利用者とヘルパーの依存の関係
こんにちは、宮本(@OTTO_LLC)です!
介護の現場の中で利用者がヘルパーに「依存」するって事はよくあることなんですが…ただ、逆も然りでヘルパーが利用者に「依存」する事もあるんですよね。
うちの会社でも何年か前にそういった事で少しいざこざになった事がありました。
これは結果的にうちも訪問事業所としての方針を変えましたし、ある意味プラスになったと思っています。
あるスタッフが特定の利用者宅へのサービスの回数が多く、そのスタッフへの信頼が家族からめゃくちゃ大きくなっていたんです。
もちろん当たり前の事なんですが、信頼を得るためにしっかりとサービス(身体介助)は行っていました。
それもあってか家族からのスタッフへの依存は深くなっていたように感じます。
利用者(家族)の依存の代償
はい、それでは依存がそれほどまでに悪いのか?という点に関してですが。
絶対にダメだとは言い切れませんがその結果、事業所にとってマイナスになることが多いという事です。
これはどういったことかというと。
・他のヘルパーがそのお宅へ介入するハードルが上がる
・ヘルパー同志の比較が始まる
・利用者(家族)のプライベートの話を知ってしまう
・仲が深くなりすぎる事で会社の情報も安易に口にしてまう
まだまだありましたが一旦これくらいにしておきましょうかw
・他のヘルパーがそのお宅へ介入するハードルが上がる
というのは仲良くなりすぎることで、同行や自分がサービスに入る際に特定のヘルパーと仲がいい事を話の会話の中で小出しにされる事があります。
これって、サービスをしているヘルパーからするとどう答えていいか分からなくなりますよねw
結局「あの子が一番私と仲が良くて、あの子ことを一番信頼しているんです」って言っている様なもんですよ。
やりにくいったらありゃしないですよね。で、そこから
・ヘルパー同志の比較
が始まるわけですよ。「あの子はこんな事までしてくれる」「こんな話を聞いてくれる」「ここまで理解してくれる」ってな具合で他のヘルパーに対しての比較がスタートします。
ここまで来たらもう危ういですね。
実際それが原因で新しく入ったヘルパーが介入できなくなるんです。
・利用者(家族)のプライベートの話を知ってしまう
これは聞かなければそれで良いんですけど、施設とは違い訪問は利用者(家族)と少ない人数や一対一でサービスを遂行していかなければいけません。
なので、必然的に聞きたくなくても聞いてしまう空間に身を置くことになるんです。
あれやこれやと聞いてはいけない事や聞きたくないことなど、心の奥にしまっておきたいけど「この話、自分の心の中で処理できるかな?」って考えちゃう人も絶対にいると思います。
こうやって徐々に深みにハマっていってしまいます。
・仲が深くなりすぎる事で会社の情報も安易に口にしてまう
ここまで来ちゃうともう完成形ですね。
会社の情報なんて絶対に流しちゃいけません。
この、会社の情報というのは利用者の個人情報の話ではなく他のスタッフの事や会社が現在進行形で進めようとしてることなど利用者(家族)が知らなくてもいい情報の事です。
こんな話をするようになったら利用者(家族)からしたらそのスタッフが特別に感じてしましますよね。
例えば、友達や知り合い、同僚から他の誰も知らないような話をされたら「自分はこの人にとって特別だ」とか思っちゃうでしょ?
まぁ、多分そういう心理じゃないでしょうか?
利用者(家族)との距離感はどうすればいい?
付かず離れずでいきましょう!!
「いや、分かってるわー」っていうツッコミありがとうございますw
この付かず離れずというのは具体的に反対のことをするだけなんですよね。
・他のヘルパーがそのお宅へ介入できるようにする
・ヘルパー同志の比較が起きないようにサービスの統一と共有
・利用者(家族)のプライベートの話を聞き流す
・会社の話は絶対にしない
結構当たり前の事なんんですが、こういう事です。
・他のヘルパーがそのお宅へ介入できるようにする
ここがもしかしたら一番大事なことかもしれませんが、他のスタッフや事業所のことを考えてサービスを構築する。
この作業は基本的に責任者がするべき業務ですが、社員やパートにもしっかりと情報を共有することで確実に回避できることだと思います。
社員、パート関係なくスタッフ1人1人が一緒に働てる人たちのことを考えてサービスを行うことでよりよい訪問サービスができる事は間違いないのと、そこの取り決めをする事で利用者にとっても充実したサービスを提供できると思います。
・ヘルパー同志の比較が起きないようにサービスの統一と共有
前の話に近い部分はありますが【サービスの統一と共有】は随時していきましょう!!ということです。
誰か1人がスペシャリストだと意味がなくて「サービスの質が悪い人」と「サービスの質が良い人」が出てくると必ずメチャクチャになります。
多少の技術の誤差は仕方ないにしても、ある程度は統一できる様に指導を行いマニュアル等は作成しておくべきです。
マニュアルを作成してる事業所はもちろんあると思いますが手順だけではなく「今後どういう生活を送ってもらえる様になるか?」など、長い目で見てその人の生活の基盤を一緒に考えサービスを遂行していく中で必要な項目を明確に共有し、統一できる研修を行うなど自社で徹底するべきです。
・利用者(家族)のプライベートの話を聞き流す
プライベートの話を聞き流すというのは、ちょっと語弊はあるかもしれません。
プライベートな話の中にその人の本質部分や困りごと、今まさに悩んでいることなども含まれていることもあるので全てを聞き流すのではなく誰かの悪口や家族の文句など「ちょっとその話は自分達では解決できないかもなー」って事はうまく話を逸らしたり聞き流せる技術は必要かもしれません。
思いのほか、こういった事で気持ちがしんどくなったりするヘルパーさんもいてるので注意してください。
・会社の話は絶対にしない
で、最後はこれですが…こんな話を利用者(家族)にする事自体が社会人として問題ですw
モラルの問題でもあるしリテラシーが低すぎますよね。
そんな人が働いてるのであれば、会社全体で問題視を行いちゃんと解決することが必要ですよね。
会社での取り決めを徹底する
結果、会社内での取り決めをしっかりしましょうね。って話なんですが、事業所を立ち上げたばかりだとそこまで頭が回らないこともあると思いますが、初めの決めておくべきことかもしれません。
利用者との依存関係でメンタルが削られることもあると思うんです。
この仕事してれば利用者から信頼されたり頼りにされる事は、すごく嬉しい事なんですけど依存されすぎる(依存しすぎる)事で「この人の気持ちに応えないといけない」「この人には自分しかいない」っていう心理が働いて、その重圧に押し潰されそうなったり、全てを自分で抱え込んで気持ちが持続できなくななる場合もあります。
ただ、その時はもう遅いんですよね。
その時点でその人と関わることを拒否したり、介護の仕事自体がキライになったりしたらものすごく勿体無いんで。
気持ちの切り替えが上手い人やそもそも自分の性格が分かってればここに至るまでに対処できるんですがそうじゃない人の方が多くて。
物事を俯瞰でみる癖はつけといた方がいいですし、いつでも相談できる人を職場や職場以外でも作ってる方がいいんですよね。
心がしんどくなる前に対処できるところは対処して、それを吐き出す場所も用意しとくだけでだいぶと気持ち変わるとおもいますよ。
ただ、そこは会社がしっかりとバックアップを行い事前にそうならない手を打つことである程度の事は避けていけるんじゃないかと。
スタッフや利用者のためにもそうならない方法を考えて実行してあげましょう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?