脆弱系魔術_その理論と実践__2_

脆弱系魔術 ~その理論と実践「第二話:森林性出現憑依型のケース」セクション3

「あれ~、顧問さん。やっぱ訳あり~?」
私が弟子を肘で小突いて黙らせようとするのだけど……
「だって、ベラ。今、顧問さんの顔がホッとした顔したんだよ」
私は、私の弟子にベラと呼ばれている。私がベラベラ喋るからではない。
「もう!ファニー!ちょっと静かにして!あっち行ってて」
そして、このちょっとおしゃべりな、というかスンゴイおしゃべりな弟子を、私はファニーと呼んでいる。ファニーが似合わない。
顧問「いや、確かにね。村のリーダーとその……行方不明になった村娘の間には、なにかあったような噂が、あったにはあったんですよ」
ファニー「ほらほら、あった♪あった♪何?どんな話?」
あ、これはまずい!ファニーに聞かせたら、後で全部暴露されちゃう!
私はファニーの横腹を再び肘で小突いて、私を見るように注意を促した。
ベラ「これは『鍵のかかった話』、いい?」
ファニーは両手で耳をふさぎ、「分かりました」と言って距離を取る。
私は距離を取ったファニーを見て笑顔でもう少し離れてと指示を出す。
ファニーは私から見えない所に移動した。
顧問「これは?どういうことですか?」
ベラ「あ、気にしないでください。これからお聞きすることは、私たち二人だけの秘密の会話だと思って頂ければと思いまして、顧問さんもその方が話しやすいかなと思いまして」
顧問「そうですか、お気遣いありがとうございます。そうですね。分かりました。お話致します」
ベラ「ありがとうございます」

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