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「想いを行動に」:東京ガス・鈴木博久様インタビュー【なないろインタビュープロジェクト#9】

こんにちは🍀
NPO栃木法人こども応援なないろのひびきです🌈
「なないろインタビュープロジェクト」第9回目は、東京ガス・鈴木博久様にお話を伺いました!

東京ガス様は、当会の学生服支援事業である「なないろ学生服回収BOX」の設置にご協力いただいております。

【鈴木博久様略歴】
1992年、東京ガス株式会社入社。神奈川県の事業所に配属。2000年、東京都内の事業所に異動。2003年から2016年まで本社勤務の後、関係会社に出向。2020年、宇都宮市の事業所に異動。現在、栃木支社宇都宮支店共創推進部部長。

事業内容

ーーーーー東京ガス様は、どういった事業に取り組まれていらっしゃるのでしょうか。

「何をやっている会社だと思いますか?」

ーーーーーガスの配備とかですかね…。

「そうですよね。やはりガスの会社というイメージが強いと思います。ですが実は、いろいろな事業を手掛けているんです。
ガスの事業では、海外からガスを輸入しております。気体のガスはマイナス162度まで冷やすと液化します。液化したガスをタンカーに乗せて、東京や茨城の工場に持っていき、液体をまた工場で気体にして、道路の下に組み込まれているガスのパイプを通じて、各ご家庭や工場、病院やホテルの他、飲食店等にお届けしています。
それから、エネルギーではガスの他に電気の販売も行っております。自前の火力発電所に加え、太陽光発電や栃木県では真岡市にある神戸製鋼の発電所で作られた電気をお客様に届けるという事業にも取り組んでいます。
また、不動産開発のほか、水回りのトラブルを解決するサービスや学校教育支援活動等、様々に事業に取り組んでおります。」

ーーーーーガスだけでなくインフラ全般を整備なさっているんですね!

「そうですね。」

ーーーーー東京ガス様といえば「清原工業団地スマートエネルギーネットワーク」の事業で「第31回地球環境大賞経済産業大臣賞」を受賞されましたが、一体どのようなシステムなのでしょうか?

「複数の事業者間と東京ガスグループの連携、国と自治体の協力を得て実現した事業になります。東京ガスの関連会社である東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社が運営しています。」

「簡単に申し上げますと、ガスエンジンでタービンを回して作った電力と熱をカルビー様、キャノン様、久光製薬様の3社に効率的に供給しています。
電力を多くお使いになる会社、熱を多くお使いになる会社、それぞれあると思います。例えば、A社で製品を作る際に熱は100使うけれど、電力は10しか使わないとします。そうした場合、通常ですと電力の10に合わせた小規模なガスエンジンを採用することになります。一方、熱に合わせたガスエンジンを採用すると、熱と電力のエネルギーが100ずつ作られた場合、熱は100使いますが電力は10しか使えず、残りの電力90は捨てることになってしまいます。それではもったいないですよね。そこで、残り90の電気をB社に30、C社に60供給することで、電力を無駄なく使い切ることができるようになります。こういった事業ができるのも、カルビー様、キャノン様、久光製薬様の工場が近くに集まっていたからであり、他のエリアでこのシステムを導入するためには、様々な問題を解決する必要があると思います。しかし、今後産業団地を形成する際に、こうしたシステムが実現できるように工場を集めることができれば、環境にも優しいですし、実現可能性のある事業だと考えています。」

ーーーーー脱炭素型社会の素晴らしいモデルだと思います。東京ガス様がコーディネーターとなって、自治体と事業者間の橋渡しをされているんですね。

SDGsについて


ーーーーー貴社のSDGsに関する取り組みをお聞かせください。

「栃木支社では、学校教育支援活動を行っています。宇都宮市内の学校に伺い、環境やエネルギー、食育に関する授業を行っています。なないろさんとは、昨年8月に『夏休み自由研究SDGsワークショップ』を開催し、弊社ではパラスポーツの体験と片手でクッキングのご紹介を行いました。
これらは、SDGsの目標の4番『質の高い教育をみんなに』につながる活動です。
また栃木支社は東京ガスの組織では『地域共創カンパニー』に属しており、自治体様や地域の皆さまのお困りごとに対して課題解決できるよう様々な方法でアプローチしています。
私たちが持っている様々な強みを活かして、自治体様や地域の皆さまと協力してまちづくりに貢献したいと考えており、SDGsの目標の11番『住み続けられるまちづくりを』にも深く関わっています。」

ーーーーー自治体様と地域の皆さまと連携しながら、様々な課題に取り組まれていらっしゃるんですね。鈴木様がお仕事をされていて、喜びを感じる瞬間はございますか?

「やはりお客様に『ありがとう』と感謝の言葉を掛けていただいた時は、嬉しいですね。
先ほども申したとおり、私が所属している職場は自治体様や地域の企業様のお困りごとを解決していくお手伝いをする職場です。例えば『カーボンニュートラルな地域にしたいけれど、何をしたら良いのか分からない』と、自治体様からご相談をいただくことがあります。ご相談を受けるというのは、信頼されている証拠だと思います。
お客さまの期待に応えて、問題解決できた際に、『ありがとう』というお声をいただけると、嬉しいですし、やりがいのある仕事だとあらためて感じます。」

ーーーーーありがとうございます。鈴木様が日頃されているSDGsにつながる行動を教えていただけますか?

「まず、当たり前ですがガスや電気などのエネルギーの無駄遣いしないこと。それから、スーパーで買い物する際には、輸送の際のエネルギー削減にもつながるため、地産地消のコーナーで食材を購入しています。また、普段からフードロスを無くすために、賞味期限の近い食品を購入したり、マイバッグを持ったりして、買い物する際にはエコアクションを心掛けています。」

なないろとの歩み

ーーーーー当会と取り組みをスタートしたきっかけは何でしょうか?

「2020年4月にNTT東日本栃木支店の支店長様から、学生服のリユースを行なっている皆川さん(当会理事)をご紹介いただきました。
皆川さんとお会いして、学生服が値上がりして困っているご家庭があるということと、リユース学生服を届ける仕組みがあることを初めて知りました。
当時、弊社では宇都宮市様の課題であった「地域全体で見守る支援」の輪を広げていこうという動きがありました。学生服回収ボックスを設置すれば地域の支援にも貢献できると思い、設置させていただくことになりました。
なないろさんでは子どもの食の支援活動にも取り組んでいらっしゃいますよね。
災害発生時に職員に提供する非常食の賞味期限が近づいていることが分かったため、フードロスにならないよう有効活用してほしいことから、非常食を提供させていただいたこともあり、今もこうしてご縁が続いています。」

ーーーーーなないろの活動に意義を見出してくださって、ありがとうございます。当会と取り組みを始めたことで、何か反響はありましたか?

「事務所フロアに学生服回収ボックスを設置させていただいたのですが、設置当初は職場のメンバーから『この箱何ですか』と聞かれることが多かったです。
既に学校を卒業したお子さまをお持ちの方からは『もっと早く知っていればよかった』という声をいただきました。また、お子さまが学校に通っている方からは『リユースして貢献したい』という声がありました。
やはり私たちの活動が、 誰かの役に立つというのは嬉しいことですよね。設置することによって、視点もそこに移り、意識も変わってくるため、良い活動だと思います。」

ーーーーー今後、当会に期待することはございますか?

「一つの会社でできることは限られてしまいますが、複数の企業や団体が協力し合うことで、可能性が広がると考えています。
なないろさんは、既に多くの企業様とつながりをお持ちですし、これからもつながりの輪を広げていっていただければと期待しております。
弊社もそのつながりの輪に加わって、いろいろな企業様と課題解決できればと思っています。」

ーーーーーありがとうございます。当会は子ども支援の団体です。子どもに優しいまちづくりをするために、 我々栃木県民1人1人ができることは何でしょうか?

「1番簡単にできることは、交通ルールを守って、 安全に運転することですかね。子どもが安心して学校に通えることは大切だと思います。また、教育施設や児童施設に足を運んで、ボランティア活動をすることも、身近に取り組めることではないでしょうか。
大切なことは、1人1人が意識をして、自分にできる行動を起こすこと。ただ、想っているだけでは、何も変わりません。『想いをどうやって行動に起こすのか』について考えることは、子どもに優しいまちづくりにつながると思います。」

鈴木様からのメッセージ

ーーーーー最後に、この記事を読んでくださってる皆様に一言お願いいたします。

「東京ガスグループは137年間の歴史があり『安心・安全・信頼』というブランド価値があります。しかし、その価値は弊社だけで培ってきたものではなく、地域の皆様と共に培ってきたものです。
これからもガスや電気など、エネルギーの供給に加えて、エネルギー以外の商材とサービスを組み合わせた新しい価値を、地域の皆さま提供していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。」

インタビューを終えて

持続可能な社会を実現するために、地方自治体と行政との間をつなぐ役割を果たしている東京ガス様。お話を伺い、子どもが笑顔で暮らすためには、自治体様や学校との連携が不可欠であると再認識しました。
当会は今後も、想いを行動に移して、包括的な子どもの支援に取り組んでまいります。

鈴木様、お忙しいなか真摯にご対応くださり、ありがとうございました!


【東京ガス株式会社 栃木支社】

所在地:栃木県宇都宮市東宿郷4-2-16
代表:氏家大介(栃木支社支社長)
設立日:1885年10月
HP:https://www.tokyo-gas.co.jp/index.html



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