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結局、C99は成功だったのか

接種or陰性証明の導入実験

まずこれが一番特筆すべき点だと思う。受付時間を分散させていたこともあって入場検査自体は非常にスムーズだった。私は本人確認と接種証明を持参したが特に問題なかった。ワクションというアプリもあったようだが、今後どのくらい提示する機会があるかわからないものに対してアプリのインストールと申請をするのは果たしてどれほどの価値があるのかとは思った。ただ、PCR検査のほうは3日前以内という制限があり、現状ワクチン接種証明でないと不都合と言わざるを得ない。某ニュースでも陰性証明の期限で入れなかった人がいたようだし、ワクチンを接種していない人にとっては少し優しくなさそうだ。とはいえ、入場検査自体は成功と言えるだろう。

チケット制

これはさっきの入場検査とも関係があるが、受付時間をバラつかせてチケットを販売したのもコミケとしては初の試みだろう。ただ、これに関してはすでに小規模な即売会でノウハウがあったと思われるので特別変わったことのようには思わなかった。とはいえ、コミケで徹夜組や深夜来場問題が解消されたこと、始発ダッシュがなくなったことを考えると画期的なことにも思える。転売問題も浮上したかと思いきや、実際には入場の際の本人確認で転売チケットはちゃんと無効になっていたようだ。有料チケット制で変な来場者か減ったという感想もあり、感染症収束後も導入される可能性は多いにありそうだ。

会場内の様子

会場に出向いた人ならその違いが一目瞭然だったと思うが、感染症拡大前と比べると非常に間隔の空いたコミケだった。これに関しては来場者の絶対数の減少としか言いようがないだろう。元々抽選制で上限が決まっていて、どうあがいてもこうなることは決まっていただろう。とはいえ、大手事務所所属VTuber関連のサークルを始めとして、人気サークルが長蛇の列を作っていたのも記憶に残る。感染症が拡大する中でも新たなジャンルは確実に形成され、リアル即売会で目に見える形で勢力を実感できた。確かにコミケ全体の規模は縮小したが、集まるところにはやっぱり人は集まるということがわかった。

一般か、アーリーか

一般2,000円、アーリー5,000円で、その差は3,000円。チケットは東と西南の各会場ごとに用意されていたこと、2日間開催の各日で用意されていたことを考えると、より多く回りたい人はそれだけチケットの料金が増えていく…と思っていたが、実際には会場の行き来は正午過ぎくらいにはできていた。各日でチケットが必要になるのは間違いないが、会場ごとにチケットを買う必要はなかった。

では一般とアーリーどっちにすべきなのか。自分はこれまでの小規模な即売会の経験からアーリーの必要性は感じていなかったので申し込み自体しなかったが、アーリーの抽選は倍率もそこそこ高かったようだ。そして当日になってみると、やはりコミケのアーリーチケットは確実に効果を発揮していることがわかった。自分が会場で買いたかったものの範囲でも一般入場前に売り切れがあった。ただ、一般入場でも全然楽しめないということでは決してない。むしろこれで十分という人も多いのではないだろうか。結局は何を手に入れたいかという問題で、薄い本や薄い本セットを始めとした、主力作品で比較的搬入数が多そうなものに関しては、ほぼ確実に手に入った。また、仮に手に入らなったとしても、感染症拡大のこの状況では通販や委託に多く回す人も多い。つまり、経験上頒布数が少ないとわかっているサークルやかさばって搬入数が少ないであろうグッズ、会場限定のグッズなどがお目当ての場合はアーリー。薄い本を始めとした主力作品や事後通販や委託も望めそうな作品がお目当ての場合は一般でも可、といったところだろう。

ただ、後者の場合でも後日入手する際の送料や委託手数料、手配する手間や到着までの時間を考えると、差分の3,000円の価値はあるのではと思えたし、場合によっては送料手数料で3,000円を超えるかもしれない。少なくとも、どうせ抽選なのだから申し込みだけはしておくべきかなと思った。


まとめと今後

結論はC99は一定の役割を果たし、成功だったと言えるだろう。ただ、これはそもそもの来場者数を絞っていたからというのも大きい。自身の判断で欠席、不参加、あるいは最初から通販・委託での購入を検討していた人も少なくない印象で、そのおかげで一般のチケットの倍率までは高くなかったと思う。さらには海外からの来場者も当然少なかっただろう。

次回のコミケが開催日程や1日あたりの来場者の上限を増やすことで、このままの体制を維持しつつ規模を拡大する可能性は十分考えられる。が、チケット制導入前の人数を捌けるのかまでは疑問だ。ゆくゆくはまたリストバンド制に戻る可能性もあるだろう。とはいえ、五輪関連で使えなくなっていた東ホールが復活し、新設された南ホールも使用できる今の環境なら、いずれにしても少しは余裕ができるのかもしれない。ただ、開催日程が増えてチケットが各日の販売であれば、一般かアーリーかの選択はさらに難しいかもしれない。買いたいものが1日に集中している場合は迷わずアーリーでいいと思うが、分散している場合は最終的には採算度外視で、欲しい度合で測ることもあるかもしれない。

それと、C99の体制とは直接は関係ないが、キャッシュレス化の流れも気になる。今回試験的に導入するのはうってつけの環境だったとも言えるが、導入しているサークルは多くなかった印象だ。pixivPAYがサ終になり、それを引き継いでいるのかいないのか、コミケ公式も拡散していたCirclePAYなるサービスが登場していた。また、Squareという端末を使った決済サービスもあるらしい。こちらは様々な決済方法に対応しているところが便利だが、作品の内容によっては規約違反で使えないのではという話も出ている。いずれにしても、まだ普及には時間がかかりそうではあるが、会計時のトラブルや釣り銭詐欺、盗難など、現金の管理に関する問題が上がっている中、それらを解決し、利便性を向上させてくれるキャッシュレスコミケは早く実現させたいものだ。

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