『世界最強通貨』すべての国で支払いが可能な共通紙幣の実態とは・・・
【サンタ銀行券】ハリウッド映画のような一体感
我が家では、クリスマスの贈り物として、ちょっとしたお菓子と100円ショップで買った雑貨に添えて、自作の「サンタ銀行券」をプレゼントしていました。
サンタ銀行という架空の銀行が発行する紙幣で、光沢写真用紙にシリアルナンバー(通し番号)が入り、フルカラー両面印刷で、発行銀行印付きと手の込んだモノでした。
今なら凝ったモノでも、一時間もあれば作れる時代ですが、当時の我が家にはインターネット接続もなくデザインテンプレートが入手できないので、毎年デザインの趣向を変えてワクワクしながら、何日も掛けて一から作りました。
そもそも、どうして「サンタ銀行券」などと言う形態にしたのかと言いますと、単に私が妙な発想が好きと言うこともありますが、
恐らく多くの、(キリスト教徒でもない)クリスマスごっこを楽しむ日本の家庭では、クリスマスの前にそれとなく子どもに対して欲しいモノを訊ねておくのでは無いでしょうか?
ところが我が家では、日常的におもちゃや絵本やお菓子を買う習慣もなく、おもちゃはトイレットペーパーの芯などの自作品ばかり。お菓子は、たまに子供会などでもらってもずっと置いたまま。絵本は毎週のように図書館に行くので、大きくなって来て、はじめてブックオフに連れて行くと、
2人の娘が大きな声で、「うわぁ〜。これ全部、借りていいの!?」と言って躊躇なく10冊ずつ両腕に抱えて来た時には、私のほうが支払いに躊躇しました(笑)
恐らく図書館とはまた違った雰囲気が面白かったのでしょう。
そんなわけで、「今年はサンタさんに何をちょうだいってお願いするのかな?」とさぐりを入れても、
「ん〜、ん〜、何にしよっかなあ〜」と迷った挙げ句、結局は仕方なくTVCMか友だちの家で見かけたモノを言い、それを買ったところで、そもそも欲しいモノでも無いから、3日もしたら放置してある状態でした。
そこで、「急いでクリスマスまでに無理にでも買わなくても、本当に欲しいモノが見つかったら、次のクリスマスまでの、いつでも買える」と言う趣旨で始めました。
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しかしながら、今思うとあれは親のエゴで、無駄になってしまうモノを買うことも子どもの自由で経験の一つなのかな?とも感じています。
私自身が、多くの失敗や無駄によって、より良い選択ができるようになったと言う体験があるからです。
いつか子ども自身が、過去の体験に学び、「ああ、この衝動的な買い物は控えておこう。この分を、今日の食事代も学校に行くゆとりもない世界の子どもに寄付しよう」と考えるかも知れないですから。
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その「サンタ銀行券」の使用方法は、何度か変更もありました。当初は私の財布の中身と相談の上で、「上限5,000円」とか「10,000円まで」になり、
その後は「無制限、ただし1回まで」が3回まで良いとか色々でした。
「サンタ銀行券」は、世界中どこの店でも通用する「最強紙幣」でしたが、その分、親の迅速な行動が求められます。
通常は、事前に店員さんの所へ一人で行って、
「うちのサンタを信じる子どもが後から「サンタ銀行券」を持ってレジ支払いをしますので、ちょっと一芝居を・・・」と言いつつ、現金やクレジットカードを手渡しておきます。
無邪気な子どもが疑いも無く「サンタ銀行券」をレジに置いてみると、あら不思議(笑)
どの店員さんも、満面の笑顔で、いかにも世界共通紙幣として受け取り、裏面の「使用済」押印箇所に、自身の印鑑を押したりサインをしてくれました。(ご協力ありがとうございます)
今まで、自転車店、おもちゃ屋、ニトリ家具店、電気店、飲食店など様々なお店で利用しましたが、誰一人として嫌な顔をした店員さんはいませんでした。
多忙なランチタイムもあったので、断られたら、それはそれで仕方がないと思うのですが、
皆さんも、ちょっと童心にかえったり、芝居を演じる楽しさを味わったり、中には目をうるうるさせて、娘をじっと見つめて、「ありがとう」と応じてくれる若い女性もいました。
中でも、各務原イオンモールの一階にある自転車店で新年早々に自転車を購入した際の中年の男性、「松本さん」の芝居には、娘たちも、
「え!?これってそんなに有名なお金なの!?」と目を丸くして驚いていました。
(店員さん)「おお〜!!これはあの!有名なサンタ銀行券ではないですか!?これでどんなに高いモノでもいくらでも買えてしまうと言う〜!!!」と見事な演技でした。
時には、娘たちが私にぴったり寄り添ったままレジに向かい、事前に交渉ができなく、そのまま支払いになったケースがありました。
すかさず小さなメモ用紙に、たった4文字、「芝居して」とだけ書き込んで渡すのが精一杯で、
クレジットカードと共に女性の店員さんに渡したのですが、娘から「サンタ銀行券」を受け取り、同時にクレジットカードをリーダーに通しながら裏面に押印し、何事もなかったかのように、「はい、お嬢ちゃんありがとう」と商品を見事な手さばきで受け渡してくれました。
その後に、こっそり私の目を見てウインクをしてくれましたが、
(アメリカの映画ってこうゆう一体感が得られる素敵な場面が多いけど、日本人も結構やるじゃん!)
そんな風に私は自己満足で悦に入りました。
時は流れ、娘たちが大きくなって来ると、私はそろそろバレちゃうかな?とドキドキしながら娘たちの顔を凝視していましたが、
これっぽっちもバレていないようでした。ただ、支払いの時に、どうも娘たちの態度が遠慮がちに見えました。
娘たちは、
「わたしたちに少しもバレていないと信じているパパに、わたしたちが、とっくに気づいてることがバレないように、今年も演技をしてやるか!」と行動するものの、
「レジの人たち、いつまでも、この子どもみたいなパパに付き合わせて悪いですね〜」とためらっていたのです。
いま、娘は高校3年生と中学2年生。
いまだにあの秘密を私は明かしていません。
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