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若かりしころの思い出。おとうさん北海道縦断物語~4日目・石狩→羽幌

今回は石狩から日本海沿いに北上し、羽幌までの旅を紹介する。

スタート直後に待ち受けるのは、50㎞に及ぶ魔のトンネル地帯だ。この恐怖の50㎞を、おとうさんは無事に突破できるのか?その様子をぜひ見てほしい。

8月12日 くもり トンネル地帯突破

今日の朝から、約50㎞に及ぶトンネルが待ち構えている。トンネルは暗くて狭いため、自転車で走ると平衡感覚が失われ、転びそうになる。さらに、この辺りは信号が少なく、スピードを出す車が多いため、より一層怖い。特にトラックが通り過ぎると風圧で巻き込まれそうになり、恐怖感が一段と高まる。

そのため、今日はなるべく早く出発し、車の少ない時間にトンネル地帯を抜けることにした。前日遅くに到着したライダーと少し話をして、4時に出発する。ライダーは今日中に宗谷岬に向かうと言っていた。バイクと自転車のスピードの違いを改めて感じる。おとうさんが宗谷岬に到達するまで、あと何日かかるのか。まあ、のんびり行こう。

キャンプ場の目の前にセイコーマートがあったので、カロリーメイトとバナナで朝食を済ませる。腹ごしらえをして、気合を入れてペダルを踏む。トンネルとトンネルの間には、ゆるい登りの直線が続く。日本海を眺めながら緊張をほぐし、次々にトンネルをクリアする。

申し訳ないが、次々というほどスムーズには進まない。トンネル自体は新しくて狭くはないが、その分長い。進んでも進んでも出口が見えないトンネルばかりだ。車が通るたびに、ものすごい音が響く。トラックやバイクが通ると、さらに爆音で、音の影響で平衡感覚が失われる。加えて、路面が若干濡れているため、滑って転ばないように注意が必要だ。

もっと大きなライトをつけておくべきだったと感じる。3時間ほどかけてようやくトンネルをクリアし、ホッと一息つく。車の量が少ないうちに出発したのがよかった。元々通行量が少なかったのかもしれないが。


留萌に到着 ガス缶求めて右往左往

トンネルを抜けてのんびり走る。ホッとしたのと解放感で気持ちが良い。ただし、コンロのガスがそろそろ切れそうなので、ホームセンターを探さなければならない。留萌を過ぎると、先には大きな街がなさそうなので、ここで買っておかないと食事ができなくなる。

この辺りでは、ドラクエのように町と町が連続せず、その間は何もない。街に着くと、「ザ・ザ・ザ」と音が聞こえてくるようだ。何となく市街地を目指し、ホーマックは郊外に多いと思い、信号待ちの際に郵便配達の人に聞いてみた。

「この辺にホームセンターはありませんか?」

「10㎞くらい行ったらあるよ~」

10㎞なら、30分くらいで着く。お礼を言うと、郵便局員は驚いた顔をしていた。

コンロはコールマン製を使用している。ガス缶は500mlと250mlがあるが、250mlを選ぶ。500mlの方が安いが、バッグに入れるときに2つに分かれている方が便利だ。結局、1つは使わずに帰ったが。

ホーマックの隣にマックスバリュがあったので、レトルト食品を購入する。カップ麺と缶詰には飽きてきたので、中華丼やカレーを選ぶ。

道の駅「おびらにしん番屋」に到着。日本海側にある、景色の良い道の駅だ。ここで今朝のキャンプ場で出会ったライダーと再会する。彼は「さっき」キャンプ場を出発したと言っていた。二人で写真を撮り、今度こそ「良い旅を」と別れる。名前や詳細は知らないが、同じ旅人として、旅の成功と安全を願う一期一会の瞬間だ。

その後、羽幌まで平坦な道を走る。通常なら退屈に感じるが、前半の苦労があったため、のんびり走る。そろそろ寝床を探さなければならない。

道の駅「ほっと♡はぼろ」に到着。ソフトクリームが売っていたが、我慢する。犬の散歩をしていたおばさんにキャンプ場を尋ねると、「羽幌サンセットビーチ」があると教えてくれた。「坂があるよ」と心配してくれたが、実際には苦労する坂はなかった。感覚が普通の人とは違ってきたのかもしれない。

キャンプ場に着くと砂浜だった。砂が付くのは嫌なので、トイレの前のコンクリートに許可をもらってテントを張る。500円だ。周りではビーチバレーを楽しむ人々が、北海道の短い夏を満喫している。

夕食を食べ、家族に電話をしようとしたが、圏外だった。どうしても声が聴きたかったので、管理室で電話を借りた。旅は楽しいが、同時に家族が恋しくなる。もしかすると、旅には向いていないのかもしれない。

走行距離:112㎞
走行時間:6時間45分
総走行距離:368㎞
平均速度:16.5㎞

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