アメリカ大統領候補の発した「デマ」に全米が泣いた…!「移民がペットを食べる」と言ってのけたトランプに捧げられた「皮肉すぎる歌詞の中身」
マネー現代に投稿しました。
大統領候補討論会が開かれた9月10日、共和党のドナルド・トランプ候補が対抗馬である民主党のカマラ・ハリス候補に対して、次のように主張しました。
「オハイオ州のスプリングフィールドで彼ら(ハイチからやって来た黒人不法移民)は犬を食べている。猫を食べている。そこに住んでいる人々のペットを食べている」
ところが、トランプ氏の言説の出所は「また聞きのまた聞きのまた聞き」、すなわち4次ソースでしかなかったのです。
このデマは、つぎの3つの情報から派生したものとされています。
1.スプリングフィールドでハイチ黒人移民「らしき」4人が、公園で仕留めたダチョウを運んでいたという警察への通報
2.同州キャントン市で米国生まれのハイチ人3世である「かもしれない」精神疾患を持つ若い黒人女性が猫を食べて警察に逮捕された事実
3.ハイチ黒人移民たちが母国の民間信仰であるブードゥー教の風習で犬や猫を生贄にして食べるといった「うわさ」
これらがスプリングフィールド市の住民の頭の中で再編集され、ひとつの「物語」となって広がったのです。
とんだ風評被害ですが、ネットでは、「不法移民がペットを捕まえて食べている」発言がお笑いミーム化し、歌やダンスが大ブームになりました。
そのひとつ、「ザ・キフネス」の芸名で活躍する南アフリカの進歩派白人歌手デイビッド・スコット氏は自作の歌で討論会の動画をレゲエ風にサンプリング。自身とトランプ前大統領の「コラボ」をこんな風に仕上げました。
The Kiffness x Donald Trump - Eating the Cats
♪スプリングフィールドで
彼らは犬を食べている
彼らは猫を食べている
そこに住んでいる人々のペットを食べている
スプリングフィールドの人
お願い、ボクのニャンコを食べないで
なんでそんなことするの
ほかのものを食べなよ(ニャー)
スプリングフィールドの人
お願い、ボクのワンコを食べないで
ほら、食べれるものは
ほかにもいっぱいあるよ
彼らは犬を食べている
(ワンワンワワン)
彼らは猫を食べている
(ニャーニャーニャニャー)
そこに住んでいる人々のペットを食べている
(そこに住んでいる人々のペットを食べている)
切々と歌い上げる秀逸な仕上がりであるため、X(旧ツイッター)上では、この曲が1100万回再生され、11万件の「いいね」がついています。YouTubeでも映像内容が少し違う別バージョンが820万回近く再生されているのです。
その現象を考察した前編です・
ヤフコメです。
しかし、「お願い、ペットを食べないで」のミーム現象を引き起こした歴史的・政治的・経済的な背景については、十分に明らかにされたとは言えません。
そこで後編では、具体的なデータを駆使して、「人種間の緊張」「バイデン・ハリス政権の『開かれた国境』政策がもたらした米国人労働者層への経済的な影響」という2本の補助線を引き、スプリングフィールドが象徴する米国社会分断の理解を試みました。
ぜひご一読ください。