
改めて、”謙虚と感謝の大切さ”を思う
私は事あるごとに、3人の哲人経営者の箴言を脳裏に浮かべ、人生を反省する。その3人は、松下幸之助さんと本田宗一郎さんと稲盛和夫さんだ。お三方の哲学のベースには、”血の通ったあたたかな人間の心”がある。
今朝は3時に目覚め、寝床でうつらうつらして、4時前に事務所に出かけた。
そして、松下幸之助さんの『経営に成功する三つの原則』に思いを致した。
経営とはイコール人生である。経営の才が皆無の私にとって、お金に縁はないとしても、お金だけが人生ではないと思う。お金の苦労はしても、それによって心が貧しくなってはいけない。それなりにお金が回ってきて、人のため世のために尽くし、心豊かな人生を送りたいと思う。
だから、私は、お三方の箴言には絶えず心を致して、深く肝に銘じている。
肝に銘じていてもなかなかできないのが不完全な人間の故だ。だから、毎日の反省が不可欠だ。
夜、床に就く時、うつらうつらしながら一日の反省をするのが日課だ。その反省は夢にも出てくる。そして、日が替わって目覚め、その思いを反芻する。反省して、改めて行動に移す。それを繰り返す。そんな日々を送っている。
不完全な人間だから、それでも至らないことは決してなくならない。反省→実行の繰り返しが、不完全な人間を少しずつ成長させるのだ。
『経営に成功する三つの原則』
経営には非常に勘が重要だが、勘だけはだめだ。また、データやコンピュータだけでもだめだ。資料をいくら重ね、そんなものを分析しても限度がある。
経営に成功するのは原則がある。それを心得ないと絶体に成功しない。
その条件は三つあって、その三つを満たすことが重要だ。
第一は、絶対条件ともいえる経営の哲学、経営理念や志が備えられていなかったらだめだ。
第二は、その上に必要条件として、一人ひとりの豊かな個性を最大限に生かしきれる環境を企業として整備することだ。そしてその一人ひとりの内にある創造性を最大限に引き出すことに成功することだ。
第三は、あとは付帯条件としての戦略・戦術の駆使だ。
絶対条件は”哲学を持つ”こと、必要条件は”人間を生かす”ことである。勿論、戦略と戦術は不可欠なのだが、それらは哲学と人間の次の三番目であり、あくまでも成功するための付帯条件にしか過ぎないのだと、松下幸之助さんは仰っている。
昨日、いつもお世話になっているMYパートナーズ顧問の永田健士さんが事務所にお見えになり、その日事務所にいらした5社との面談に同席していただいた。
そして、皆さんとの面談の後、振り返りの会話の中で、永田さんの明治生命での経験をベースにお話しになったことと、松下幸之助さんが仰るところの「経営に成功する三つの原則」の2番目の「人間への思い。彼らの能力を最大限に生かすこと」とが私のなかでピッタリとオーバーラップした。
そして、改めて、「人間への深い洞察」が、”良好な人付き合い=成功する人生”のキーポイントであるとの思いを強くした。
松下幸之助さんは、部下と接する時の心得を下記のようにお話しになっている。
叱るときに大切なことは、失敗した部下を叱るときも感謝の気持ちを忘れたらいかんということや。
日頃はよくやってくれている。ありがとう、しかしこれは気をつけんといかん、ということや。
とにかく、まず、心のなかで、感謝の気持ちを持って叱らなければならん。まあ、心のなかで、手を合わせながら叱る。こういう心がけで叱らんといかんよ。
ああせい、こうせい
→ああしてください、こうしてください
→どうぞ頼みます、願います
→手を合わせて拝む
私はどれだけできているだろうか。甚だ心許ない。
哲人教育者の森信三翁は仰っている。
思い上がらず、
下座に徹して生きる時、
天が君を助けてくれる
絶えず、”謙虚と感謝の心を忘れない”ことだ。心したいことである。
不動院重陽博愛居士
(俗名 小林 博重)