第5章　デルモンテ城の儀式

【連載中】デルモンテ城の儀式｜otosuke｜note

第五試練　王の狩場

デルモンテ城の大広間。霧島は残り11名の参加者と共に、ダンテの説明を待っていた。早朝の冷たい空気が、石造りの広間に張り詰めている。

霧島は他の参加者たちの立ち位置を素早く確認した。カルロスとアンナが微妙な距離を保って離れて立ち、エレナは一人、窓際で腕を組んでいる。

「今回の試練は、デルモンテ城を離れ、周辺の森で行われる」 ダンテの声が響く。「八角形の間での試練とは異なるが、それに劣らぬ重要な選定の場となる」

霧島は眉をひそめた。なぜ第5試練だけが城の外で行われるのか。しかも森の中で。フリードリヒ2世との関連性を探るべきか。

「フリードリヒ2世は優れた狩猟家だった。しかし、彼の狩猟は単なる娯楽ではなかった。そこには深い洞察力、正確な判断力、そして自然との対話があった」