超普通の凡人「○○さん」
ヒー「おい!やめろ!超普通の凡人に手をかけるんじゃない!」
ヴィ「現れたなヒーロー!今日こそ決着をつけてやる!」
超普通の凡人は、空中に弧を描き飛んでゆく。
ヒー「やったなぁ~!スーパーヴィラン!」
ヒーロー、猛スピードで飛び立ち、投げ飛ばされた超普通の凡人をキャッチし、地面へおろした。
ヴィ「俺が主人公に成り代わって、この小説を小説らしく成立させてやろうというのが、なぜ分からん!ヒーロー!」
ヒー「それでも!俺はヒーローだから、スーパーヴィランの悪事は、正さねばならぬのだ!」
ヴィ「この小説の主人公は……」
ヒーローとスーパーヴィランの戦いはこうして、少しずつ遠くへとフェードアウトしていった。
この物語の主人公は、先程投げ飛ばされた。超普通の凡人「○○さん」
助けられ、道を歩き出す。巻き込まれないように遠くへと歩き出す。
そして、途中でタクシーを拾って、タクシーに乗って走り出す。
超普通の凡人「○○さん」のタクシー運転手の手によって、先程投げ飛ばされた超普通の凡人「○○さん」は家路へと帰っていった。
超普通の凡人「○○さん」は一体何人いるのだろう?
今日の超普通の凡人「○○さん」は
令和市にお住まいのこの方「○○さん」です。
テレビでは、スーパーヴィランとヒーローの戦いが繰り広げられている。
カメラに向かって、スーパーヴィランが叫ぶ。
「俺が主人公になってやる!必ずおま……ブホッ」
カメラに指を指して、叫んでいたため、一瞬ヒーローから目を逸らしてしまった。スーパーヴィランは、ヒーローに殴り飛ばされた。
テレビの電源がプツリと切れる。
超普通の凡人「○○さん」は、歯を磨いて、身支度をして、扉のドアを開けて、外に出て、扉のドアを締めて、鍵をかけて、自宅マンションから歩き始める。
道は穏やかに鳥のさえずりが聞こえ、町は梅雨晴れの雨が乾いた匂いをはなち、水たまりが陽の光を浴びて綺羅びやかな輝きを見せる。
超普通の凡人「○○さん」のご出勤は、こうして始まった。
つづく……
かな?(笑)
ここから先は
いつもサポートありがとうございます♪ 苦情やメッセージなどありましたらご遠慮無く↓へ https://note.mu/otspace0715/message