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上司にこの辞典を見せ、「面白い本を見つけました」と言ってみるのだ。もし上司が怒ったら、君の会社は間違いなくブラック企業だ。


アイデア
会議室という名の食物連鎖の中で最も消化されやすい餌食。発案者の熱意は上層部の無関心と比例関係にあり、「前例がない」という理由で却下される運命を持つ。ただし、他社が成功させた後は「なぜ我々は実行しなかったのか」という役員会議の議題に昇格する。アイデアの斬新さは、どの競合他社からパクったのかを同業他社が特定できないことで評価される。社内提案制度の上位入賞者は、提案内容の実現よりも、次回の提案内容に頭を悩ませることになる。


会議 
組織的時間浪費を「情報共有」という名目で正当化する、現代の集団催眠術。開始時刻は厳守を要求されるが、終了時刻は「建設的な議論が白熱したため」という美名の下で無限延長が許容される。参加者の「積極的な意見交換」は会議の価値を示す指標とされるが、実際の発言量は職位と完全な比例関係にあることが判明。「次回の会議で議論」という結論は、永久先送りの委任状として機能。特に「全体会議」では、参加者の8割が「なぜ自分がここにいるのか」という実存的疑問に直面することが心理学的研究で実証されている。会議室の予約時間と実際の所要時間の差は、パレート最適の法則に反して拡大する一方。

稟議書 
承認者の数に比例して決裁までの時間が延長される、組織における時間の相対性理論の実証の場。「至急」印が押されているほど、各承認者の机で風景化する傾向が科学的に実証されている。決裁ルートの途中で差し戻されることを祈りながら作成され、承認された場合は起案者が最も困惑する文書。電子決裁システムの導入後も、「念のため」という名目で紙の決裁ルートも並行して存在する「ハイブリッド決裁」が定着。修正指示の8割は、フォーマットのズレに関するもの。






#ブラック企業
#悪魔の辞典

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