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文豪ストレイドッグス 蝶を夢む

※独り言なのでふーん程度に捉えてください

原作、アニメで蝶を夢むを見た感想的なやつです。つまり与謝野先生についてです。

与謝野先生の過去を初めて原作で読んだときは衝撃的だったなぁ。だって、現代だと強気なかっこいい女!っていう人じゃん。男尊女卑が嫌いらしいし。

与謝野先生のあの悲劇は純粋さが故にって感じだよね。自分はただ、目の前の人を救いたいだけであってそれ以上でもそれ以下でもない。だって11歳だもんね。まだ幼い子供だよ。そんな純粋な心を利用した森さん流石現代ポートマフィア首領だなって。目的の為なら手段を選ばない合理的な人だもんね。幼児好きで11歳は守備範囲なのに…

結局与謝野先生が完全に壊れるまでに至ったのは立原兄の自殺が大きいんだけど、その場面で最も印象的なのは『正』という文字。
そして立原兄からの"君は正しすぎる"
この正の文字を見て思ったのが、蒼の使徒で太宰が発した言葉。
"正しさとは武器だ。それは傷つけることはできても守り、救済することはできない"

与謝野先生が人を救うことのできる異能を持つ者として、瀕死の人を救うことは正しいこと。だけど、世の中正しさだけで解決なんてできないんだよね。与謝野先生の異能力で瀕死の人を無傷に治すことは正しいことだけど、果たしてそれは根本から問題を解決できたのか。"瀕死の人を救う"という正しさで軍の人たちは心を傷つけられ、結果的に救うことはできなかった。一時的に救っただけ。寧ろそのまま死んでしまった方が『戦死』で終わったのに『自殺』になってしまった。与謝野先生の異能は心までは救えない。
"これじゃ殺すために治しているようなモンじゃないか……"
まさにそのとおりだと思ったね。
そして、立原兄が最後に与謝野先生へ向けて言った言葉。
"君は戦場に君臨する『死の天使』だ"
与謝野先生の異能は即死じゃなければ無傷で生き返らすことができる。しかも、探偵社がテロリストに仕立てあげられたとき1度自決してから生き返った例のようなことも可能。そりゃあ森さんも欲しいよね。最強すぎる異能だもの。
使い方を変えてしまえば、拷問だってできてしまう。
与謝野先生の異能は良い意味で捉えれば
"人を死から救うことができる"
悪い意味で捉えれば
"人から死を奪う"と言えてしまう。
"死"というのは生まれながらに人間が持っている権利だ。だけど、その権利を奪ってしまう与謝野先生は死を操ることのできる神(天使)だ。そういう意味なのだろう。その事実に気づいてしまったらそりゃあ壊れるよな。自分の異能が人々を救い、幸せにできると心から思っていたから。死にたくなるよな。それでも取り戻しに来る森さん怖すぎ。流石人の心を持ってないなぁ

あの後、探偵社コンビ(社長と乱歩)はどうやって与謝野先生の存在を知ったんだろう。軍関係で社長にも情報が行くことあったのかな?

乱歩さんが与謝野先生をつれだしたときに言った言葉が本当に好き。

与謝野先生は
"妾の周りでは命の値段が安くなる"そう言った。
11歳にそう思わせてしまうなんて本当に辛い

そんな言葉をかき消すような乱歩さんの
"莫迦らしい!"
嫌ならば異能力を使わなければいい。そう言うけれど、異能力を使うことを強要された、使わなければ他のものが犠牲になった。そんな現実を突きつけられて壊れた与謝野先生は自分が死ぬしか方法がないと考えた。
その与謝野さんを救ったのが『乱歩さんの推理力』
"僕の推理力が世界一!あとはどうでもいい能力!仮に探偵社でも君の出番はない!僕がいれば全て解決するからね!"
乱歩さんは心からそう思っていたのだろう。でもね、凄く良い。

でもそれでも与謝野先生の心はまだ晴れてなくて、乱歩さんが何か質問をしてみなよ!って言うと
"妾は如何すればいい?妾が生きてもいい場所なんてあるの?"そう聞いてしまう。
それに対して

"この世には1ヶ所だけ君を必要としない場所がある。君は探偵社に入れ。異能が欲しいんじゃない。欲しいのはその優しさだ。誰にも死んで欲しくなかったんだろ?だからそんなに苦しんでる。その優しさがあるから君を誘いたい。
能力なんて無くたっていい。その悲しみに価値があるんだよ"

本当に本当に素敵な言葉だな。

異能力しか見られてなくて、異能力を使うことを強要されて、それで多くの人間が死んでしまった。そんな与謝野先生にとって"異能力が要らない"と言われて、"優しさ"を見てくれていた。この事実がどれだけ与謝野先生の心を救ったのだろう。泣く。
乱歩さんは余計な慰めなんてしない。ただ思ったことをそのまま真っ直ぐ伝える。それが他の場所では煙たがられ、嫌われていたけれど、それなしに与謝野先生は救えなかったんだと思う。

乱歩さんが救った命によってさらに多くの人が与謝野先生の異能力で救われる。幸せのエンドレス。

乱歩さん&与謝野先生の組み合わせはポオとの推理対決で小説に入るってなったときに初めてあったんだけど。その時、与謝野先生が死にかけて乱歩さんに言った言葉。
"妾を探偵社に誘ってくれてありがとう"
ここを読んだときはただ、乱歩さんが与謝野先生誘ったんだ〜。としか考えてなかったけど蝶を夢むを読んだあとにもう一度見ると深いなぁってなる。

素敵なお話だな。辛い部分も沢山あったけど。
ありがとう文豪ストレイドッグス。
今日は以上!

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