上半期新譜好きなやつまとめ
最近大して音楽を聴いてないのにやりたくなってきた。皮肉なものですね…
Anxious - Little Green House
俗に言うエモリバイバルバンドの中でも、ハードコアの血をしっかり引き継いでる感じがあってめっちゃ好き。本人たちがエモだと思ってやってるかわりと怪しい気はするけど、英語版Wikipediaに書いてあったからひとまずそう思うことにしました。メロディックっぽさもある?まあジャンル分けなんてものは基本後付けだから曖昧だし、だからこそ面白いものではあると思います。
Run for Cover Recordsの公式紹介文でTexas Is The ReasonとSamiamの名前があってあ~~~なるほどね!!はいはい!!って勝手になってしまいました。この辺あんまり最近のエモバンドを語るのに見ない名前だよなという気はします。
結構メンバーの年齢若いみたいなんですけど、初期衝動って感じの勢いはありつつ割と渋いことやってる気がします。自分にとってはこれぞアメリカの片田舎!アンダーグラウンド!みたいな感じがあるサウンドで嬉しくなっちゃいますね。源流に近いポストハードコアが好きなので…。
House Jumper of Love - Natural Part
今年ホントに出会えてよかったバンド。まだこんな新鮮な出会いあるんだ・・・というのが今年多くて助かります。というかこのバンドと前述のAnxiousが所属しているRun For Cover Recordsを全く存じ上げなかったんですが、ほんといいレーベルですね…。
基本的にはスロウコア聞いてるときの感覚というか、淡々とした感じなのにたまにとてつもなくエモーショナルな展開が来てうおおおとなる。そもそもメロディとコードのセンスがものすごいからなんだろうなあ。この生活の中に潜むエモーション(適当なことを言っています)、みたいなバランス感は癖になりますね。聞いててひたすら心地よい。ミドルテンポの良質な曲を聴くと寿命が延びるとされているので、聞いてください。
SASAMI - Squeeze
最初はおろちんゆー?!みたいなこと思ってジャケに完全に釣られたアルバムです。精神が中学生なので…。ササミ・アッシュワースさんという方のソロ活動名義です。メタルを感じるような適度なアバンギャルドさを感じさせつつも、芯の部分ではしっかりオルタナやってるような感じがほんとに好きです。最近まさかのJマスキス(ダイナソーJr)とコラボしててふ~んなるほどねってなっちゃいました。ジャケもサウンドもすごい何回も聞いたり見てると癖になるような、ある種の中毒性がある気がします。結構聞いたな~って記憶があります。
Built to Spill - When the Wind Forgets Your Name
ボーカルの癒し系おじさんことダグ・マーシュが大好きなので新譜出て嬉しくなっちゃった…。2009年にThere Is No Enemyというアルバムを出して以降大きなメンバーチェンジがあり、そのあと2015年に出したUntethered Moonというアルバム以降しばらく活動がありませんでした(2020年にカヴァーアルバム出してたけど)。あんまり最近の音楽性が個人的にしっくり来てなかったんですけど、今回のアルバム聞いて「ひと昔のダグが帰ってきた…!!」と割とダメな音楽オタクの喜び方をしました。どことなくYou in Reverseの頃の優しい空気感を感じるような…?歌心おじさんの本領発揮っていう感じがあり、なんだかすごくうれしいな…いい歌作るよなほんと…
後々When the Wind Forgets Your Nameっていうフルアルバムが出るらしい?いや出たのか?わからないけどすごい楽しみです!
Wovenhand - Silver Sash
私が密かにすごい好きなゴシック・カントリー、ゴシック・アメリカーナというような呼び方をされるジャンルがありまして、これはまあ一言で言うと陰鬱なカントリー音楽なわけです。その中でも代表的な16 Horsepowerというバンドがいるんですが、そのバンドのボーカルDavid Eugene Edwardsという激渋おじさんのソロプロジェクトがWovenhandです。16 Horsepowerはバンジョーとかいかにもブルーグラスっぽいアコースティックな楽器を使っていながら、めちゃくちゃ歌詞も音楽性も暗くて非常に私好みのバンドです。最高!Wovenhandも基本的にその方向を受け継いでるんですが、もうちょっとロック寄りというか、あんまりカントリーに馴染みがない人でも聞きやすい感じになってます。
そんなWovenhandが,私の大好きなEmma Ruth RundleとかTTNGとかRussian Circlesが所属しているSargent Houseから、突如2016年にアルバムを発売し日本のファンのみんなは歓喜しました。嘘です、Wovenhand追ってる日本人を私以外に殆ど見たことがありません。超かっこいいのに…。なんで?
2016年に出たStar TreatmentはさすがSargent Houseから出たアルバムというだけあってめちゃくちゃヘヴィな音像のアルバムでした。だけど結構歪みに音が寄りすぎてる感じもあり、私が結構16 Horsepower時代に好きだったアンプラグドな要素を感じることができなかったのは個人的にちょっと悲しかった。すごいかっこいいアルバムなんですが。あとアルバム通して音像が似たりよったりなところもあり、少し冗長かつ大味だったのは否めない気もします。その直前のRefractory Obdurateというアルバムが多彩なアプローチをしてた緻密な作品だったから余計にちょっと比較しちゃったところもある。
今回のSilver Sashですが、Sargent Houseらしいヘヴィなアルバム、というのと従来の多彩な音楽的アプローチを両立している感じがあり、個人的には「Sargent Houseからアルバム出すWovenhand」として求めていたものがジャストミートで来た気がします。ダークかつアルバムとしての魅せ方がうますぎる。コッテコテなロックンロールのリフを使ってるけど、ポストパンク的なフレーズの繰り返しでうまいことやってる"Dead Dead Beat"(あと声が半端じゃなく合ってる)、リズムの使い方とかコードに現代的なロックのエッセンスを感じる"Omaha"、アンプラグドな要素の入れ込み方が巧みな"8 of 9"等、多彩な曲が収録されており、本当に大満足です。こんな色々やってるのにカントリー(アメリカーナ)のアプローチを感じるのは本当にすごいと思う。
Superchunk - Wild Loneliness
私はDNAにSuperchunkが刻み込まれてるタイプの人間です。実家の音がする!
前作What a Time to Be Aliveは原点回帰してる感じというか、本当にパンキッシュな作品で、テーマ的にも結構過激な感じだったんですけど今回はうってかわってアコースティックな感じで爽やかですね。ただ歌詞をちゃんと聞くと相変わらずこうタイトル詐欺というか、なんかちょっと重いものを心に残してくバンドだなと思います。なんか明るい曲に限って歌詞がえげつないんだよね。自分もそういうとこ多分影響受けてるな…
自分の中ではこれぞアメリカのインディーサウンドって感じです(それぞれにそれぞれのアメリカンサウンドがあるってわけなんですが…)。