FIP闘病における肝臓の回復の重要性
画像:pixabay Capri23auto
FIPでは様々な理由から肝機能障害を引き起こします。
肝機能障害とは肝臓の機能が正常に働かない状態の事で、
血液検査の数値から調べる事が可能です。
FIPにおいて肝機能障害が起こる原因は
肝臓に起きた炎症が原因であったり、
肝臓に肉芽腫が出来た事が原因であったり、
そしてステロイド、インターフェロン、抗生剤等の投薬治療による肝臓疲弊(薬物性肝障害)が原因であったりします。
肝腎要(「かん」「じん」かなめ)と言う通り、
肝臓や腎臓の毒素を排出してくれる機能は何にも替え難い重要な機能です。
今回はこの肝臓に絞って書かせて頂きます。
1.肝臓の役割
肝臓は判明しているだけで
・消化
・分解
・代謝
・合成
・造血
等、500種類以上の働きをし、
数千種類の酵素を用いて毒素を分解する働きがあります。
人工的な再現が不可能な程に複雑且つ精密で、
人間の肝臓を完全に再現する事は現在の人類には不可能です。
更にこの機能を機械で再現しようと思うと、
何と東京ドームよりも大きな工場になってしまいます。
これ程に大切な機能を担う臓器ですから、
肝臓は健康であれば何と全体の65%を切除しても一年後には再生する程再生能力の高い内臓です。(人間の場合)
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2.肝臓を経由しない注射の危険性
こちらの「4.なぜ注射は危険なのか」でも書きましたが、
注射はこの濾過工場である肝臓を介さずに血液に直接薬を打つ為、薬が直に体へ入ります。
その為に大きな効果をもたらしますが、
同時に薬毒を直に体に流す事にも繋がる為に、大きな危険性もはらみます。
なので注射は急逝を引き起こす事もあるのです。
点滴を打つと驚くほど早く元気に戻れますよね。
あれは経口薬と違って直接血管から全身に巡る為です。
経口薬の場合はまず、
胃で溶解
↓
小腸で吸収
↓
肝臓でろ過
↓
心臓へ到達後に心臓の血流から全身へと運ばれる
という手順を踏みます。
この手順を飛ばして血流に乗せてしまう訳ですから内服と比べて吸収は非常に早く、吸収率も静脈注射であればほぼ100%です。
つまり同時に薬毒もそのまま吸収します。
※参考ページとして
「3. 薬の作用 投与経路と薬の生体内運命 | NPO法人セルフメディケーション推進協議会(SMAC)」
「くすりのいろは│すこやかコンパス│大日本住友製薬株式会社」
「お薬のしおり 薬の効き方について No.66」
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3.闘病で負担を強いられる肝臓
先で少し触れた通り、ステロイドやインターフェロンを使用すると解毒に追われた肝臓が疲弊し、肝機能障害を引き起こします。
これを薬物性肝障害と言います。
「重篤副作用疾患別対応マニュアル薬物性肝障害」
肝臓は劇薬である程負担を強いられますが、
例えば利尿剤や抗生剤、アスピリンといった薬でも起こり得ます。
FIP治療でも利尿剤で肝臓の数値が悪くなって取りやめた、という話はたまに聞きます。
肝臓を悪くすると黄疸が起きたりするのですが、
FIPで肝炎を起こしても、治療で使用した薬で薬物性肝障害を起こしても、どちらが原因か分かりません。
FIPではしばしば肝不全による死亡が挙げられますが、
これはFIPによる肝炎が原因なのか薬毒による治療死なのか、決して誰にも分かりません。
ただ言えるのは、どちらにしても、両方が原因だったとしても、
とにかくこの病は肝臓への負担が強い、と言う事です。
そして治療は肝機能障害の発症と死亡の確率が確実に上がる、と言う事です。
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4.肝臓の代謝を助ける
[ビタミンC]
ビタミンCは肝臓が行ってくれる薬物代謝に必要である酵素の生成や活性に用いられ、強力な解毒作用があります。
こちらでも書いておりますが、薬毒も含め、
毒素が入って来た場合は非常に大量のビタミンCが必要となり、
更に闘病においてもあらゆる理由でビタミンCは非常に重要な働きをします。
他にも鉄の吸収を助ける働きもあり、
様々な理由で貧血になるFIPには重要な成分と言えます。
つまりFIPにおいてのビタミンCは
ウイルスと闘う事に加えて貧血の予防、薬毒の遮断に必要という事ですね。
※参考ページとして
「ビタミンCと解毒/栄養のおはなし/杏林予防医学研究所二十一の会」
「肝機能の働きに欠かせないビタミンCの効果とは?」
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5.肝臓の回復を行う
[ミルクシスル(別名:マリアアザミ)]
ミルクシスルはハーブですが、海外の動物病院や日本の一部の動物病院でも処方される程安全性が高く、よく効く肝臓回復薬です。
有効成分は「シリマリン」で、
肝機能障害の回復と予防、肝細胞の保護など
あらゆる肝臓の問題に使用できることが証明されています。
「シリビニン - Wikipedia」
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・化学療法の軽減として
また、化学療法の軽減を目的としてよく用いられており、
抗がん剤や放射線治療の副作用軽減、
毒キノコの解毒剤としても用いられています。
「オオアザミ(Milk thistle)」
「マリアアザミ(ミルクシスル)が癒しのハーブとされる研究結果・症例 | 栄養素ラボ」
ドイツでは肝臓の解毒薬として正式に医薬品認可されているんですよ。
「マリアアザミ - Wikipedia」
家ではレボリューションを打ちに行く時に薬毒を防ぐ為、
先んじて飲ませてから行きます。
ただ二匹共に物凄く嫌っており、そのまま飲ませると泡にして吐き出してしまいます。
なのでカプセルに入れて匂いを封じ込め、
その上で海苔巻きにしたりと、あの手この手を使用しています。.
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・抗酸化作用
更に抗酸化作用の面でも非常に優れており、
何とビタミンEの抗酸化作用を上回るんです。
闘病中は白血球がウイルスへの対抗措置として「活性酸素」を発生させ、強力な酸化作用を起こして闘います。
その為にウイルスを攻撃すると同時に細胞を傷めたり死なせてしまう事になりますが、抗酸化作用のある物は活性酸素の酸化から細胞を守ってくれるんですね。
「シリマリンの効果・効能とは。高い肝臓保護機能とデトックス作用がすごい!|栄養素ラボ」
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・キャットフードにも入っている
このマリアアザミ、実は良いメーカーはキャットフードにも入れてくれています。
家で購入しているハッピーキャットにも入っています。
ハッピーキャットの良さは挙げ始めるときりがないのですが、
一部を抜粋します。
・遺伝子組み換え不使用
・ヒューマングレード(人間の食品と同基準)
・肉、魚、野菜、果物、ハーブを使用し、ビタミンやミネラルが豊富
・ミネラル成分の調整で尿石を作りにくくしている
・天然の食物繊維で毛玉ケア
・着色料、香料、保存料等の化学合成品は一切不使用
・可能な限りの地元の契約農家からの直接仕入れで品質管理
・動物での商品テストはしない
・腸内環境を整える目的でチコリの根、
排泄物臭の軽減目的でユッカシジゲラ、
オメガ3、6脂肪酸を含む亜麻の種(亜麻仁)、
グルコサミン、コンドロイチンが豊富で関節に良い緑イ貝、
ペクチンはりんご、その他健康の目的で複数のハーブを使用
※「ヒューマングレード のドイツ製、無添加ナチュラルキャットフードのハッピーキャット」
ハッピーキャットの詳細は
こちらの
「3.アレルギーを引き起こす原因物質」の
「4.質の悪いペットフード」をご覧下さい。
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・ミルクシスルの選び方
必ず原材料がミルクシスルのみかをよく確認なさって下さい。
他のハーブ等、別成分が混ざっているサプリを選ばれる場合、
その成分が猫に危険かどうかを必ず調べるようにして下さいね。
また、アズミラなどの商品は「硫酸カルシウム」、「二酸化ケイ素」、「植物ステアリン酸」といった混ぜ物が多いので絶対に避けて下さい。
原材料が「ミルクシスル」のみを選べば安全です。
アズミラを選ばれる方が何故か多いのですが、私は全く信用していません。
特にひどいのは、このメーカーが扱うユッカです。
よりによって特に危険な化学物質である「ソルビン酸カリウム」が入っています。
リン酸塩と並んで悪名が高いのでご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、危険性として遺伝子変異、染色体異常などが挙げられます。
地元のスーパー(チェーン店)でもこれが入った商品は取り扱いをしないと明記している程です。
-以下本文一部抜粋(自動翻訳による)-
「ソルビン酸ナトリウムは、染色体異常とSCEの有意な誘発を引き起こし、また用量依存的に6-チオグアニン耐性突然変異を誘発した。」
※筆者注:
SCE(sister chromatid exchanges)=姉妹染色分体交換
https://www.emf-portal.org/ja/glossary/203
「ソルビン酸ナトリウムの細胞遺伝学的活性は、浸透圧または不純物の影響によるものではないと結論付けられました。
これらの結果は、ソルビン酸ナトリウムが遺伝毒性物質であることを示していますが、その効力は弱いようですが、そして、そのソルビン酸とソルビン酸カリウムはナトリウム塩よりも遺伝毒性が少ない。」
-抜粋終了-
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・家で使用しているミルクシスル
家で使用しているミルクシスルはiHerb(個人輸入)が独占販売している「California Gold Nutrition」というメーカーの物です。
iHerbの詳細は
こちらの
「6.ビタミンCの飲み方、猫への与え方、選び方 ・「iHerb」とは」
をご覧下さい。
「California Gold Nutrition ミルクシスル」
・遺伝子組み換え不使用
・ミルクシスル原産国(EU) – スペインで生産
・総シリマリンフラボノイド80%
・Euromed品質のミルクシスルで生産
※Euromed・・・薬局方グレードのハーブエキスを取り扱う欧州メーカー
※「DDM573」をiHerbのショッピングカートで入力して頂けば全品5%割引になります
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・ミルクシスルの与え方
副作用が少なく毒性が非常に低い為に決まった基準が無い様で、
皆さん結構適当に与えていらっしゃる様ですね。
家では人間の1/10の考え方が基本ですが、
体重約5kg前後で80~100mg位が多い様です。
※参考ページとして
「マリアアザミ(オオアザミ)とは | 一般社団法人 日本サプリメント協会」
「National Geographic 第2回 “薬”としてのハーブ、二日酔いにミルクシスル」
「ミルクシスル|シリマリン|マリアアザミ|犬猫|肝臓|個人輸入」
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