リレーゲームブック小説(一緒にミッションやりましょう)
「一緒にミッションやりましょう」
僕は彼女に言う。彼女も同じミッションをやる予定だったと言うので、僕らは協力することになった。
王女を救出すると言うミッションなのだけど、そもそも王女が何処にいて、何から助けるのか全くわからない。僕らは手分けして情報を集めることにした。
そこで彼女とは別行動を取ることになった。
情報が溜まったら、メールしてということで、フレンド登録をしてチャット機能を繋げることにした。
このミッションが終わったら、彼女とのチャット機能もオフになっちゃうのだろうか?
いつものことだけど、ミッションが終われば僕がブロックされて、コミュニケーションを繋げることになる事は殆ど無い。
それが分かっていても、一時の事だとしても、こういうコミュニケーションを取れる時間が作れるというのは嬉しい。
僕が人とコミュニケーションが出来るのは、Gameの世界だけなのだから、久しぶりにしかも異性と話ができるって、僕は少し舞い上がっている。
そう、この興奮状態を察知されないために、僕は早々に彼女と別行動を取るようにしたんだ。
いきなり、変態呼ばわりされるよりマシだ。
僕は、彼女と別れてから一人でブツブツと独り言を言っているようで、周りのキャラクター達が反応している。殆どがNPCだ。
それはまるで、アパレル店舗にいる営業さんのようにも感じられた。
マネキンのように立ち尽くして漠然と僕を見ているキャラクターがどちらかと言えば、プレイヤーなのだということは冷たい視線で感じ取れた。
リアルでも似たようなものをいつも受け取っている。
こうやって独り言をブツブツと話していると、そのTriggerに引っかかるNPCが現れる。
「おや?お姫様をお探しかい?」
お姫様の情報捜索は、僕の勝ちだな。
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