脆弱系魔術_その理論と実践__2_

脆弱系魔術 ~その理論と実践「第二話:森林性出現憑依型のケース」セクション6

ベラ「明日はファニーも気になっている、村のリーダーと話をしてみましょう。今日はもう寝ましょう」
ファニー「食事は?食事もしないで寝ちゃうの?あ、そんな気分じゃないってことね。私は何か食べちゃうよ。ベラはいらないの?本当にいらないの?ベラ?ベラ?」
ファニーが何か必要に訴えているようだけど、今日はダメ。
もう疲れたわ。
ごめんなさい。
ファニー。
おやすみ。
目蓋が重くなり、視界が真っ暗に落ち込んでいく。
ファニーの声が聞こえなくなると、風が吹くような低重音な耳鳴りが響く。
やがてその耳鳴りは言葉を発し、影の中から煙のような獣が姿を表した。
(お前が殺った)
先程の続きか?
でも、今は眠っているはず、だからこれは夢だ。
夢だということは分かる。
それでも気持ちが良い夢ではない。
(お前が殺った)
(命を粗末にするお前たちが殺った)
私は獣の影から逃げるように走り始めた。
なぜ?夢だと分かっているのに、この獣の影から逃げなければならないの?
待って、逃げなくてもいい。
話し合えば分かり合えるはず。
私は強引な契約なんて交わさない!
ダメ!まだ話し合いの途中なんだから!
振り向いて、足を止めて、ちゃんと話し合うの!
逃げなくても、私はやれる。
私は、私はやれる!
(お前たちが殺った)
(命を粗末にするお前たちが殺った)
待って、命を粗末にするってどういうこと?
誰の命を粗末にしたの?
あなた達はいったい、何にそんなに怒っているの?

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