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<その3.5>水路のインコ②(より詳細な記事 上)

埼玉県A市の水路のインコさんを保護したNさん、Aさん、Bさんのお3人が、詳しく当日の状況を教えてくださったので、許可を得て記事にさせていただきました(写真はNさんとBさんからご提供いただきました)。
今後同じような子を見つけた方の参考になったら幸いです。

2021年11月16日午前11時頃、Nさんは、某迷子情報サイトの目撃情報をもとに、おそらくはここだろうと私が見当をつけた場所に、実際におひとりで足を運んでくださいました。最初は半信半疑だったけど、水路の脇を歩きながら、景色を見ているうちに、あの目撃情報の場所はここだと確信したそうです。

Nさんは、しばらく捜索を続け、何気なく水路の向こうの方に目をやった際、畑の奥の電線に頭の白い鳥がいることに気が付きました。近づきながら、目をこらすと、青い体が見えました。インコさん発見です!

真ん中の電信柱の右にインコさんが
いるらしいです(見えない!)

しかしそこは、水路の向こう側ですし何より他人の畑ですし、人間がやたら行けない場所でした。周囲にはカラスもいたので、Nさんは慎重にならざるを得ませんでした。

距離をつめられないままNさんが観察していると、インコさんは、下に降りて草むらの中に入ってしまいました。 この辺りは、前述のとおりカラスもいるけれど野鳥達も多くいて(ついでに狸もいたらしい)、隠れる場所もたくさんあるし、農地なので食べられる物も結構ありそうです。 インコさんに弱っている感じはなく、飛び方からして元気そうなことに、Nさんは安心しました。

気がつけばもう13時半を過ぎていました。Nさんと私はこの時、リアルタイムでDMのやりとりをしていたのですが、Nさんは、スマホの電池の残量が少なくなってきたことに不安を感じるようになってきました。また、私が「保護の時は何人かいたほうがいい」と示唆したことに加えて、実際にNさんが一人で現場を歩いてみて仲間の必要性を感じたということがあり、インコさんとの距離もこれ以上詰められないので、Nさんはいったん帰ることを考え始めました。そんな時、インコさんが突如近くに現れました!

ジャーン!突如ご降臨!
しかし柵があってどうしようもない(:_;)

インコさんが来てくれた場所は、水路の柵の内部でした。Nさんが柵越しに持参したシードをあげてみたところ、良い食べっぷりでした。インコさんが柵のこちら側にきてくれるようにと誘導も試みましたが、なかなかうまくいきませんでした。

この時には14時近くなっていたでしょうか。さすがにもうスマホの電池が尽きそうになってきました。やはり一度戻って、できれば仲間を募り、どう保護するか作戦を練りなおそうと思ったNさんは、インコさんをその場に残し、後ろ髪をひかれながらも、泣く泣く帰宅することにしました。

帰宅後、Nさんは、インコさんの写真を添えて目撃情報をツイートなさいました。今のところインコさんが近くに降りてくるのをひたすら待つしかないので、誰かに応援をお願いするのは心苦しいと感じていましたが、それでもとにかく誰か来てくれたら、何か良い方法が見いだせるかもしれません。幸いなことに、お一人、Aさんという方から協力のお申し出がありました。

さらに翌日の2021年11月17日には、Twitterをご覧になって、Bさんという方も現場にいらしてくださいました。というか、この日、現場一番乗りはBさんでした。Bさんは、インコさんが現れる具体的な場所は分からないながらも、付近の捜索を始めました。そこに、愛鳥のオカメさんを連れたAさんがやってきました。Aさんは、鳴き声でおびき寄せられるのではないかと考えて、鳴き声が大きくて物怖じしない男の子のオカメさんをわざわざ連れてきてくださったのです(※1)。

二人で「どのへんだろう」とお話ししながら、インコさんを探していたところ、今度はNさんが現場に到着しました。Nさんの登場によって、インコさんが現れるポイントは、道路を挟んで反対側だったとわかったので、3人でそちらの方に移動しました。そして、ウロウロしながらインコさんが現れるのを待っていましたが、この日はなかなか姿を見せてくれませんでした。途方に暮れていたところへ、11時ぐらいになって、突如、頭上をピューッと飛ぶ鳥が!インコさんです!

インコさんは、昨日と同じように、水路のある柵の中に降り立ちました。そして今日もまた、柵の中からは出てきそうにありませんでした。そこで、身軽なBさんが、柵を越えてインコさんのいる柵の内側に入りました(※2)。

柵の中はこんな感じ
最初はシードの撒き方で
失敗したとのこと


Bさんは、おびき寄せるために水路の内部にシードを撒きましたが、撒いたシードばかり食べてしまってなかなか近づくに至らなかったので、思い切ってシードをいったん全部撤去することにしました。そうしてから、シードを手のひらに載せて、インコさんに近づいていきました。すると、ジリジリと捕まえられそうなぐらい近くまで寄ることができ、さらにはシードに釣られてインコさんが手に乗ってきてくれました!

この時にBさんは、インコさんを捕まえようとしましたが、あと少しというところで、インコさんが飛んで逃げてしまいました。しかしインコさんは、3人と遊んでいるつもりなのか、さほど遠くまでは行かず、近くの柵にとまりました。

柵に止まったところ

Bさんは、一度失敗してしまったことに少し動揺しましたが、柵の上にいったんは逃げたインコさんが、そうっと近づいていったNさんの手にも乗ったのを見て、これはまだ行ける!と判断し、Bさんも、再度シードを見せながらインコさんに近づいていきました。

シードを手ににじり寄るところ


Bさんが優しく声をかけながら距離をつめていくと、インコさんがまたBさんの手の上にも乗ってくれました! 

Bさんは、慌てずゆっくりと手のひらのシードを食べさせることにしました。Bさんは、そうしながら、タイミングをみて素早くインコさんの足を指でおさえて動きを止め、もう片方の手でささっと捕獲しました!(※2)捕獲成功です!!


Bさんがこんな感じで足をぱっと抑えて、
捕獲に成功しました
(Nさんによる捕獲時の再現写真)

3人は喜びにわきました。しかし、この後さらにうれしいサプライズが待っていたのです!(「より詳細な記事 下」に続く)

※1 Aさんのお宅にもしセキセイさんがいたらセキセイさんを連れて行ったかもしれませんが、セキセイさんがいなかったので、セキセイさんと同郷で、鳴き声の大きなオカメさんを連れていらしたそうです。確かにオカメさんのオスの呼び鳴きは大きいので、同種の鳥さんがいない時には、試してみる価値はあるように思います。

※2 写真では判断しにくいですが、柵の高さは意外と低く、水路の水深は数センチ程度だったそうです。

※3 ターゲットの鳥さんが手の上に来てくれた場合は、足を抑えたり、さらにセキセイさんならしっぽが長いのでしっぽを抑えるという手が使えます(私は新座の空き地の子を保護した時にこの手を使いました)。もちろんくれぐれもケガさせることのないように、抑えるのは一瞬です。鳥さんの安全が第一であることは忘れてはいけません。

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