ロータリーミキサー Headliner R2 を半年間使ってみた
「ハウスDJは黙ってロータリーミキサーと片耳ヘッドフォン」を信仰しつつも、目玉が飛び出るお値段と筐体のワガママボディ感の現実から、パイオニアの縦フェーダーミキサーを使い続けて四半世紀。
所有ミキサーのロータリー化カスタムも考えていたところ、ここ数年でロータリーミキサー市場が急に盛り上がり、10万円前後でスペインECLER WARM2とかドイツOmnitronic TRM-202が出てきて、YouTubeでチェックし、通販ショッピングカートに入れては削除を行ったり来たり。
しかし、ついに2023年末にHeadliner's LAというアメリカ発の新規参入ロータリーミキサーを購入。半年じっくり使ってみたので、気まぐれでレビューっぽいことをしてみる。
基本的な部分
値段:廉価機ロータリーミキサーの中でも最安、UK Juno Recordsで送料と関税含めても6万円いかない(為替レートやセールで変動あり)
買いやすさ:国内販売はナシ、通販で買う分には問題ないのでは?(2024年6月時点)
筐体サイズ:縦30cm横22cmの少し縦長、木製サイドパネルを外すと横20cmくらい
デザイン:シンプル・イズ・ベスト、木製サイドパネルでクラシック感を演出
機能:シンプルな2チャンネルミキサー、Loパス、Highパス切り替えフィルターがついているのが特徴
ツマミ:「ミキサーのツマミと言えば」の存在である日本のALPS製を使っているらしい、重すぎず軽すぎず至ってノーマル
音質:ロータリーミキサー特有の温かみのある音が出ている気がする、ホームユースでは◎
堅牢性:半年間ほぼ毎週末使っても、故障や不具合は出ていない
良い点:2チャンネルともそれぞれHigh, Mid, Lowのイコライザーがあり利きもキレも合格、特に完全に音を消す-∞はGood
悪い点:チャンネル1側イコライザーのツマミがひっかかる標準ポジション位置が0表示の真下から微妙にズレている、機能には問題ないが見た目の惜しい部分(個体差?)
クセがある部分
その1:電源があまり見ないミニXLR端子ACアダプター、日本のコンセント用ACアダプタ電源ケーブルだけ別途購入し、繋げば普通に使える
その2:多くのロータリーミキサーにあるマスター用アイソレーターがない、イコライザーで代用
その3:チャンネルごとのフィルターON/OFFボタン位置がなぜか一番手前にある、慣れるまでミックスする時ちょっと邪魔に感じるかも
その4:音が出ている状態でフィルターON/OFFボタンを押すと音量が「ポンッ」と耳で聞いてわかるレベルで一瞬ホップする。なお、プレイ中にフィルターON/OFFボタンを押さなければ問題なし。ONの状態でもフィルターツマミを端まで切っておけば、実質フィルター効果はゼロにできるのでON/OFF変えなければ問題なし(YouTubeの海外レビュワーも指摘していたので、おそらく仕様)
Omnitronic TRM-202と比較して良い点
ライバル機として想定されるであろうOmnitronic TRM-202と比較すると、2チャンネルともそれぞれHigh, Mid, Lowのイコライザーが独立して使えるのと、みんな大好きフィルターが標準装備なのがHeadliner R2の優れた点だと思う。それ以外は、ほとんど「好み」のレベル。お値段考えたら文句はナシ。なお、ECLER WARM2は、ほぼ倍のお値段なので比較対象にならず。
結論
ロータリーミキサー入門機としては「買い」だと思う。ロータリーミキサーの音の混ざり具合の良さをちゃんと楽しめる。
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