脆弱系魔術 ~その理論と実践「第二話:森林性出現憑依型のケース」セクション7
ファニー「ベラ、何かあったら言ってね。そうそう、昨日の蔵にあったのは、ツノでできた壁飾りが7つ、その内の1つが落ちてきたやつね。獣の置物が4つ、毛皮は大小合わせて10枚はあって、何かの包みが3つと奥に大きいのが2つ」
ベラ「それは今は別にいいんだけど」
ファニー「なーんだ」
ベラ「これから行方不明者のお宅に行こうと思っているけど、その時にも教えて」
午前中に村のリーダーの家によってからと思っていたけど、少し早く着いてしまうかな。
ファニー「覚えていますとも、っていうか忘れないから私」
ベラ「さすが頼もしい」
ファニー「えっへん。でも、嫌なことも忘れな~い、私」
ファニーはコミカルに耳を抑えて、怯えてる表情を苦笑いと共に私に向けた。
ベラ「あっ、ごめん」
ファニー「なんでも喋る私が悪いんですけど、いい気分じゃないです。昨日は師匠倒れるし……」
ベラ「ごめんね」
ファニーにも悩み事の1つや2つはあるのだろうけれど、他人が見るとそんなものがなさそうに見えるからある意味可哀想ではあるんだよね。
ファニー「まあ、とにかく腹ごしらえしましょ♪ベラは昨日、何も食べずに寝ちゃったから、やっぱ体力勝負でしょ。活力付く食べ物をいっぱい食べて、今日一日を乗り切りましょう♪昨日の夜に私が手塩にかけて作った料理をベラにも食べてもらっちゃうんだから~、美味しくできたんですよ♪」
そう言えば、お腹減った。
体力勝負。確かにそうだな。
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