デザイナー読書メモvol.14 デザインのあれこれ
インターネットをウロウロしてる時にこの本を見つけて、JAGDAが今の時代のデザインを語るってどういう内容なんだろうと興味あったので読んでみました!
この本の概要をまとめると?
デザインに対する社会からの関心が高まっている一方で、デザインの仕事そのものについてはまだ十分な理解がされていない。
そこでデザインに関心を寄せる人の良いガイドになり、同時にJAGDA自身もデザインの現在を確認し俯瞰できるものとして、
グラフィックデザインに関する100のテーマを設定し、各分野で活躍している現役デザイナーを中心に執筆した本です。
この本から得た学びは何か?その学びをどう活かせそうか?
面白かった項目を紹介します!
解像度
解像度をメタファーと捉えた解釈が面白かったです。
低解像度のデザイン:装飾を極力排した単純な形態を用いたモダンデザイン
高解像度のデザイン:杉浦康平さんのような視覚空間を表現したデザイン
そして現在はSNSなどを通じて作品発表するデザイナーも多く、低解像度に耐えうるヴィジュアルの方がわかりやすくいいねがつきやすいということも。それから影響をうけるデザイナー予備軍もいるので、しばらく低解像度志向が続くかも?
→個人的な印象としては何年か前と比較すると高解像度なデザインも増えてきたかな?と思います。でも確かに未来のデザイナーへSNSの与える影響は大きいと思いました。
サイン
情報を必要とする人に的確に伝えるのはもちろんのこと、必要としない人には存在が邪魔にならないように。という配慮があることを初めて知りました…確かに!トイレの場所などは重要な情報ではありますが、よく訪れるような場所にデカデカと毎回目立つ存在だと邪魔かもと感じました。この木住野彰悟さんのサインデザインは空間に溶け込んでいて素敵です。
地域性
・デザインする環境によって生まれるものも変わるはず。
・「らしさ」は結果として感じられるものであり、それを目的にして意図的に付け加えるのはちょっと本物という感じがしない。「らしさ」を見出してデザインすることと、デザインで「らしさ」を作りだすことは違う。
→胸に響く言葉です…。すでにそのものが持っているものを見つけ出してうまく生かすということは大事ですよね。
私と同じ富山県出身で在住の宮田裕美詠さんが地域性を執筆しており個人的に嬉しかったです。富山県で見つける可愛いデザインは宮田さんによるものが多く尊敬しております。
デザイン教育
・従来の造形技術を基盤とした実技教育だけでなく、様々な分野に関する総合的な知識を使った思考技術が鍵となる。ただ領域が膨大なので、生涯に渡って自ら学び続けるための技術教育が必要である。
・デザインのプロセスやメソッドがブランド化する時代。「誰が作ったか」より「社会をいかに反映したか」を評価する傾向に。
→デザインがどんどん社会的な仕事になってきていると思いました。グッドデザイン賞のテーマが「美しさ」から「共振力」、「交感」に変化していった話を思い出しました。我々も常に社会のことを学び続けなければいけないと思います。技術的なスキルとのバランスが難しそう。
プレゼンテーション
提案する相手がどういうことに関心を持っている、どういう立場の人物であるかの理解も必要。
→プレゼンもコミュニケーションであり相手がいるもの…というのは、お題にどう答えるかを考えていると忘れがちです…。あんまりプレゼンの機会はないのですが忘れないようにしたいポイントです。
何に1番驚いたか?
100の項目も面白いのですが、アンケートが普段なかなかJAGDA会員の生態を知ることがないのでとても興味深かったです!
・デザイナーの飲酒の頻度の多さ!
・デザイナーの悩みが根深い!
・デザイナーの喜びは結構家族のことが多い!
この本から得た深めるべき問いはなにか?
あまり深めるべき問いはなかったような気がします。笑
日本のグラフィックデザイナーの生態や考え方をざっくり知りたい方におすすです!