デザインは速度も大事という話
こんにちは、4億年ぶりの具体性のあるデザインの話です。
日々デザイナーとしてやっていく中で、速度を大事にしなきゃいけないなー、というのは常々思っていることです。
断っておくと、品質<速度ということを言いたいのでは決して無いです。
ユーザーにプロダクトの価値を早く届けること、それ自体が価値があるというのが往々にしてあると思っていて、その速度を1秒でも早めたい気持ちがあります。
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最近では、アルの00:00 Studio内の2つのチームのデザインと、eluというプロダクトのデザインを担当しているのですが、これらチームのエンジニアの開発速度が「鬼かよ...」っていうくらい早いのです。
どちらもクリエイターへ向けたサービスで、00:00 Studioは作業配信、eluはデジタルデータの販売を超簡単にできる、というものです。よかったら使ってみて下さい(宣伝)
で、20年近くデザインを仕事にしてきて、少なくともデザインのスピードについては遅い方ではないという自負はあるのですが、
それでも開発の速さゆえに「次の機能を開発してもらっている間に、次の機能のデザインをする」というごくごく自然な正攻法が封じられており、嬉しい焦りがあったりします。
ちなみに、この状況で編み出した技が、MTG中に議論を聴きながら、リアルタイムでFigmaでデザインを完成させる、という手法ですが、話に集中しながら手を動かすという、精神を持っていかれるやり方なのであんまりお勧めしていないです。
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最近の例でいうと「eluで出品している作品一覧に、購入したものの一覧、フィード的な機能を追加する」という普通に考えたら結構重めな案件があったのですが、
ある日の午前中に、この機能についてアルの代表@kensuuと話をした後、夕方にはデザインを仕上げ「良いじゃん」となった後、翌日の昼過ぎにすでにリリースがされていたということがありました。
そして、このリリースによって、elu自体の価値が大幅にアップデートされた、という実感がありました。
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大事な機能ならじっくり検討して仕上げれば良いのでは?と思われるのも当然なのですが、実はちょっと違うのかなと思っていて、コレには理由が主に2つあり、
1つ目は、良いと思った機能や施策を、最速最短で世に出すことで「ユーザーに価値を早く届ける」ことの価値を生めることです。
1日でリリースするのは、10日でリリースするのに比べ、9日間早く価値が高まった状態でプロダクトを使える、という思考です。
2つ目は、検証サイクルを早く回せるというところです。
新規サービス立ち上げや運営に関わったことのある人であれば納得してもらえると思うのですが、施策や機能開発で本当にユーザーに刺さるのは、1割くらいなんじゃないかなー、って思ってます。これは感覚値ですがあってると思ってます。
これもeluでの例ですが「非売品をギャラリー的に出品できる」という機能が検討され、これも速攻でリリースされたのですが、翌日には「違う!」となって落とされた機能があったりします。寿命半日なかったんじゃないかな...
こういう理由で、デザインが価値創出の速度を妨げないように、デザイナーは速度も大事にしたいな、と思っています。
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やや開発の話によったのですが、デザイン観点でいうと、もう1つ「デザインはナマモノ、鮮度が大事」という信条があったりします。
どういうことかという、何かアイデアや、やりたいことがあった場合、寝かせずに、すぐにアウトプットしちゃうことで、チームメンバーの脳が活性化しているタイミングで深い議論や合意を取りにいける、というメリットがあり、
これができる、もしくは得意なのは、実際に形を作れるデザイナー、なんだろうな、と思っています。
議論からちょっと時間が空いちゃうだけで、メンバーの興味が薄れたり、テンション下がっちゃうのはチーム開発のあるあるかなと。
ここら辺の話は以前noteに書いたので、興味のある方はぜひ。
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価値提供のために、デザイナーは速度も意識して、プロダクトの前進を止めないようにしないとなって、手付かずのタスクリストを見ながら書きました。
凄まじいブーメランが来た。
それではまた!
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