デザインをいい感じのところで晒すスキル
サービスやアプリのデザイナーをやっているなかで「デザインをいい感じのところで晒すスキル」って大事だよなと常日頃思っているので、それを書くだけのエントリです。言いたいことはすでに言い切ってしまっている気がします。
前提
ビジュアルデザインでもUIデザインでも、デザインは1人で作っているものではなく、共に働くチームメンバーや点在するステークホルダーの意見や意思を取り込んでアウトプットされるものだと考えています。
また、デザインが完成するまでに、どれだけ多くの取捨選択ができたかが、最終的なクオリティ向上に影響すると考えています。
もっと言うと、意見や意思を取捨選択し、総合的にバランスをとり仕上げることがデザイナーの仕事とすら考えている節があります。
デザインを早めに晒すこと
晒すと言うとなんだか恐ろしい感じがしますが、これは言葉の綾というか、性格上こういう言葉を選びがちなのでしょうがないというか諦めがあります。
要は未完成の段階でチームなり関係各所に共有することで、フィードバックをもらってデザインのブラッシュアップの材料にする、ということです。
デザイナーの方は経験があると思いますが、1人で突き詰めて作っていくと、盲目的になって重要な要素が抜け落ちてしまったり、行き詰まって神が降りてくるのを待つ(場合によっては必要)みたいなことになりがちです。
デザインを早めに晒すことで、新しい視点やアイディアが生まれることもありますし、作っている最中には気づかなかった欠陥を発見する可能性が高まります。
なお、心理的ハードルはある
デザイナーあるあるだと思っているのですが、
・「完成前のデザイン見られたくない病」
・「過去にズタボロのレビューをされた心的外傷」
がデザインを晒す心理的ハードルになる場合があります。前者はモニター後ろから見られるとすぐウィンドウ最小化する行動ですぐわかります。後者は結構締め切りギリギリに詳細詰めた初稿を出してくるタイプが多いことが経験上知られています。
とはいえ、目的としてはあくまでも「デザインのクオリティを上げる」ことなので、「自分がアウトプットしたものがよくなるんだからいいじゃん」的な、前向きなマインドがあると良いと思います。
ちなみに、後者に関してはレビュワーに問題がある場合が9割5分くらいなので、下記の記事のようにレビューする側になった側にも注意が必要です。
いいことを言っていますが、僕です。
いい感じのところとは
「デザインをいい感じのところで晒すスキル」と書いているのですが、いい感じとはなんでしょうか。目的はフィードバックを早めに得ることでデザインのクオリティを上げる、という点なので、フィードバックをもらいやすい状態が「いい感じ」なのだと思います。
この辺りは経験によって培われる勘所みたいのもあると思うのですが、例えばサービスやアプリのデザインでいうと
・ワイヤーフレームにざっくり色つけたくらいのデザイン
・細部まで詳細に作り込まれたデザイン
両極端ですが、フィードバックしづらい気がしています。
完成系があまりにも想像できない状態だと、何を言って良いのかわからなくなりますし(特に非デザイナーの場合)、逆に作り込まれた状態だとフィードバックが小粒になり(重箱状態)、大胆なアイディアを自由に言いづらい、というのが理由です。
ある程度レビュワーが完成系を想像できつつ、かつ余白を残すというか、良い意味でラフな状態、というのが有益なフィードバックを得やすい「いい感じ」なのだと思います。
例えば
・色彩設計はほぼ方向性が定まっているが、構成がFixしていないデザイン
・逆も然り、だが色彩設計は数パターンに絞られているデザイン
・構成はほぼ定まっているが、遷移設計に悩みがあるデザイン
このくらいの状態だとフィードバックが受けやすいのかなあ、と。
もちろんここまで至っていなくても、経験豊富なエンジニアやデザイナーなど専門職は、ざっくりしたデザインでも脳内補完してくれるのですが、チームメンバー・ステークホルダーが全員それができるかと言うと希です。作り手以外の視点での意見は往往にして新たな気づきを与えてくれます。
まとめ
いきなり1人で正解を出す!みたいな考えではなく、色々な人と一緒に良いものを作り上げていくこと、そこにフォーカスすると「デザインをいい感じのところで晒すスキル」大事だなあ、と言う話でした。
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