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竹内 陸(たけうち・りく) 花園大学4年
「この選手をジャパンで見たかった」と思う選手は毎年必ずいるけれども、今年、竹内選手ほど多くのファンにそう思わせた選手はいないのではないだろうか。
はじめて竹内選手に会ったのは、彼が2回生になりたての春だった。茶目っ気のあるキラキラした目を持ち、明るくハキハキと話す選手だった。
当時の花園大学の個人には、絶対的エース・小川晃平がいた。1学年下には「黄金世代」と呼ばれ、高校時代から実績を残している森多悠愛(恵庭南高校出身)、小川恭平(井原高校出身)が入学してきていた。
当時の彼は、自分のことを次のように語っていた。
「上半身の動き(伸びなど)が綺麗だと言われるので、そこを見てほしいです。目標は、インカレの種目別にも残って、ジャパンに進出することです。」
確かに上半身も綺麗だが、彼の魅力はなんといっても、その足先の緊張感にあるように思う。もともと脚の骨格に恵まれていることもあるかもしれないが、彼の演技中の足に漲る緊張感には、いつも惚れ惚れした。
この左足である。
「投げ」をしているから、視線は宙空にあるクラブを追っている。このような時、選手の意識の99%はクラブにあるのではないだろうか。当然、足元はおそろかになりやすい。それでも、足先をきっちり外側に向けられるのが、竹内陸という選手だ。
竹内選手が4回生になった、2019年の春。再び花園大学を訪れた時、新作のクラブがとてもいいと思った。この作品の試合での演技動画を公開できなかったのが、とても惜しまれる。下の動画では、そのクラブの練習風景も掲載している。断片的な映像ではあるが、ぜひ見ていただきたい。
花園大学は、竹内選手が在学中に監督がめまぐるしく入れ替わった。2回生の頃、尊敬する選手は、と聞かれて「菅正樹さん」と答えていた竹内選手が、その菅監督と共に最後の磨きをかけたこの一年。決して明るいものではなかったかもしれない。しかし、慰めや同情からではなく、竹内陸という選手は、まちがいなく「ファンの記憶に残る選手」であった。ジャパン出場の最後の切符をかけたクラブ選手権が終わったあと、どれだけ多くのファンが「竹内君が…」と嘆いていたことか。
そのクラブ選手権での彼の写真を10枚、インスタにアップした。
個人のリーダーである彼は、「花園大学の個人なので。個性を潰さないよう、指導しています。」と語っていた。
「花園大学の個人なので」
その言葉に込められた彼の誇りを、これらの写真からも感じられないだろうか。
2019年も終わろうとしている。数々の名演技、名勝負、涙、笑顔。
来たるべき2020年が、すべての人にとって、より良い年でありますように。竹内選手にとっても、花園大学の選手達にとっても。そしてすべての、この競技を愛する人々にとっても。
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