腸管出血性大腸菌O26に高校生が集団感染 ー 食中毒ではなかったんだ ー
学校の寮で集団生活する高校生13人がO26(オー26)に感染したというニュースが流れていました。
広島県によりますと、先月、西部保健所管内の学校の寮に住む高校生が腹痛を訴えたため、医療機関で検査を行ったところ、腸管出血性大腸菌「O26」に感染していることがわかりました。(広島 NEWS WEB 2022/06/01)
腸管出血性大腸菌とは
腸管出血性大腸菌には多くの種類が知られています。なかでも、堺市の学校給食で多くの死者を出したO157が有名ですが、O26やO111もしばしば検出されています。ともに、経口感染することが知られています。
食中毒ではなかった
私は、てっきり、寮の食事が悪かったんだろうと思いましたが、そうではなかったようです。
患者は寮で生活する生徒の中で、特定の部活に参加している生徒に限定されいたようです。このことから、原因食品から寮の食事の線は消えたようです。
また、患者が共通して食べた食品が無かったことから、本事件は食品を原因としない感染症とされたようです。
ところで、O26は症状はあまり重くなことが多く、感染力が強いことで知られています。
過去に、保育園で発生したO26の集団感染事例を調査した知人の話では、「鼻水を垂らしているだけの子どもが感染者だったので驚いた」と言っていた記憶があります。
私の推測
では、どのようにしてO26が複数の寮生に感染したのでしょうか。
感染経路について想像してみました。
以下は、事実を確認してない、根拠なき私の想像です。
例えば、部活の後遅い時間にそろって風呂に入ったりとかなかったんでしょうか。
腸管出血性大腸菌O157は保育園のプールなどでも感染事例があるみたいです。
であれば、感染力の強いO26はお風呂でも感染すると考えて不思議ではないですね。
つまり、どこかでO26に感染し下痢を呈していた人が、お風呂に入る前に下の方をよく洗わずに浴槽に入り、浴槽のお湯を汚してしまった。
その後入った人が、顔を洗ったりしたことで口の周りにO26をつけてしまい、知らないうちに飲み込んでしまったということはないでしょうか。
へぇー。お風呂も要注意なんだ!
知識としては知っていましたが、実際に食品を介さずに腸管出血性大腸菌感染症が発生することがあるのですね。
プールやお風呂に入る前に、下の方を流さずに入る方を見かけることが有りますが、きちんと流して入って欲しいですね。
食中毒のケースも
2015年8月に島根県で発生した高等学校寮の事例では、「お好み焼きやミートローフを調理したスチームコンベクションオーブンは、中心温度の測定を行っておらず, 適切な使用がされていなかった。」とされています。
今回の事例も、このようなものでは食中毒は起こらないだろうと思っていた共通食品が隠れている可能性も捨てきれないのではないかと思います。
過去には、ウォータークーラーで提供された麦茶による病原性大腸菌による食中毒もありました。
部活中の水分補給やおやつはなかったのでしょうか。
◇ 高等学校寮における腸管出血性大腸菌感染症アウトブレイク事例―島根県(IASR Vol.37 p.91-92:2016年5月号)
◇ 腸管出血性大腸菌による感染事例(食中毒を除く)(今日の疑問 2022/09/28)