そのままでいい5
私がみんなそのままで良いと思うのは、単純に私が他人を変えたいと思っていないからです。人の考えは、これまで生きてきた中で形成されてきたものです。だから、その人の考え方を知れば、ある程度その人の人生が感じ取れます。歴史を変えられないように、人の歴史の結果である現在の考え方を変えるのも無理なのです。
それでも、この人の考え方は自分に合わないな、と思うことがあります。そういうときは、相手の立場になって、なぜこんな考え方なのだろうと思ってみます。そうすると、いろいろと想像できます。昔こういうことがあったんじゃないかとか、逆にまだこの体験をしていないのだな、とか勝手にいろいろ考えが浮かんできます。そのうち、考えが合わないことにイライラしていたのが、自然とおさまっているのです。
他人の考え方を変えられないという前提に立つと、ものすごく生きやすくなります。これを自分に当てはめると、誰かに考えを押し付けられても、そんな簡単に考えが変わるわけないじゃん、と思えるのです。
私には私の歴史があって今の考え方になっているのです。それはもはや変えることはできないし、代わりもないのです。自分に固有の、世界に一つしかないものです。他人にとやかく言われる筋合いはないのです。