見出し画像

2018年、大阪ビレボア公演の思い出① 2022/02/14

間があいてしまったが、『推しのせいで終電で降りる駅を間違えた話』の続き、大阪公演の話を書こうと思う。

2018年の話、、、もうそんなに経ってしまったんだな。。
昨日のことのように記憶は鮮やかなのに。



初来日から8ヶ月が過ぎ、新大久保のSHOWBOXで公演をしていた彼らが、初めて大阪で1ヶ月間の公演をすることになった。

新大久保ドルが大阪に行くようになると、そのうち大阪がメインになってしまうこともあると聞いて、私はとても不安だった。

大阪公演が成功してほしい気持ちと同じくらい、新大久保より人気が出たら嫌だなという気持ちがあった。(ごめん、、)

常連ヲタクたちは大阪公演を見に行く人が多いようで、中には1ヶ月間大阪に滞在するという強者もいた。

私も3泊4日で大阪に行くことにしていた。

いつも一緒に新大久保の公演を見に行くヲタ友は、家庭の事情で大阪に行くことが出来ずとても残念がっていた。

大阪公演が始まり、初日は東京から見に行くファンも多かった。
初日は無料公演ということもあり、南堀江のビレボアは超満員だったそうだ。

そして日が経つにつれ、東京のファンと大阪のファンがバチバチと火花を散らしているらしいと噂が流れてきた。

ま、、そうなるだろうなと思っていた。
「古参と新規」という構図に加えて、「東京と大阪」という要素も加わるのだから、対立することは目に見えている。

大阪公演が始まって2週間後、私は大阪へと向かった。
既に大阪へ行っていた知人たちから、連日満員で立ち見も出てるという話を聞き、複雑な思いを抱えながら。。

大阪公演が大盛況ということは本当に嬉しい。
だけど、この成功が今後どんな方向に行くのか不安だった。
大阪に拠点を移すことになったら、、と思うと不安でたまらなかった。

金曜日の夜の公演を見るため、お昼すぎに関空へ着いた。
午後にはコリアタウンでPR活動(チラシ配り)があるから、急いで鶴橋へ向かった。
(現在はもうコリアタウンの中でのチラシ配りは禁止されたようだが、この時はまだ商店街を練り歩いて道ゆく人に無料チケットのチラシを配っていた)

ホテルに寄る時間の余裕は無く、小型のスーツケースを引いたままコリアタウンへ。
商店街の入り口付近には、顔見知りのヲタクたちの姿があった。
大阪のファンらしきグループもチラホラ待機している。

私はその一団から離れた場所へ移動し、通行人の邪魔にならないように電信柱の横に立ってメンバーたちの到着を待った。

するとすぐにメンバーたちが車から降りてきて、商店街の入り口付近にいた人たちにチラシを配り始めた。
そしてヲタクたちも推しからチラシを貰うために群がっていた。

その光景を遠巻きに見つめて、私は一眼レフを構えた。
一般の人の邪魔になるから、私はチラシを貰うつもりは無かった。

メンバーたちがチラシを配りながら歩いてくる。
2番目の推しが列の先頭にいて、カメラを構えた私に気づいた。
隣にいたメンバーと共に、わ〜っと声を上げて驚いていた。

本命の推しは、新大久保と同じように列の1番後ろを歩いていた。
チラシを貰いに群がるヲタクたちに、無表情で配っていた。(そこはもうちょっと笑顔で頑張ってほしいところ。。)

後から聞いた話によると、推しは大阪でも1番人気があるという評判で、新規の厄介ヲタクがついていた。
コリアタウンのPRにも、その厄介ヲタクは推しに張り付いていたそうだ。

新大久保では暗黙のルールとして、メンバーの近くに張り付く人はいない。
少し離れた位置で撮影することが常識だった。
ところが大阪ではメンバーの横にピタリと張り付いて、スマホで至近距離から撮影するするヲタクが何人もいてとても驚いた。

そんな厄介ヲタクがついていたことも知らず、不機嫌そうにチラシを配る推しの姿に少し残念な気持ちで見ていた。

他のメンバーも電信柱の横にいる私に気づいて、「来たのー?!」と驚いて近づいてきた。

2番目の推しがチラシを渡そうとしてくれたその時、本命の推しが後ろから追い抜いて「ハルさーん!」と言ってチラシを渡しに来てくれた。嬉しいような申し訳ないような。。
(そのチラシは今でも大切に取ってある。)

連写で撮っていたカメラには、仏頂面だった推しが満面の笑顔になってチラシを渡しに来てくれた様子が写っていた。

ありがとう、とチラシを受け取ると推しはグフフっとカメラに向かって笑ってくれた。
その笑顔が子供みたいで、私の宝物の写真になった。

こんなに喜んでくれるなんて、やっぱり初めての大阪公演で心細かったのかな、と思った。
しかしそうではなく、、、、大阪でもファン同士の喧嘩に巻き込まれ、厄介ヲタクには特典会で泣き出され、散々な目に遭っていたと後から知った。
精神的にかなり疲労が溜まっていたようだ。

メンバーたちは一直線のコリアタウンを往復して、道ゆく人にチラシを配る。
中には好意的に貰ってくれる人ばかりではない、嫌なものを見るような顔であからさまに拒絶する人もいる。

そんな姿を見ると切なくなってしまうのだが、新大久保や大阪で活動するには、チラシ配りは避けては通れない道だった。

金曜日のコリアタウンは混んでいて、写真を撮るのはとても気を使った。
通行の邪魔にならないように、道の端っこに寄ってカメラを構える。
先に歩いている撮りヲタの邪魔をしてもいけない。

なかなか撮るタイミングが難しかったが、推しはカメラに向かって上機嫌だった。
コリアタウンは新大久保とはまた違った雰囲気で、とても楽しかった。

その裏で、大阪のファンと東京のファンが揉めていたことなど私は全く知らずにいた。

PRが終わり、メンバーたちは車に乗って南堀江へ向かった。
私はとりあえずホテルにチェックインするために、顔見知りのヲタクたちに挨拶をして鶴橋を出た。

大阪に来て良かった。
上機嫌の推しを見たら、それまでの不安が消し飛んで幸せな気持ちになった。

②へ続く。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?