すべての建築は、土の上に立っている。
土地の上に建つと書くと、何故か土の匂いを感じ得ないが、土という風土の上に木の家はある。
けれども、土に蓋をするように建築は大きく、ひび割れるほどに硬く大きな舗装が土を覆っている。
できるだけ土が顔をだすように建築は小さく構え、人や車が沈まない程度の硬さで、土に蓋をしないように柔らかく地被する。
そんな家や、町の方が、いいと思う。
その土地の土の顔、土の表情、土の色が見えた方がいい。地層という名の断面でしか土を見れないなんて、やっぱりなんか変だ。
なんでもかんでもフラットにするから、覆いやすくて、覆いたくなる。
無論、斜めのまま、ガタカタのまま、柔らかいままの地面があったっていい。土地とは地面を表し、地面は土でできている。
もっと、土地から始めよう。
いやさ、土から考えよう。
人という命の立脚点が土でないのは、ちょっと変だ。
(標題は、協働する造園家リビングソイル研究所の西山くんの旗印です。)