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生きづらさの正体…2冊の本との出会い

前回の記事「さみしかったよ~幼き日の心を見つめるピアノ~」をご覧くださった方、本当にありがとうございました!!

現在、Audiostockでのオリジナル曲販売の一環として、親子問題やアダルトチルドレンの心境をテーマにした作曲・即興も行っています。
これらは、心理の世界では言い尽くされたことかもしれませんが、私は40歳目前まで知ることが無かった分野でした。私が出来ることとして、いま辛い心境にある方へ、これらの事を知っていただくきっかけをつくりたいと思い、音楽の場を通じた活動を続けています。

さて、今回の本題。
私が、自分自身が抱える親子問題の本質や、アダルトチルドレンの概念を知るきっかけになった本を2冊、ご紹介させて頂きます。

1.「心の休ませ方」著:加藤諦三

最初に読んだのがこれ。会社員時代終盤(昨年退職)、酷いパワハラを受け、持病も悪化し手術。心身ともに不安定な日々。何でこんなことになったんだろう…と思った頃に、偶然コンビニで見つけました。
軽い気持ちでめくったら「生きづらさの根っこは親子関係にある」と知り、目からウロコ。アダルトチルドレンを知るきっかけにもなりました。

強く印象に残っている部分をいくつか紹介します。

人は、まず親との関係で人との付き合い方を学ぶ。親にもてあそばれた子供は、もてあそばれることが、それ以後の周囲の人とのつきあい方になってしまう。そして知らず知らずのうちに周囲に自分をもてあそぶ人を集めてしまう。
また、ずるい人はつねに餌を探しているから、そのような従順な人をすぐに嗅ぎ分ける。そしてその人に近づき、その人から甘い汁を吸うだけ吸う。

「心の休ませ方」著:加藤諦三

周囲の期待に応えて社会的に成功しても、自分自身の目的がなくて長いこと生きてきたから、心の中が空っぽなのである。

「心の休ませ方」著:加藤諦三

子供時代、親は趣味に仕事に忙しく、私は殆ど甘えたことがありません。
心を開いていたのは同居の祖父母に対してのみ。
親とは心の交流が無いのに、私には指示をする。服もおもちゃも、進路も親の言う通りにしなければならない。10歳離れは弟は別格。
そんな環境でした。

嫌なことは「嫌だ!」と言う。おかしいことは「おかしい!」と言う。
当たり前の感情とそれに気付く感覚が、私の中に無かった。あったはずだけど、仕方ないと我慢する中で、段々と失われていった。そう思いました。

パワハラを甘んじて受け続けたことは、自分の育った環境で身に付けた生き方だったのだと気付かされました。
残念ながら、自分に対して酷いことをしてくる相手はいるもの。だから大人になった今からでも、それを跳ね除ける心を育て、方法を身に付けなければならない、そう気づきました。

また、この一文にも、大きな気付きをもらいました。

自分の心に響く音楽や本を見つける
その時に、一般的に優れたものと定評のある文学や音楽を選んではならない。自分の心に響いてくるものがあるかないかが選ぶ基準である。

「心の休ませ方」著:加藤諦三

それまでの私は、自分の気持ちを鼓舞するような前向きで華やかで力強い音楽を好む傾向にありました。
それは今振り返ると、「周りに気に入られるような元気な自分で居るため」「流行りの曲やみんなが知ってる曲を押さえておきたい(カラオケ対応)」そんな理由で音楽を選んでいたと思います。

それが、自分の体調悪化とともに出会ったこの一文がきっかけで、「心から自分が落ち着く曲」に興味が出てきました。

当時は、大貫妙子さんをすごく聴くようになり、人生初のクラシック以外のコンサートやライブ訪問をすることにもなりました。
そして、オリジナル曲を始めてからは、寝る前の即興演奏をして自分自身を癒したりすることにも繋がりました。いまではそれを販売させて頂き、選んでくださる方がいる。本当に有難いことだと思います。

2.「子どもを生きればおとなになれる~〈インナーアダルト〉の育て方~」著:クラウディア・ブラック

AC(アダルトチルドレン)概念の生みの親が書いた本。
先ほどの「心の休ませ方」の次に読みました。和訳も丁寧で違和感なく読めました。特に、具体的なワークがすごく良かったです。

機能不全家族で育ったACの多くは、一見すると立派なおとなとして社会に適応していても、実はおとなになりきれていない部分を抱えています。
ただしそれは、「子どもっぽい」という意味とはまったく違います。むしろ人並み以上に社会的責任を背負い込んでいることも多いのです。
・・・
ACは、きちんと「子どもを生きる」ことが出来なかったのです。
愛され関心を注いでもらいながら、自分の感情をありのまま受けとめ、自分に必要なことを周囲に要求する、という練習が、子ども時代にできませんでした。ごく小さい頃から手探り状態で、しっかりしたおとなのように振舞わなければならなかったのです。
・・・
「インナーチャイルド」、つまり心の中にいる子どもの自分と出会うことは、生き生きした自由な自分と出会うことでもあります。
・・・
その次にくるのが「インナーアダルト」を育てる作業です。

「子どもを生きればおとなになれる~〈インナーアダルト〉の育て方~」
著:クラウディア・ブラック

説明とワークがセットになりながら読み進めていきます。
ワークを通じて子供時代を振り返りながら、自分の心の傷を癒すことにもなりました。そうやって、きちんと自分の傷や想いに向き合った後で、これから大人として自分がどう生きていくかを学び直す。非常に有意義な時間となりました。

この本を通じて知ることが出来た、大切な一歩は

回復とは、子ども時代について本当のことを話せるようになること。

「子どもを生きればおとなになれる~〈インナーアダルト〉の育て方~」
著:クラウディア・ブラック

でした。

3.私が実際に行動したこと

私は昨年1月に始めたTwitterで、生まれて初めて事細かな幼少期の辛さを打ち明けました。有難いことに、近い悩みを抱える人にも出会えました。

話す中で気付いた気持ち。

親に、私が抱え続けた寂しさを知ってほしい。

だから、何度も親に伝えました。メールや電話でぶつかりました。
「あんたが子供の頃の話なんて、一切覚えて居ない!!!」最初はそんな反応でした。

過去の話は一旦横に置いて普通に会話をしたり、でもまた思い出して本心を伝えてみたり。
そんな会話の積み重ねの中で、私も以前とは異なり「嫌だ」「おかしい」「私は違うと思う」と言えるようになっていました。

細かな経緯はもう覚えて居ないのですが、最近は程よい距離感で仲良く過ごせています。

(2023.12.29追記:
その後、なんと両親と弟は同居を解消。さらに我が家と結構近い距離に越してきました。黙って一方的に越してきて「今度からいつでも会えるわ~~」と母親。嫌な予感的中。至近距離での交流を約1年してみたけれど、やっぱり父親も母親も、昔のままでした。娘の私には自分たちの理解者であることを要求する。でも、私のことには関心がない。
私がどんなに辛い思いをしていても「あなたが悪い」「努力が足りない」「世の中にはもっと辛い人がいる」との言いぶり。
自分の中で決定的だったのは、私の娘にも同じような接し方をはじめたこと。そして再び絶縁中。詳しくはこちらのnoteへ。


色々話していくと、両親は、私の子供時代の事を結構覚えていたんですよね。「親は子供に対して完璧でなければならない」と思い過ぎていたのかなと感じます。だから耳障りなことは言うな、と。

子どもが親に対して本音を言うのは当たり前のこと。
そして親は、子供に言われた全てを叶えなくたっていい。親の価値観や、叶えられないことがあるのは仕方ないし、そこで有耶無耶にせずちゃんと説明すればいい。
一方的に抑え込むのではなく、きちんと話し合えばいい。そう思います。

「こんなことを話したら親に悪い」「家庭内の話をSNSに書くなんて!」と思いがちですが、自分の人生が辛いのであれば、SNSなどで打ち明けてみるのはとても大切なことだと思います。
それは、親を糾弾するためではなく、自分の本心に気付き、
大人として、責任を持って自分の人生を前向きに歩んでいくための行動
になると思います。

今後も、親子問題の解決やインナーアダルトを育て直すまでの経験を、このような形でお話したり、音楽活動にも活かして行けたら良いなと思っています。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!^^