能が弱い猫にとってアロマはそもそも毒であり、死を招く事もよくあります。
とくに有名なのはラベンダーとティーツリーですが、"精油"になっている時点で大きな危険性を持ちます。
ですが個体差はかなり大きい様で、
ある精油が死を招いてしまった子もいれば全く大丈夫な子もいたり、
精油ですらないのに、体が弱った時にラベンダーの花の匂いを嗅いで亡くなった子もいます。
反対にラベンダーを一鉢食べてけろっとしている子もいました。
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・ラベンダーに含まれる肝臓や腎臓の組織を破壊する「樟脳しょうのう」
ラベンダーには肝臓や腎臓の組織を破壊する
「樟脳しょうのう(カンフル、カンファー)」が含まれており、
これはケトンの一種で、神経毒性があります。
特にスパイク、スピカ、ストエカスの種類は多量に含まれており危険です。一鉢食べた子はこれらの種類では無かった事が幸いしたのだと思われます。
ケトン類はドライの症状であるてんかんを引き起こす事もあって、
FIPでは特に怖いんですよ。
アロマテラピーの協会では高齢者やてんかんを持っている方には使用してはいけないと教えるそうです。
ある程度の年代の方ならぴんと来ると思いますが、この樟脳は特に和服の防虫剤として昔から利用されています。
また、昔は強心剤としての使用があった為に、元気を出させる何かを「カンフル剤」と呼びます。
この樟脳、健康な人でも中毒を出す事故が多い、とても怖い物なんですよ。
蚊除けで神経をやられた猫ちゃんもいますし、
虫除けって本当に怖いんです。
※参考ページとして
「樟脳 - Wikipedia」
「“てんかん”とケトン類の神経毒性 – 鎌倉アロマ&メンタルケア* Asante Ma santé」
「初心者にもすぐわかる、精油の化学の基礎!|成分から化学的に分類 | Timeless Edition」
「衣料用防虫剤の誤飲」
「猫に対するエッセンシャルオイル(精油・アロマオイル)の危険性」
「アロマの代表ラベンダー☆種類や花言葉まで、奥深い魅力を一挙ご紹介 | SoyoSoyo(そよそよ)」
「猫がラベンダーで死んでしまう!知っておきたい危険性とは?」
「猫にエッセンシャルオイル(精油)は安全?危険?(ハーブも含めて)猫にとって毒性の高いエッセンシャルオイル(精油)種類別一覧 | Namiki Herb Garden Journal」
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・「体質」も「体調」も目に見えないから怖い
どれだけの作用をもたらすかはその子の体の状態や、
生来持っている解毒機能や薬物代謝酵素にもよると考えられます。
※薬物代謝酵素・・・
生体内に入った薬物を無害な化合物に変換する、肝臓から分泌される酵素
これは人間も同じで、分かり易いのが薬の副作用です。
全く同じ薬を使用しても、「こんな副作用出なかった」という方もいれば
「書かれていない副作用が出た」という方もいます。
また、同じ薬を使用しても、以前出なかった副作用が出たり、
以前出た副作用が出ないこともあります。
つまりそれはその時の体調次第、という事ですね。
「体質」や「体調」は目に余り見えません、動物なら尚更です。
体調不良を隠す習性のある猫なら、更に尚更です。
だから怖いんです。
※参考ページとして
「薬物代謝酵素(やくぶつたいしゃこうそ)とは - コトバンク」
「薬物代謝安全性学研究室」
「薬物代謝 - 薬学用語解説 - 日本薬学会」
「医療法人社団いでした内科・神経内科クリニック【広島市安佐北区口田の病院・通所介護】」
「酵素のはたらき」
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・母乳にも脂肪にも脳にも蓄積される合成ムスク
人工香料は言うまでもなく、毒性が十分にあります。
ただ、この中でも突出して毒性の高い物、それが
「合成ムスク」
と呼ばれる合成香料です。
合成ムスクには香りを定着させる働きがあり、
天然香料にも実は使用されたりします。
ムスクは「麝香(じゃこう)」の事で、
昔から香料や薬の原料にされていました。
合成ムスクはこれに類似した香りを持つ人工香料の総称で、
体内に蓄積される性質を持ちます。
2005~20007年に行われた熊本大学、佐賀大学の共同研究結果として
日本人の母乳、脂肪組織から合成ムスク類の「HHCB」と「AHTN」が検出されたそうです。
この頃でこのレベルですから、香り付きの洗濯洗剤と柔軟剤が大流行した今ではもう笑えない検出量である事は間違いありません。
これらは体外へ放出されても生活排水として自然を汚染し、環境にも蓄積され、今日では日本中を、冗談抜きに香料で大気を汚染しています。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「柔軟剤を目安量通りに使っても「香害」を引き起こす理由 | 香害ウォッチ | ダイヤモンド・オンライン」
-以下本文一部抜粋-
その結果、1175物質は低い急性毒性がある「警告」のランク、190物質はそれより急性毒性が強い「危険」のランクだった。
急性毒性が特に強く「ドクロ」のマークをつける必要がある物質が44、呼吸器感作性・発がん性・生殖毒性などが強いことを示すマークをつける物質が97もあった(同NGOのサイトによる)。
(中略)
国内では、在野の研究者・渡部和男氏が香料の安全性に関する膨大な数の論文を読み、「香料の健康影響」にまとめ、サイトに掲載している。
それによると、香料の成分には、
▽アレルゲン(アレルギーの原因物質)になるもの
▽ぜんそくを誘発・悪化させるもの
▽ホルモンかく乱作用(環境ホルモン作用)を持つもの
▽発がん性を持つもの
などがある。
また「合成ムスク類」に分類される香料成分は、分解しにくい性質のものが多く、人の血液や母乳から検出されている。
妊娠中に香水をしばしば用いた母親の母乳からは高い濃度のガラクソライド(合成ムスクの一種)が、
また香料入り洗濯洗剤を使っていた母親はトナライド(合成ムスクの一種)の濃度が高かったという研究が発表されている。
-抜粋終了-
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
-以下本文一部抜粋-
南京中医薬 大学の陳らのグループはラットでムスコン(ムスクケトン)が血液脳関門を通過するかどうか調べた。
ムスコンは血液脳関門を通り、急速に最も高い濃度に達し、 高濃度で残留する。
他の器官と比較して脳内ではゆっ くりと代謝される(Chen et al. 2004)。
-抜粋終了-
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
もう本当に、香料を止めて下さい。
人だけじゃないんです。
猫だけじゃないんです。
水が、虫が、魚が、鳥が、植物が、みんな みんな苦しんでるんです。
ひとの目に見えるのが、人間や伴侶動物なだけなんです。
※参考ページとして
「合成ムスク - Wikipedia」
「麝香 - Wikipedia」
「柔軟剤を目安量通りに使っても「香害」を引き起こす理由 | 香害ウォッチ | ダイヤモンド・オンライン」
「芳香剤・柔軟剤・制汗剤などの「香害」! 北米で広がる「香料」の使用規制|健康・医療情報でQOLを高める~ヘルスプレス/HEALTH PRESS」
「テレビは大スポンサーの「香害」に切り込むべき 柔軟剤や芳香剤による被害は受動喫煙と同じ - wezzy|ウェジー」
「肌や胎盤も容易に通過してしまう香料の危険性とは?本当は恐ろしい「香料」の正体。」
「香料の安全性は業界の「お手盛り」基準で大丈夫か | 香害ウォッチ | ダイヤモンド・オンライン」
「香料の健康影響8 | 化学物質過敏症 runのブログ」
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毒-商品名.「ソフラン」と「レノア」
ここで特に気になる商品をちょっとだけご紹介させて下さいね。
・「LION」のソフランのナノ物質
「従来の2倍!キャップ1杯で1億個の消臭成分を配合」
「繊維の奥まで入り込み、消臭成分が洗い流されにくく進化!」
「ナノ消臭のメカニズム ナノ消臭成分がセンイの奥まで入り込む!」
※
「柔軟剤ソフラン プレミアム消臭|家族の衣類をしっかり消臭|ライオン」
「特許消臭技術とは|プレミアム消臭・防臭の柔軟剤 ソフラン|ライオン株式会社」
これは「LION」の「ソフランプレミアム消臭0」と、
消臭成分の説明ページに書かれている文句です。
先程まで書いていた事をご理解頂ければ、
これがとんでもない事だとよくお分かり頂ける事と思います。
ですが折角環境省がわざわざ注意を促して下さっているのでもう一回、同じ物を貼りますね。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
-以下本文一部抜粋-
PM2.5は非常に小さいため(髪の毛の太さの1/30程度)、
肺の奥深くまで入りやすく、呼吸器系への影響に加え、循環器系への影響が心配されています
-抜粋終了-
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
こちらに書かれている通り、サイズがとても小さいので体内に容易に侵入し、呼吸器を始めとしたあらゆる場所を侵します。
何度も書くようですが、小さいからこそより深く、より深刻に侵すのです。
さて、聞き捨てならない文言がありましたね。
「ナノ消臭のメカニズム ナノ消臭成分がセンイの奥まで入り込む!」
ナノ。
ナノです、ナノ。
大問題にされているPM2.5。
環境省が「小さいから肺の深くへ入る」と注意を促しているPM2.5。
これはおよそ2.5μm(マイクロメートル)。
マイクロメートルの単位は基礎単位の百万分の一。
ナノメートルの単位は基礎単位の十億分の一。
なんでしょう、これは。
PM2.5など もうどうでも良いレベルですよ、私から見ると狂気の沙汰です。
「繊維の奥まで入り込み、消臭成分が洗い流されにくく進化!」
入るのは繊維の向こう、つまり体です。
「キャップ1杯で1億個の消臭成分」
の、ナノ物質が「洗い流されにくく」なっているそうです。
PM2.5よりも遥かに小さいそれが、わざわざ身近に大量に残されて肌からも呼吸からも吸って、
それも黄砂と違い1年365日、一番身近な服からです!
ですが何よりも許せないのは、そんな危険な物に対して書いてある事
「赤ちゃんにも使える安全設計」
私の怒りが伝わりますでしょうか?
駄目です、大人にも子供にも赤ちゃんにも動物にも環境にも、どこにもあってはいけない物なのです。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「平成 22 年度 日本環境変異原学会 公開シンポジウム ナノマテリアルの健康影響について考える」
-以下本文一部抜粋-
優れた材料として広く用いられたアスベストが、その曝露によってヒトに中皮腫や肺がんを誘発し、大きな問題となったことは記憶に新しいことです。
ナノマテリアルにはアスベストに類似した繊維状物質があり、アスベストと同様の毒性があることが懸念されています。
-抜粋終了-
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「安全基準がないナノ技術の危険性−安全が確認されるまで、ナノ物質の環境への放出とナノ製品の上市は一時的に止めるべき」
-以下本文一部抜粋-
■ナノ物質の危険性
ナノ物質の特性である高い表面活性や細胞膜を通過する能力などが、健康と環境に有害な影響を及ぼす懸念を与えている。
ETCグループの2004年4月の報告[3]によれば、
日焼け止め中のナノ粒子が DNA を損傷する、
ナノ粒子が実験動物の細胞に取り込まれる、
ナノ物質の一種であるナノチューブがラットの肺に有害影響を与える、
ナノ粒子は血液脳関門を通過する、
ナノ粒子は胎盤を通過して母親から胎児に移動する、
カドミウム/セレン化合物ナノ粒子がヒトの体内でカドミウム中毒を起こす、
ナノ粒子の一種であるバッキーボールは魚の遺伝子機能を変更し幼魚の脳に損傷を与える。
(中略)
同じくEHP2004年9月号の記事[5]によれば、ロチェスター大学の環境毒物学者ギュンター・オバドルスターはラットに吸入させたナノ粒子はラットの鼻腔、肺、及び脳に蓄積することを示した。
また、NASAの科学者チウウィン・ラムは、直接マウスの肺に導入したカーボン・ナノチューブの浮遊物が 酸素吸収を妨げる肉芽腫を生成すると報告した。
-抜粋終了-
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「ナノ材料により誘導される細胞死に関する研究の進展(その1) | SciencePortal China」
-以下本文一部抜粋-
ナノ材料は活性酸素(reactive oxygen species, ROS)を生成するために酸化ストレス、凝集沈澱を導き、または相応のイオン(金属酸化物など)を形成して細胞小器官または細胞の構造を破壊し、生体高分子や他の分子と相互作用を生じて細胞の正常な機能に影響を及ぼし、毒性作用を及ぼして細胞死を導きうる。
-抜粋終了-
※細胞小器官・・・
遺伝子の保全、伝達を行う「細胞核」、アポトーシス(細胞自殺)の調節、
細胞のエネルギー供給、ステロイドの合成を行う「ミトコンドリア」などがこれに当たる
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
EUでは2000年に国が政策文書として「予防原則」を提唱、
イギリスでは2004年に英国王立協会と王立工学アカデミーが
「ナノ科学、ナノ技術:機会と不確実性」
という報告書を発表して環境、健康、倫理観点からの問題提起を行いました。
「ナノマテリアルの安全性 ─EUの化粧品規則制定をめぐって─ 海外立法情報調査室 植月 献二」
-以下本文中の「ナノ科学、ナノ技術:機会と不確実性」から一部抜粋-
(勧告 4 )
人工的ナノ粒子とナノチューブの環境への安全性が証明されるまでは、環境中への排出を可能な限り回避する。
(勧告 5 )
工場及び研究機関は、人工的ナノ粒子とナノチューブは有害なものと仮定して取扱うこととし、廃棄物処理の流れに入れないようにし、又はその中からこれらの物質を除去するよう努める。
遊離した人工的ナノ粒子を、汚染浄化などの環境で使用することは、適切な調査の結果、潜在的利益が潜在的危険性よりも高いことが確認されるまで禁止する。
(勧告12)
消費者製品に含まれるナノ粒子は、使用が認可される前に関係科学諮問機関による十分な安全評価を受ける。(後略)
-抜粋終了-
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
どうでしょうか、人間にも環境にも未来を見据えて予防的に配慮するEUとイギリスは、とても先進国らしく人間的だと思いませんか?
農薬も添加物も、日本って本当に本当に規制が緩くて種類も豊富なんですよ。中国でもトランスファットの表示義務があるのに日本では0ですし、
同じく中国でも禁止されている「臭素酸」を食品使用に許可する国です。
除草剤であるラウンドアップで有名な成分、グリホサートの残留基準は中国基準の150倍です。
余談ですが、このグリホサートは一時期問題になった蜜蜂の大量死の原因です。これらは文字通り世界中で禁止されており、
カナダ→全州で芝生や庭でのラウンドアップの使用禁止
アメリカ→ラウンドアップ使用でのがん発生が問題になり、モンサント社を訴えていた原告が勝訴。同様の訴訟は1万3000件以上
フランス→農民に神経損傷の被害を与えたとしてモンサントに有罪判決
ラウンドアップは個人向けの販売を禁止、3年をめどに農家向けも禁止
スウェーデン、ノルウェー→ラウンドアップの使用禁止
オランダ→2015年末でグリホサートの使用禁止
ブラジル→2015年にグリホサートを暫定的に使用禁止
ドイツ、イタリア、オーストリアなど33カ国→グリホサートを2~3年後には禁止
スリランカ→2014年、ラウンドアップの販売を禁止、翌2015年にグリホサートの輸入を禁止
ロシア→ラウンドアップ耐性遺伝子組み換え食品の輸入禁止
アラブ6カ国→ラウンドアップ使用禁止
ベトナムなどアジア5カ国やマラウィ→グリホサートの輸入禁止
エルサルバドル、チリ、南アフリカ共和国→ラウンドアップの販売を禁止すか禁止に向けて動く
スーパーのコストコ→仕入れと販売を全面中止
日本→2017年にグリホサートの残留農薬基準を大幅に緩和
※中国の基準の150倍
※「世界中が禁止するラウンドアップ 余剰分が日本市場で溢れかえる」
この通り、物凄い事態になっています。
日本って本当に「薬漬け」なんですよ。
※参考ページとして
「ナノ - Wikipedia」
「マイクロ - Wikipedia」
「ナノマテリアルの安全性 ─EUの化粧品規則制定をめぐって─ 海外立法情報調査室 植月 献二」
「ナノマテリアルのリスク評価 -現状と課題- 東京理科大学ナノ粒子健康科学研究センター 環境医学情報センター (EMIC) 小 林 剛」
「臭素酸カリウム - Wikipedia」
「山崎製パン「ランチパック」「芳醇」、発がん性物質指定の添加物使用、厚労省が表示要請 | ビジネスジャーナル」
「臭素酸カリウムについてのQ&A」
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・「P&G」のレノアはクラスター爆弾
数ある柔軟剤の中でも一番具合が悪くなると大評判の柔軟剤、
それがレノアです。
まずはこちらのツイートをご覧下さい。
ナノまで先に話を飛ばしてしまったのでスケールダウンした様に聞こえるかも知れませんが、レノアって凄いんですよ~!
写真に書かれている紙の通りだとすると、はじける前で3~4μm(マイクロメートル)。
それがはじけてPM2.5程か、もっと小さくなり、その中から更に小さな0.8μmのマイクロカプセルが出て来て、それがまたはじけて、更に小さくなる。
その中からは当然物理的に考えて、0.8μmよりも小さな消臭成分、香料などの薬剤がまき散らされる・・・。
可愛く言えばマトリョーシカ、現実的に言ってクラスター爆弾。
道理でツイッター上で随分と名指しで危険性を指摘されている筈ですね。
ファブリーズといい、P&Gの犯している罪は計り知れません。
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次は「柔軟剤と香り付き洗濯洗剤編2」の
「2.ふわふわの代償は機械の故障、化学物質過敏症、自己免疫疾患、環境汚染、ペットの死」、と
「3.私達にできること」です。
お付き合い下さると大変嬉しく思います。