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<その2>空き地のインコ③ (捕獲編)

インコさんが車道脇の街路樹の上に移動した後は、ずっと歩道からインコさんを見つめていました。Youtubeでセキセイインコの鳴き声を流したりもしましたが、この子は全く無反応でした。車道のすぐ横なので車の音であまり聞こえていない可能性もありますが、車が通ってない時も当然あるわけなので、同種の鳴き声にはもともと興味がない子ということなのかもしれません。インコさんは、朝からちまちま地面をつついて何かしら口にしているようだったので、ある程度お腹が満足したのか、今は木の上でまどろんでいるみたいでした。

どれぐらいそうしていたか分かりませんが、そうやって街路樹を見つめ続けていたら、草刈りをしていた男性がお帰りになるところでした。私は遠くから頭を下げてご挨拶しました。見ず知らずの私に親切にしてくださって、捕まえたら捕まえたということをご報告したいのに、その手段がないことを残念に思いました。

リアルウォーリーを探せ!
難易度高いです(`・ω・´)

またしばらく街路樹の脇でたたずんていたら、Mさんが車でやってきてくださったのが見えました。Mさんも中学校を目印にしていらしたせいか、中学校の正門の方に曲がろうとしていたので、こっちですよ~と大きく手を振って合図をしました。

車が通るたび風圧で
ゆさゆさ揺れてもへっちゃら

Mさんが車から降りていらしたときも、まだインコさんは街路樹の上にいました。なので、公園でインコさんを見張っていた時と同じように、また二人でインコさんを見上げながら、雑談をしていました。こうやっていつも二人そろって首が痛くなるのです。私は、寝ながら鑑賞するプラネタリウムのソファーみたいなアウトドア用品があるといいのにと少し思いました(ま、どう考えても人の邪魔になりますけど…)。

そのうちインコさんは電線に移ったり、近くの民家の軒下の雨どいあたりにぶら下がったりし始めました。

電線にとまった!

あちこち行き来して電線にとまった後、ふいにインコさんが思いもよらない方向に飛んでしまいました。飛んだ先は、反対側の沿道にある工事現場の白い高い壁の向こうで、インコさんの着地したところが全く見えませんでした。Mさんが車道を渡って見に行ってくだったところ、壁の向こうにある小さな畑のようなところに降りたようでした。

私はその時はインコさんを追いかけませんでした(※1)。このままインコさんがどこかに行ってしまったらどうしようという不安もありましたが、なんとなくあの子はまたここに戻ってくるような気がしていました。根拠はありません。戻ってこない可能性もたくさんありました。でもインコさんは、実際にまた道路のこちら側に戻ってきてくれました!

その後、電線にとまっていた時だったでしょうか、また民家のあたりにいた時だったでしょうか(詳細忘れ※2)。近くの電線にカラスが来ました!
私たちは、ハラハラオロオロするばかりでしたが、幸いなことに、しばらくすると、カラスは行ってしまいました。私たちは胸をなでおろしました。

カラスが去ってまもなく、インコさんが、民家の奥にあった工事資材置き場のような場所のフェンスに降りてきました。そのフェンスは、私たちでも手が届く程度の高さでした。私とMさんは、「降りてきた!」とだけ言って、目で合図しあって、その後は無言になってインコさんのほうにそうっと近寄っていきました。

私が先行して左の手のひらにあるシードを見せながら、さらに距離を詰めていくと、何と、インコさんの方からこちらに短くぴょんと飛んで、私の手の上に乗ってくれました!(※3) やっぱり野外のその辺にある食べ物だけではお腹が減っていたのです!インコさんは一生懸命私の手の中のシードをつつき始めました。

私は、自分からインコさんが来てくれるとは思っていなかったので、嬉しくて感動の涙を流したい反面、「なんで来てくれるの~?」と、腹の底から妙に愉快な気分になりました。なるほど、「泣き笑い」ってこういう心境なんだな!と初めて実感しました。とても幸運な時間でした。

私は、「いいよ、捕まえないから食べなよ」とインコさんに言って、インコさんが手の中のシードをつついているのをしばらく見ていました。そうしながらそうーっと、だんだん左腕を下げてインコさんを捕まえやすい胸の位置まで持ってきて、タイミングを見計らって、インコさんのいる左手の指で軽くインコさんの足を挟んで抑えつつ、同時に下のほうから右手で一度尾羽の根元のほうを抑えてインコさんの動きを一瞬止めて、そのまま胸のほうに抱き寄せるようにして、身体を確保しました(※4)。

この時は、捕まってくれてありがとう!と泣きそうになりました。
これは今でも、保護された鳥さんたちに対して思います。


生きていてくれてありがとう。
捕まってくれてありがとう。

その後はインコさんを両手で胸に抱いたまま、キャリーが置いてある歩道のほうへ移動しました。

一度はキャリーに入れるときに逃がしてしまいましたが、今回は、Mさんが先回りしてキャリーを用意してくださいました。扉も開けて待っていてくださったおかげで、今度は逃がすこともなく、インコさんを無事にキャリーにおさめることができました。そこで、Twitterの皆様にご報告すべく写真を撮りました。

この後、インコさんをどうするか、Mさんと話し合いました。今回も、Mさんよりは地理的に近い私が預かることになりました。ちょうど帰り道に警察署があるので、そこに寄ってから帰宅することにしました。リアルタイムでもDMでやり取りをしてくださっていた目撃者様には、無事捕獲のご報告を入れました。目撃者様もとても喜んでくださいました。

余談ですが、近くに交番もあるけど警察署の方が話が早いかなと思ったら、この日は日曜日で会計課はお休み=別の課の方が対応してくださったため、かえって時間がかかってしまいました。拾得届の処理は、交番のおまわりさんの方がまだ慣れていそうな気がします。

これまた余談ですが、この捕獲劇のあと、もっとおいしいものを持っていれば、もしかしたらもっともっと早く迷子鳥さんが近くまで来てくれたかな?という考えが浮かんだので、発情抑制のために普段は買っていないカナリーシード(ちびっこ用)と麻の実(ラブバード以上の大きさの子たち用)を、迷子鳥捕獲用にと購入しました。とはいえ、こんなことが2回もあって、さすがに次はないだろうなあと思っていました。そしたら、この約1ヶ月半後、3度目がありました…。そしてまさかまさかの4度目まで…。それはまた別の記事でご紹介いたしますm(_ _)m


※1 私が動かなかったのは、素早くMさんが動いてくださったというのも大きいです。一人で見張っている時だったらさすがに見に行ったと思います。

※2 それにしても、やはり半年も経つと、もう細かいことが全然思いだせないものですね。捕獲作戦をしているときは一生懸命で、これを記録に残そうという考えはなかったので、写真等の、思い起こすために役に立つ資料が意外と少なくて、記事を書くのに難儀しました。
今後、もしまた捕獲作戦をやることがあったら、写真やスクショで資料を残したり、時間を明記したうえで、時系列にして出来事をちゃんとメモしておこうと思っていますφ(..)

※3 「この人間は美味しいものを持っている!」とインコさんに認識してもらっていたからこそ、こちらに来てくれたのだと思います。迷子鳥さんとの距離を縮めていく時には、必ずご飯をチラつかせていくのは割とポイントだと思います。

※4 インコさんを手で捕まえるこの捕獲方法は、爪切りの時はどうせ捕まえるからと家で試してみても、逃げられてしまってまったく出来ないんですよね(^^;) 公園の子もこの子も、外で捕獲した時と同じ方法でやってみてもまったくできません! 野外で、向こうもこっちも必死な状態になって初めて実現する捕獲方法なのかもしれません。
しかしながら、セキセイインコさんを保護した方で、両手でパッと捕まえたという方は結構いらっしゃいますので、捕まえたいターゲットがセキセイさんサイズのときは、チャレンジする価値はあります。もちろん迷子鳥さんにケガがないように、細心の注意を払った上でトライしましょう

★次の捕獲経験はこちら↓★


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