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令和7年2月10日 月曜日

晴れ。
子どもたちのために撮り溜めるしているアンパンマンを見ていた妻が僕に言った。
「悪者がバイキンマンでもそうでなくてもアンパンマンが諸悪の根源を倒せば元通りになるねこの世界」
あまりにも鋭い着眼点に僕は衝撃を受けた。

悪者は決まってあの世界の住人に悪さをする。それも住人達の姿形を変えてしまったり、カチコチに凍らせてしまう。これだけでも相当ハードなイタズラなのだが、もっと質の悪いのも居る。くらやみマンなる者に至っては暗い別世界に住人達を閉じ込めてしまう。
それでもアンパンマンが悪者をぶっ飛ばしてしまえば、魔法が解けたかのように被害者たちは元通りになる。まるで自分の姿形など始めから変わっていなかったかのように屈託のない笑顔で笑っている。

あの世界はすべての課題に対してそのすべてをアンパンマンというソリューションに全振りしているのを以前から不思議に思っていた。
具体的に言うと、すべての課題に対するソリューションでありながら代替される強力な武力をもつ者の育成がなされていない。予備のパン工場も整備されていない。パン工場内の担当の割り振りは不明だが、アンパンマンの顔を作れるのもジャムおじしか存在しなさそうである。つまり、有事が起こった場合の備えがされている様子がない。
それは元通りの世界になることが決まっているからなのだ。
住人達は命を取られる心配をしていないし、身体にキズが残る心配もない。ゆえにアンパンマン一派は来たる次の戦闘に備えることも考えない。
だってアンパンマンが悪者をぶっ飛ばせば元通りになるから。
元通りになることが約束されているのに、現状よりも安心できるように考え・改善活動を行うはナンセンスである。

以前、天才的なエンジニアリング力を持つバイキンマンがアンパンマンに勝てるようにするにはどうすれば良いか?を考えていたことがある。

・再生産の防止:パン工場を機能不全にさせ顔を作らせない
・飛行機の防御力を増強:アンパンマンの攻撃を受けないようにする
・多数による攻撃を回避・協力者の排除:アンパンマン一味の戦闘力を喪失させる
・補給の防止:バタ子・チーズに顔を投げさせない
逆をいえば、アンパンマン一派もバイキンマンとの戦闘において勝利の確度を高くするには👆と反対の施策を取るべきなのだが、いつ見てもそこに注力している描写はない。
なぜなのか。もう答えは出ている。諸悪の根源を倒せば元通りなのだ。

昔、スタンフォードの卒業式でスピーチしたスティーブジョブスはこう言った。
死は古いものを一掃し、新しいものを生み出す。
死が生物を進化させる唯一の方法である。代謝のない世界で変化は生まれない。

アンパンマンの世界に進化はない。命を守る発明も生まれない。パン工場は1つだけ存在して決して顔の量産なんてしないし、効率的に生み出す方法も生み出さない。だから僕たちはいつアンパンマンを見ても同じようなストーリー展開であるべきなのだ。
決してジャムおじは効率的にパンを作ってはならないし、悪者対策で重装備をして勝利の確度を上げようとしてはいけないのだ。

↓↓2005年スタンフォードの卒業式でのスピーチ

死についての書籍を調べていたら、これは素人でも読みやすそう。
読んでみよう(積読の量が今やばい)


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ゆべしさん
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