タイムパトロールは世界を変える(時間修正管理政府)
「なんであいつらは歴史を改ざんしようとするんだ!」
「正義だよ。正義ってやつはいつも人間をイカれさせる」
「俺たちの正義はそんなことにはならないじゃないか!」
「そういう考えがイカれた正義に変わっちまうのさ」
「俺は変わらない!」
「おまえはこの国が歴史改ざんで作られたことを知らないだろ」
「!!」
「だから俺たちは、歴史改ざんで作られた未来を守らなきゃならない。その為に、歴史改ざんをしようとする連中を倒しに落ちる」
「嘘だ!俺はそんな歴史を知らない」
「当たり前だろ。お前の知っている歴史と、奴らの知っている歴史はぜんぜん違うものなんだ。俺らの正義が正しいと思っていたなら、考え方を見間違わないほうがいい。俺らは単に、自分たちが作り出したこの国を守るために歴史改ざんをしている。他の誰かの国を守るためじゃない。自分たちの歴史を作るため、ただそれだけのために歴史を作り変えているんだ」
「嘘だ!俺たちは歴史が狂わないように、歴史改ざんする連中を倒して、邪魔をして……、自分たちの歴史を守っているだけだ!」
「そうだろう?俺たちは、他の誰かの国を守ろうとしているんじゃない。自分たちの国の歴史を守ろうと、それだけをしているんだ。彼らの元あった国をまもろうとしているんじゃないんだよ。それが俺たちの正義だ」
「そんな……なら、それが正義なら、俺たちは何と戦っているっていうんですか!」
「歴史改ざんをしているのは、俺達の方さ。俺たちが戦っているのは、対抗する組織だ。どっかの派閥だし、どっかの団体だ。それらは消えて無くなるものじゃない、俺らがいるように、やつらはいる。ただそれだけのことだ。そして、これは消耗戦だよ。どちらかが朽ち果てるまで続くんだ」
「そんなの絶望的じゃないですか!どうすれば終われるんですか!?」
「さあな。初めちまったものを終わらせることなんて出来るのかね。それはどちらかが諦めたときなんじゃないのか?おまえは自分の国を諦められるか?」
「そんなの無理だよ」
「相手もそう思っているに違いない」
「ならば、決着付くまで戦うしか無いじゃないか!」
「相手の国も自分の国も、組織も派閥も、そんなもんが無くなっちまえば、歴史改ざんする意味なんて無くなっちまうのにな。そこには明確的な人を生かすための方法論だけが研究され続けるだろう。少子高齢化で絶滅危惧種国家に認定されることもなくなるだろうさ。菊科の花の見分けが出来たからって、どれも花には変わりがないんだからな。純真な自国民を残すために?バカげた話だと思わないか?」
「お、おまえ!国家反逆罪で逮捕されるぞ!言葉には気をつけろ!」
「だから歴史改ざんが必要なんだ。これは事故だよ。組織を守るか、組織を壊すか、ただそれだけのね」
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