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少しだけ素直な気持ちを手紙に書いてみた。[前編]2022/10/08
〜2021年に解散した韓国アイドルグループの推しの思い出を綴るnote〜
大阪公演が終わり東京へ戻ってきた推し。
推しに会うのは2週間ぶりだ。
客の入りは、少なかった。
あと1ヶ月でSHOWBOXでの公演が終わる。
その後のスケジュールがどうなっているのか、全くわからなかった。
だけど、何となく、、
しばらく日本には来ないだろうと感じていた。
メンバーたちはもっと先のことを見据えているような気がしたのだ。いよいよ韓国デビューが近いような予感がした。
仲良しのヲタ友も同じように感じているようで、きっと来年はしばらく会えなくなりそうだねと言っていた。
公演前に、新大久保の街中でフライヤーを配って練り歩く推しを撮影するのは、久しぶりで楽しかった。
いつも張り付いている常連ヲタクがいないせいか、推しがたくさんカメラを見てくれて嬉しかった。
常連ヲタクが来ないことを喜んではいけない、と自分に言い聞かせる。たくさんの取り巻きを引き連れて練り歩くくらいじゃないと…
客の入りは少なかったけれど、雰囲気は良くてとても楽しかった。
推しはたくさん目線をくれた。
やっぱり嬉しい…
公演後の特典会では、いつも通り推しと2推しの個人チェキ、そしてメンバー全員との団体チェキを撮った。ずっと変わらない私のルーティーン。
推しとチェキを撮る時、いつもと同じように推しの隣に立ってVサインをした。
すると、何やら推しが後ろでコソコソ動く気配を感じた。
取り終わって振り向くと「ぐふふふふ」と嬉しそうに笑っていた。何か企んでるなと思いながらも、次の人が待っていたからチェキを受け取ってすぐに席に戻った。
しばらく待つとチェキが鮮明になって、推しは不思議なポーズをしていた。
後ろから私の後頭部を見下ろしている推し。まるで見張っているような?ポーズ。どういう意味だろう。
チェキ後のサイン会で、「これは何のポーズ?」と推しに尋ねた。
ハルさんのこと見てる
そう言って、ぐふふふと楽しそうに笑う推し。
「面白い」と笑うと推しは、「面白くない」と反対のことを言って笑った。
推しが楽しそうで私は幸せだった。
そして、推しに用意してきた手紙を渡した。
私は、あまり手紙を書かないヲタクだった。いつも、長期公演の最初と最後には必ず書くようにしていたけど、他のヲタクみたいに毎回手紙を書くようなマメなタイプではなかった。
そんな私に推しは、久しぶりの手紙で嬉しいと言ってくれる。僕はハルさんの手紙好きです、と。
封筒に推しの好きなアニメのキャラクターを描いたけど、特に反応がなくて残念だった。
推しは、ソワソワしながら姿勢を正し咳払いをした。これは、何か言いたいことを準備している時にする癖だった。
コホンと咳払いをして話し始める推し。
もう11月が終わります。
急にそんなことを言い出すから、何だか可笑しかった。
今年1年、ありがとう。
12月もよろしく。
まるで年末の挨拶のようなことを言う推し。
うん、12月もよろしくねと返す私。
それから私は、2週間ぶりに会った推しが少し逞しくなっているような気がして、「推しくん、運動してるの?少しマッチョになったんじゃない?」と質問した。
すると、推しは少し誇らしげに「うん!今運動してます!」と答えた。
私は泣く真似をして「マッチョやだ。可愛い推しくんが良い」と言うと、推しは笑いながらこう言った。
大丈夫。僕はまだ赤ちゃんです。
可愛すぎて気絶するかと思った。。。
穏やかで優しい時間。
次に2推しのサインの列に並ぶ。
サインを書き終わると突然2推しが「寒くない?」と訊いた。11月の最後の日、特典会の室内はむしろ暑いくらいだ。
寒くないよと答えると「本当に?大丈夫?」と疑っていた。
「首が寒そう」と言いながら、Vネックのセーターの首元を見る2推しにちょっとドキドキした。
「寒いから暖かくして」と、これはお決まりのセリフだ。
笑ったりドキドキしたり、幸せな特典会。
常連たちの数はめっきり減ってしまったけど、ギスギスした雰囲気が無くなってむしろ居心地が良かった。
本音を言えば、少し特別なファンサービスをしてくれたらいいなという欲はある。
望まないようにと自制しても、もしそうしてくれたら嬉しいという気持ちは消しようがない。
少しの物足りなさと、穏やかな気持ちで特典会は進んでいった。
続く。