桜葉どらいぶ樫野創音「Circle.ep」について
桜葉どらいぶです。音楽を作ってます。
昨日M3という音楽イベントに出展しまして、おつかれベイビーズという音楽プロジェクトで一緒に活動している樫野創音さんと一緒に桜葉どらいぶ樫野創音というサークル名でCDを作りました。
製作の話など語っていこうと思います。
サークルについて
これは冗談みたいなサークルカットの画像。前おつベビのサムネで使ったやつだけどね。このサークルカットのように、我々の出展もほぼノリで決まりました。
なんだかんだ雑なノリでやってもこの二人ならまあ音源出るだろうなという信頼感はあり、実際ギリギリにはなったけど最終的にはちゃんと5曲入りに。お互い公開済みの曲を収録しなかったのは何気にめちゃ頑張ったなって思います。Splitっていう形でお互い数曲持ち寄って出すスタイルでやってみたいね、っていう話は前から二人でしてたはずなんですけどついに念願叶ったりという感じ。
ジャケットイラストについて
自分自身だけで音源を出すとなったらあんまり人にジャケットイラストを頼む気力が湧かない、という気持ちが個人的にあったりするんですけど、創音ちゃんと一緒に音源出すならちゃんと好きな絵師さんに描いてもらいたいな~という気持ちがありました。
そこで、前からイラストを頼みたかったいちとせさんにお願いをしたところ、快く了承していただきスーパー素晴らしいジャケットイラストが完成しました。いやあかわいいし雰囲気いいしで本当に、良い…
いちとせさんと言えばすごいクラシカルなメイド服を書くのがお上手という印象も個人的にあり、描いてもらっちゃうか…!のノリでそのまま依頼。本当にすごくてすごかった。いろいろ細かい要望もさせていただいたんですが、本当にイメージ通りやってくださり大感謝です。
楽曲について
全5曲中私の担当曲は3曲。ちょっとライナーノーツみたいなものを書いていこうと思います。
1.Wheel / 桜葉どらいぶ
アルバム一曲目。勢いがある。
ちょいクリーンめなギターで、キャッチ―で細かいリフを作りたいと思ってできた曲。私は定期的に一昔前のVampire Weekendみたいな曲を作りたいという感情が湧くんですが、今回はそれなりに寄ったかなっていう気がします。
曲の原型自体は割と早いうちにできてて、6月とかにはもうデモを上げていた曲でもあります。ここまで作ったはいいものの割と力尽きて、展開とかもあまり思いつかなかったのでこの時点でいったん放置。実際次に手を付けたのは10月だったかな。
ちょっとトリッキーな曲展開を作りたくて、サビというかHookみたいな展開(歌詞的には「今日が終わってしまった~」のところ)を1回しか使わないという感じにしました。で、最後は曲の雰囲気がガラッと変わったまま終わるみたいな。自分的には結構気に入っています。
オケができた後に歌詞の内容を考えたんですが、こんな明るい曲に見合う歌詞なんて書けるわけないな~と思いながら手を動かしていたらすごい率直でそれなりに暗い歌詞ができました。アンニュイな日常って感じ。
"振り回す"とか"車"とか"轍"とか、車輪を連想するようなフレーズがたくさん出てくるなと思い、"Wheel"というタイトルを付けました。「一つの形さ」→「僕らの轍は」で韻を踏んだフレーズができた時に、「あっこの曲完成したな」という気持ちになりました。ギャグかましてやったぜみたいなノリです。
そういうわけで、最後の最後に一抹のユーモアを混ぜ込んだという自覚もあったため、MVも普段よりユーモア寄りにしようかなと思って作った結果こんな感じに。少々やりすぎたかも。
2.高鳴る鼓動 / 桜葉どらいぶ
ミドルテンポでエモリバイバル的なものをやりたいな~と思って作り始めた曲。Into it. Over It.みたいな曲作りたいなと思いながら作ってました。ギターのチューニングはDAEGC#E。Algernon Cadwalladerがめっちゃやるやつですね。
Split収録を見据えて作り始めた曲で、割とすんなりできました。これは製作開始7月~。MP3なんとかみたいなサムネでデモ上げてました。たしか9月上旬には概ね仕上がってたかと。
歌詞は結構コテコテの熱い感じというかそんな感じです。ギターに関しては実は一聴した倍くらいはムズくて、フレージングが細かく聞こえるWheelより実情としてはちょっとキツめみたいなのもあったりします。執拗に開放弦使ったり、コードストロークにアルペジオねじ込んだりしてたらまあ普通にミスるわミスるわ。
シンプルだけどちょっとフックが効いた感じの曲展開にしたいなと思い、同じメロディーラインと歌詞を全然違う展開に乗っけるみたいなアプローチを取っています(「高鳴る鼓動は~」の歌詞登場2回目)。これ自体はかつて自曲「いつしか」でも同様のアプローチを取っていたりはするんですけど、前半をシンプルに歌一本にして後半にコーラスを乗せまくる!みたいなノリで展開作ったら個人的には面白い感じになりました。
最後の展開とかボーカル3本重なってるんですけど、歌が3本重なるとどことなくTHE ALFEEを感じるなという個人的な感想があります。なので自分の中で勝手にこの曲を「エモのTHE ALFEE」と呼んでいます。別に皆さんは言わなくても良いですが…。あとはなんか曲として、別解釈の毎日みたいな空気感もあるかなっていうのは思ってたりも。ギターのチューニングも同じだし。
5.スカーレット / 桜葉どらいぶ樫野創音
私が結構前から温めていたデモを創音ちゃんとの共作に作り替えた曲。大元のデモは6月には完成していた。(下のデモファイルはうぇ〜い2.mp3と読みます)
そのままだとどうしてもシンプルな展開すぎてあと少しの部分でしっくり来ないな~って感じのデモだったので、ちょいちょい作りこみつつもわからん!となりつくねちゃんにベースRECを投げたら結構自由に色々やってくれてアレンジの糸口がつかめました。この最終的なブラッシュアップの作業をやっていたのはなんと10/20(イベント一週間前)。怖い話だ…。まあ手焼きだからなんとかなったなって。
あとはどうせならお互いの歌のパートがあって、最終的に融合する感じの展開になればコラボ感出るかなと思いそんな感じの展開になってます。因みにベースより先に歌のRECが終わってました。
結構つくねちゃんパートの歌の音程低いんですけど、つくねちゃんは本当に低音が映える声を出すなと改めて思いました。自分で歌っても全くしっくり来なかったし…。
歌詞のテーマ性については、自分がつくねちゃんに歌録りしてもらった後に送ったDiscordを見てもらうのが一番いい気がするので、貼ります。
二階堂真紅さんはマジの名ヒロイン。
でもなんというか、つくねちゃんも昔好きだったVTuberの引退とかに最近出くわしている気がしていたので、そういう意味でも一緒に歌いたいなっていう歌詞でもありました。上の画像のとおり、敢えて背景は伝えずお願いしたけどね。
本当に個人的な話をするなら初鹿野ことなさんに捧げる1曲でもありました。
別にただの一視聴者だから本人と仲良いわけでもなんでもないし、本人の引退を食い止めるとかって視聴者サイドからは全くできない上に奢りでもあるんだけど、それでも無性に悔いたりしてしまうよなという感情を伝えられたならうれしいです。
まとめ
ということで、Circle.epの自分担当分的なお話をさせていただきました。本当に5曲とも気合入っているので是非聞いてほしいです!
通販はこちらから!→
いまつくねちゃんがストリーミングを準備してくれてるところなので、そちらはあと少しお待ち下さい。
余談
今回自分が作りたいものをめっちゃ作ろう!というコンセプトでやっており色々やりました。ピック、サークル布、ジャケット中紙、紙ジャケット等々自分がやりたい仕様を突き詰めまくった結果、入稿の工数が結構エグくなったので、楽しかったけどめっちゃ疲れましたね…。でもマジで全部やれたなの気持ちはあります。我が生涯に一片のなんとやら。
あとアラベールスノーホワイトはマジで最高の紙なので、皆さんにもおすすめしときます。本当にいちとせさんのイラストとの親和性が高すぎる。
追記
つくねちゃんのライナーノーツで自分の楽曲も語られてて何それずるい!となったので樫野創音楽曲の感想を追記します。まあただの一ファンの感想文なんだけどさ…
3.灰になる / 樫野創音
データが送られてきたタイミングでめっちゃ良いな…となりビックリした曲。Wheelが私の新境地寄りだとしたら、こっちは樫野創音の新境地だなって思う。長いことバンド活動してるバンドマンって早かれ遅かれ一度はこういう打ち込みベースの歌もの曲を作る時期があるよなって思ったりもします。それこそライナーノーツで挙げられてたOGRE YOU ASSHOLEとかもそうだし(初期の作風が違かったので余計そう感じる)。かく言う私も近年作りたい曲の方向性もこれかもなという気持ちはある。
創作者でもありほかの人のファンでもあるっていう意識を根底に持っていそうな点で、我々は似た者同士かもなという気持ちがあるんですが、その両面の視点を巧みに描いた曲だなって思います。それぞれの視点で描かれる一番と二番の結び方がこうも異なるっていうのは面白いなって思うし、共感もしてしまう。自分の作品が灰になるのなんて割と構わないなって思っちゃうんですけど、人のことってなると思うところも出てくるよなって。
何でしょう、つくねちゃんって曲構成と歌詞のメッセージ性をリンクさせるのとか、比喩表現で歌詞の情報を美しくシンプルな言葉に乗せて印象的なメロディーラインで届けるとか上手くて、自分とは対照的にすごく「引きの美学」を感じるなってずっと思ってます。この曲とか特に顕著。自分は結構ダイレクトな言葉を使うし、言葉を詰め込む派の人間なので割とそこは逆。歌詞カードとか眺めてると、文字量からもそこの違いも対照的でおもろいなと思います。
4.生活 / 樫野創音
いいよねこの曲。いつもの創音ちゃんの曲らしさも強いけど、データ渡してくれたとき私の好きなバンドの作風に寄せてくれてるのかな〜っていう気持ちもあって嬉しかった。実は自分の頭の中にもHello Hawkがちょっと思い浮かんでました、実際言うほどは似てないはずなんだけど。「レコード」っていうモチーフが出てくるのもなんとなくこの辺のバンドのこと意識してるのかなって思ってたけど、ライナーノーツでちょっと答え合わせができた気がして嬉しかったです。
灰になるとは対照的に、歌詞も曲も明るいのがEPの流れとして完璧で良い。生活の名の通り生活に溶け込む曲だと思うし、その時々の情緒を大切にして楽しく生活してる感じが伝わってきていいですよね(本人は全くそういう生活してないらしいが)。いい意味で力が抜けた曲。バンドアンサンブル的には中盤のブレイクで細かいギターフレーズ入ったりイントロの展開が凝ってたりと若干捻ってる部分もありつつ基本はシンプルで、グッドメロディー、グッドコード、こういうのでいいんだよ感の塊みたいな曲だなって思います。捻り具合の絶妙さにプロフェッショナル感を感じるぜ。
あんまりこういう曲って自分狙って作れない気もするんだよね。自分がこういう狙い方すると多分おつベビのHomecomingみたいな曲ができます。
今度こそおしまい!
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