パラレルノート(私の世界は時代遅れ?)
仮想現実(VR)の技術が発展して、代替現実(AR)の世界が一般化すると、遠距離恋愛中の男女はARヘッドセットを利用して、触れる恋人を目の前に再現した。
私がハマっているノートは、仮想現実の世界に入っても、それはデジタル書籍の媒体として、一つの本、一つの雑誌、一つの写真集という本棚に保存されているだけで、彼の書く文章や写真からは彼を取り出すことは出来なかった。
ノートの執筆家にハマっていても、それは愛読書であるというだけであって、遠い存在には変わりなかった。
彼のアップするノートにスキやコメントを入れることで、私という存在を確認してもらえる。
私が見ているという事実を伝えることで、彼に近づけるのではないかと淡い期待を胸に秘め、私は彼のノートを集めた。
私の友達にノート見てる?と聞くと、まだそんなの見てるの?という反応が返ってくる。
「私の世界は時代遅れ?」
そういえば、最近は「幽霊」が出るっていう噂があるらしい。
でも、彼のノートは写真もあるし、景色の写真も現実にある風景。
彼が「幽霊」なんてことはないわ。
時代遅れだって思われているノートだけど、私はこの媒体がスキなの。
☆★
かーるさんの企画
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