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ブラックとカフェオレ。
ブラックとカフェオレ。
音葉 心寧
真っ黒なブラックコーヒー。
まだ暑いその飲み物に私はまず砂糖を入れる。
誰もわからないように、丁寧に、溶かしていく。
見た目はまだブラックコーヒー。
仕上げに最後はミルク。
だんだん色を変えて薄くなっていく。
元の姿を隠すように、すっかり生まれ変わった。
カフェオレは嫌いだ。
でも、ブラックは難しい。
甘くて優しいあの味は偽りで、
でも元の姿は醜くてどこか孤独だ。
1杯のコーヒーが入れ終わる。
私の手は真っ直ぐにあなたの前へ伸びた。
渡したコーヒーの色はまだ薄かった。
あなたが入れてくれるコーヒーは、
苦いのか、甘いのか。
私が先に入れたコーヒーは、
あなたのお気に召すだろうか。
2022.05.20
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