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【企画参加】令和版百人一首 恋の巻【秋の部】

なんだか一句、詠みたい気分だった。

きっかけは昨日の記事にいただいたsanngoさんのコメントではあったのだけど、考えてみれば、やはり物書きとして、短歌にはちょっぴり興味があった。

しかし短歌というものは、僕のようなずぶの素人が手を出していいものではないような気がしていた。

もしも僕が、つれづれなるままに一句書き綴ろうものなら、短歌界の重鎮的な人が重鎮的に僕の記事にのっしと足を運び、重鎮的な批判のコメントを【五・七・五・七・七】のリズムで残していくのではないかと、小心的な不安にさいなまれていた。

しかしここは、noteである。
どんなものを書こうが、【五・七・五・七・七】のリズムで批判を言われる筋合いはない、と自分を奮い立たせた。

参加したのは、こちら。


…………

風呂上がり
寒くなったと
笑う君
長い袖ふる
男もの着て


ふろあがり
さむくなったと
わらうきみ
ながいそでふる
おとこものきて

…………


以下、解説。

……

僕は学生のとき、誰とも交際したことがなかった。

男連中とつるむのは楽しかったし、女子とも別段、仲が悪かったという憶えもない。年頃の男子として月並みな、女の子への興味だけ。

そんな僕でも、思わず目を惹かれてしまうような場面があった。

あれは確か、隣の教室を通りかかったときだったと思う。

そのクラスには、男子との距離感が近い、いわゆる『みんなのアイドル』的な女子が一人いた。

そのとき彼女が着ていた、セーターの大きさ。

ああこれが、と僕はきゅんを通り越して感動すらしていた。

これが恋ってやつなのか、と。

なんならそのLLサイズのセーターの本来の持ち主に、嫉妬みたいな感情をおぼえなかったといえば嘘になるほどだった。

時は移ろい、僕は大人になる。

僕にはMUちゃんという素晴らしい彼女ができた。

そして僕の部屋で頭にバスタオルを巻いたままくつろぐ彼女をみて、僕は再び感動することになる。

ああ、これが恋ってやつなのか、と。

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