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第一回 愛美 LIGHTS ~Cで伝える勇気~ ネコの気まぐれ楽曲紹介

みなさんこんにちは。otozureライターのネコです。今回は不定期楽曲紹介。自分が良いと思った音楽を一曲ワンテーマでお話していこうと思います!記念すべき第一回は愛美さんの「LIGHTS」です!まだ聴いたことのない方はぜひ一度聴いてみてください!


音楽における調の役割

今回は調に関するお話です。音楽理論を多少知っていて今回の題名をすぐ理解できた方は読み飛ばしてください。調とは所謂ハ長調とかイ短調とかのあれです。(jpopならCメジャーやAマイナーと言ったりもします)それが音楽にどんな影響を与えるのか?勿論個人により感じ方は異なりますが、必ず何かしらの影響を持つと思います。ぜひキーボードやスマホのアプリでCメジャーのスケールとF#メジャーのスケールを聴き比べてみてください。何かが違うはずです。

個人的にはシャープやフラットが増えるたびに曲に靄のようなオーラが増して幻想的になっていくイメージがあります。例外もありますが。私は一応絶対音感保持者なので調に敏感な方ではあると思いますが相対音感の人も音感がそんなにない人も何かしらの違いがあるはずです。

特別な調"C"

さて、この曲の凄さは「限りある生命を灯して戦う僕らは何より尊く美しい」という超まっすぐな歌詞をCメジャーで歌い上げているところです。

Cメジャーのスケールはドレミファソラシドそのままです。つまり白鍵のみの皆さんが一番聴きなれたスケールなわけです。一つも黒鍵という"外れもの"がない唯一の調とも言えます。そのため、Cメジャーは極端に明るくシンプルに聴こえる傾向にあり、言い換えれば装飾ができないのです。だから使いどころが難しい。Cメジャーが最適と言える状況がとても少ない。例えばback numberの「水平線」のようにラスサビを一気に希望に満ちた展開に持っていったり、湯木慧さんの「XT」のようにシンプルさを活用して心に安寧を与える曲調だったり。

LIGHTSの挑戦

先ほども申し上げた通り、「LIGHTS」の特徴は超ドストレートなサビをわざわざCメジャーにしているところです。しかもラスサビ含め3回全て。普通この歌詞に曲をつけるなら少し儚さを持たせるために黒鍵のあるキーにしたくなりますし、この曲に歌詞をつけるならもう少し婉曲的に表現したくなる気がします。(私は趣味程度にしか作曲をせず、これがプロとの明確な差なのかもしれませんが……)ただ、この曲は単に調選択が面白いのではなく、この調選択を"最適解"にするためにある工夫がされているのが素晴らしい点なんです!

同主調平行調転調と平行調同主調転調

ここからが本題のようなものです。長いイントロダクションにお付き合いいただきありがとうございます。「LIGHTS」の一番の推しポイントは"同主調平行調転調と平行調同主調転調の使い分け"です。ざっくり言うと同主調とは同じ主音の調(CメジャーとCマイナーとか)のことを指し、平行調とは同じスケールの調(CメジャーとAマイナーとか)のことを指します。

「LIGHTS」ではサビでのインパクトを強めるために1,2サビでは"同主調平行調転調"(E♭→C)が使われていて、ラスサビでは"平行調同主調転調(A→C)が使われています。それぞれはよく使われるものなのですが、両方を一曲の中で同じメロディーに向けて行うなんてなかなかありません。そこまでしてこのサビをCメジャーでしたかったのか⁈と感動しました。(もしかすると作詞者さんと作曲者さんは何も考えていないかも)

この"C"に対する挑戦を頭に入れたうえで、ぜひもう一度きいてみて下さい!何か曲に対する印象が変わるのではないでしょうか?

最後に

ここまで読んでいただきありがとうございました。今後調に対する意識を持って音楽を聴くようにすると少しだけ世界が広がるはずですのでやってみて下さい!

今後も不定期で書きたい曲と内容があったら紹介していこうと思います。
それではまた次回!ありがとうございました!

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