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推しのイベントDAYが嫌い③ 2022/08/11

〜2021年に解散した韓国アイドルグループの推しの思い出を綴るnote〜

名古屋から帰ってきた推しは、某テレビ局のネット配信イベントに出演することになっていて、ヲタ友はその日は都合が悪かったから私は一人でその観覧に申し込んだ。

他のアイドルグループとの合同イベントで、色とりどりのペンライトを持ったヲタク達が集まっていた。

私は夏風邪が長引き、声が枯れていた。
会場はスタンディングでぎっしりとファンが入っていて、マスクをして会場の1番後ろで離れて見ることにした。

推したちのグループが登場すると、ヲタクたちは我先にと前列へ出ようとして揉みくちゃになっていた。
私はその様子を後ろで見つめながら、どうにも気持ちが沈んでいた。

それは…

そのイベントの待ち時間、知り合いのヲタクと一緒にお茶をしながら待とうということになり、会場近くのカフェへ行った。

そこに同担さんとその友達がいて、私は話したことが無かったけれど、知り合いのヲタクがその内の1人と仲が良かったから、5人で一緒にお茶をしようという流れになった。

どうにも気まずい空気。

話したことはなくても、相手は私が同担であることは知っていると思う。
その同担さんは相当気が強い性格だということは、美人ちゃんから聞いていた。

別に…私のようなおばさんなんて眼中に無いだろうけど、居心地が悪かった。

そのうち話題は名古屋の誕生日ライブの話になった。推しのために準備したイベントの話を嬉しそうに話していた。推しがどんな反応をしてくれたのかを楽しげに話している横で、私は黙って聞いていた。

そしてなぜか、去年推しがつけていたネックレスの話が始まった。それはその同担さんがプレゼントしたものだそうだ。

私は推しのプレゼントに興味は無かったけれど、確かにそのネックレスには見覚えがあった。

当時、推しがネックレスを付けていない日は、「ネックレスは?」とジェスチャーでプレッシャーを掛けていたのだそうだ。
そうすると推しはネックレスをつけてきて、ちゃんとつけてると自分にアピールするのだと得意げに話していた。

なぜ今、その話をするのか不思議だったけれど、もしかして私に聞かせたかったのかなと思った。

そして、彼女は特典会のフォトタイムの時に自分への目線が少ないと、撮るのをやめて推しに反省させるのだと言っていた。

ヲタクたちはカメラ目線の写真で競い合う。
いかに自分のカメラを見ているかで、序列をつけているのだ。
目線写真が少ないファンは、推しに干されたファンだと陰口をたたかれる。

彼女はTwitterフォロワー数が多いから、推しにとっては宣伝してくれるありがたい存在だ。
目線をくれないと撮らない、とアピールすることで推しにプレッシャーを掛けていたことを知り、私は嫌な気分になった。

それをわざわざこの場で話すのは、私に聞かせたいのだろうなと思う。
推しはこんなに自分の言うことをきくのだと、そう自慢したいのだろうなと感じた。

私は自分のアカウントで推しの目線写真は極力上げないようにしていた。同担たちの目が怖かったから。
だから私は誰にも知らせずに別アカウントを作って、推しの写真をTwitterに上げていた。

その同担さんは写真の腕前が上手で、推しの素敵な写真をたくさん上げていた。私の写真など足元にも及ばない。公演にもたくさん通い、プレゼントを贈り、推しのためのイベントを企画する推しのトップヲタクとも言うべき人だ。きっと推しも彼女のことを大切なファンだと思っているだろう。

今までそう思っていたけれど、推しにそんなプレッシャーをかけて、自分の思い通りにしようとしていたなんて、私にはとてもショックだった。

それでも推しは…彼女のことを1番のファンだと思っているのかな、と考えてしまう自分が嫌だった。

私は何一つ推しのために貢献していないのだから、彼女のことを批判するなんておこがましいということは十分わかっているからこそ、余計に気持ちは沈んだ。

つづく

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