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[小説]『目の高さ』

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目の高さ


 雲ひとつない星空の奥から滴る雨を香る。私は道路の真ん中で止まっていた。雨だけが私に時間を知らせてくれる。
 明かりは未だ一つも見えず、ここに来てどのくらい経ったのかも分からない。暗闇にようやく慣れた視界には、いつも通り道路と草原がうっすらと隔てられているのが垣間見えた。
 すぐに目を離して、再び前を見つめる。そこにはこちらに向かって走る白い私がいた。幽霊でも精霊でもないただの白い私は一向にこちらに近づくことはできていない。走り続けたまま止まっているのだ。ここの私からは二十メートルほどの距離しか離れていなかったが、もっと遠くにいるようにも感じられた。
 ……


装画:okkkkkkki

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