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急成長したいけど、地道な努力が最強と知っている

ラノベの主人公にはなれない

何かをしようと思ったら、着実に積み重ねる事が結構大事だったりする。物語の世界なら、テクニックや特殊能力を使って這い上がる事が出来る。観客は度肝を抜かれ、何であいつが?と思うだろう。時には嫉妬に狂い、時には羨望の眼差しで見つめる事もあるかもしれない。掌返しが起きて、世界が180度変わる。英雄にでもなったみたいだ。そうして、また新たな戦いが始まって行く……。なんともカッコいい、理想的なストーリーだ。

でも、現実はそう簡単じゃない。上に行く人間にはそれなりの根拠がある。あぁ、彼ならいつか辿り着くと思っていたよ。近しい人間は誰もがそう思う。そこには周りには見えない数多くの苦難の道のりが存在する。それでも歩き続けた者だけに、ある時ふっと道が拓けたり、幸運が舞い込んだりする。

ある知り合いの話

私は高校時代から小説を書きたいと何となく思って生きてきた。けれど、いざ書こうとするとペンは止まり、同じ箇所を何度も書き直す事になる。初心者なのに、完璧を求めすぎたのだ。
こうして何年もの間、私の小説は物語を書き始めるという所で止まり、完成させるに至らなかった。

私が拘りすぎて立ち止まってしまう一方で、私の知り合いに息をするかのように小説を書く人物がいる。その人を仮にKとしよう。(夏目漱石のこころのKがお気に入りなので、イニシャルはそこから拝借。性格がKと似ているとか、そういう訳ではない)
Kは気がつけば小説を書いているという人物で、執筆歴も長い。書いて応募してを繰り返して、ちょこちょこ賞を受賞したりしている。
時には審査員に酷評を叩きつけられたり、思ってもない感想をまわりから聞く事になったり、嫌な思いをして落ち込む事も多々あった。けれど、Kが書く事を止める事は無かった。Kの執筆への執着は、たくさんの作品を生み出して、Kをゆっくりと確実に成長させて行った。
私は小説を書こうとする時、必ずKの事を思い出した。下手でも何でもいいから、一歩先へ進む事が大事だと思い知ったあの時の感覚が背中を押してくれている気がした。

もう一度、書いてみよう。何の根拠も無いけど何となく今度は出来る気がした。
短い文章から描き始めて、完結させる事を目標にした。
Kの存在が、Kの執筆への姿勢が、また私を小説を書く事へと駆り立てたのだ。

昨日より一歩先へ

体がだるくて起き上がれない事も多い。回復した隙を見て、行動し、また横になる。そんな事を続けている。
それでも、まだ出来る事があると思いたいし、行動に移したい。少しでもいい。少しからでもいいから、前へ。
マイペースに歩いて行く。