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新型ウィルスの驚異が毎年新しく繰り返されてゆく世界

まえがき

最近、テキストノートを書いていない。書きたいと思えるものに出会えていない。そんな状況で必死に振り絞ってみたら何か出るだろうか?そう、即興でSF小説を考えてみよう。近未来、これからの世界。一体、何が起きるのだろうか


今年の緊急事態宣言

毎度のことながら、今年も緊急事態宣言から幕が開く4月。

5月のGW経済活動に影響を与えないように、今年の4月も緊急事態宣言が解除された。

緊急事態宣言を発表したり、解除したりを毎年のように繰り返す日常に慣れた私達の生活は、今度は何月に緊急事態宣言を発表するだろうかと身構えることなく、そろそろ感染者が増えてきたから今月辺りだなと、予測している。

解除の理由も様々だったが、定期的に繰り返される緊急事態宣言は、すでに緊急事態宣言ではなく、定期的な自粛要請期間という感覚になっていった。

ウィルスも新種が次から次と生まれ、ワクチンの摂取が始まった翌年には、新しい新種のウィルスがやってくる。

完全なるイタチごっこと化している。

そのため、繰り返される緊急事態宣言は、一体どの新型ウィルスに対する対策なのかも判断できない状況で、なんなら一通りウィルスに感染しないための、最大の努力を国民一人ひとりに課している。そんな状態だ。

いつ開けるともわからない戦いに、世界中が協力しあって……

まさか、そんなことはない。

権力にしがみつく人々の力は凄まじく、弱者を蹴落とすことに必死にもがき、自分たちの利益だけは守らなければならないと、権力を糧に好き放題やり始めて、弱い人々は蹴落とされ、感染拡大し、求める医療も受けられず、どんなウィルスに感染したのかもわからないまま、地面に顔をうずめている。

この世界には、優しさは存在しない。

新型ウィルスのワクチンを実験するために、お金で呼び集めた弱者を食い物にする製薬会社。

そのワクチンを購入する富豪層。

経済サイクルは、常に強者のために残されているかのように、弱いものがないがしろにされてゆく。

国からの支援が正しく動いている国の住民だけが、この時代のリーダーとなりつつある。

強欲な国家は衰退し、暴動が起き、経済が麻痺して、国民が亡くなってゆく。

それは国家間でも起きる。強欲な国家が他国を衰退させ、貪るように金銭を巻き上げて、経済を牛耳ろうとする。

国家間の敗北は、ダイレクトに国民の経済を衰退させ、国家のデフレは加速度的に人々の財産を削っていった。

地球上のあらゆる国の財産は人口減少とともに、大きく減少してゆく。

コストがある一定まで下がり、人手が足りなくなって行くと、自然とデジタル化が進んでいった。

デジタル化を推し進め、物流トラックにAI型自動運転車両が増え、トラックドライバーの人手不足を保管し始めた頃、生産性を上げるロボットたちが、工場を活気的に変革していった。

全自動工場が当たり前になると、人が介入しなくても、家電製品が通販で家まで届くようになる。

店舗サービスは特別なイベント施設に変わり、人々の暮らしのリアルはエンタメとなる。


そこに行くのに理由がある

試着室から出るとレッドカーペットの上を歩く。

モデルウォークをして歩く人は、ただ商品を気に入って、手に持ち試着室で着替えて、出てきただけの人だ。

その映像はネット通販でどの服を買おうかと選んでいる人が見ていた。

そこに行くのには理由があった。

試着室で気に入った服を来て、モデルウォークさながらに歩き、ネット通販で着ている服を見てもらう。

ネット側で見ていた消費者が、その服が気にいると通販で購入する。

モデルウォークで歩いた人は、宣伝効果割引を受ける。

こうして多くの人が、気にいることで、試着した服をタダ同然で購入する。

ただ、商品を手元に届けて試着して購入するだけなら、ネット通販で十分できる。

レンタルもシェアも、購入形態は様々だ。

店舗のイベントは、消費者が楽しむための場所に変わっている。

家電用モデルハウスは、そのまま賃貸住宅として存在し、家電のレポートをしたり、耐久テストに参加するなど、日々新作の新しい家電が与えられ、それを使い続ける。

利用者からの動画レポートが投稿されたサイトから、ネット通販に接続して、購入者を募る。

元々は動画投稿者のためのサービスが、拡大していき、今では誰でも応募一つでサブスク家電が送られてくるまでになっていた。

とりわけレストランというと、緊急事態宣言から疎まれているかのような扱いを受け、時短営業だの休業要請だのと廃業に追い込まれる外食産業は多くあったが、いろいろな工夫のかいもあり、その店舗に足繁く通う、デリバリーで受け取る、等の選択を手広く手掛ける店舗が生き残っていた。

昔から電話一本で、出前を運んでくれている外食屋は、新型ウィルスが蔓延する緊急事態宣言下にあっても、常連さんとの絆で生き残り、ご新規さんの対応で忙しい日もあったというが、徐々にその運営も落ち着きをはらんでいた。

店舗がテラス風に外に飛び出していたり、完全個室完備のだったり、焼肉屋などでは煙を吸い込む換気口がフル回転で、店内の空気清浄を行っている。

こうした環境で、一番注意が必要なのは、客席ではなく、実は厨房の方が重要で、ここの感染対策を怠った店では、ウィルスクラスターが起き、社会的な打撃を受けることとなっていた。

ウィルスクラスターは客同士の会話で起きることは少なく、料理を運ぶスタッフ、料理を作るスタッフから、客へ、客から、料理スタッフへの順番で広がってゆくことが多い。

感染経路を断つには、このスタッフ間の問題をクリアしてあれば良いということになる。

そこに必然的に生まれたのが、調理ロボットと料理運搬ロボットだ。

注文はタブレットで行うので、料理が作られ料理が食べ終わり、帰りの時間になるまで、客同士がすれ違うこともない。

美味しい料理を食べるのに、知らない人とすれ違うこともない。

人との出会いすらもデジタル化してゆく。


私達はアバター

同じ店で食事をしていても客同士会話することもないかというと、そうでもない。

店舗は新しい出会いのファクターだ。

出会い系システムが、店舗のタブレットには存在している。

そこに行けば、誰かに会える。

もちろん、ウィルス感染チェックで病的な状況ではないと判断されたもの同士が、同じ店舗に居て、ご対面できないなんてことは、もったいない。

要するにそういうサービスをすることで、出前やネット通販ブームに落ち着いている時代の店舗に人を引き寄せ始めた。店舗に行かなくても、自宅でなんでもできる。仕事もすべて自宅に居乍らにして完結する。

工場も店舗スタッフも、遠隔操作ロボットで良いし、その危険な現場に行って、仕事をするという判断はなくなった。完全に人が動かなくてもよい世界になった時。

やっと人が動き出すようになった。

ネットの出会い系というシステムは、昔から眉唾ものでそんな環境で出会う出会いなど不誠実だぐらいに思われていた時期もあっただろう。

それが、ウィルスが蔓延し始めると、出会いの新しい場所が、SNSにしかなく、それが出会い系と密接に結びつくことで、オフ会が活発化し始める。

実際にリアルで出会うことが怖い状況では、知らない人と知らないような場所で、人の気もない場所で出会うには更にハードルが上がる。

そこに目をつけたのが、店舗の新しいサービスだった。

カラオケ、ライブハウス、人を呼ぶ場所は、新たな出会いの場として花開いてゆくのだった。



いつの時代も人が求めているものは、新しい出会いだけだった。

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