Adobeの生成AIを商用利用で使った話
先日、僕の運営するバーチャルシンガーViANKiE(ヴィアンキィ)の1stアルバムが完成しました。
続々とみなさんの手元に届いているようなので僕が担当したデザイン周りのお話を書こうと思います。
今回はAdobeの生成AI「Adobe Firefly」をがっつり使って制作をしています。
というのも以前「Adobe Fireflyが商用利用なのはわかったし、生成AIはすごいけど…で?なにすればいいの??ってなる」という話を聞いたからです。
たしかに。
Adobe Fireflyは生成AIながら権利周りがクリーンであることから商用利用が可能という点を売り出していますが、実際どう使えばいいのかピンとこない人も多いですよね。
じゃあ、僕が商用利用してみよう!
と、いうことでアルバムのジャケット、ブックレット、盤面のデザインに入れた画像をすべてAdobe Fireflyで作りました。
CDジャケット
今回のジャケットのビジュアルです。
アルバムタイトルが「Bite The Moon」(月を噛む)ということもあり、ケーキで出来た欠けた月をモチーフに生成しました。
あとに出てくるブックレットもそうなんですが制作の流れとしては
①アルバムのコンセプト決め
②ビジュアルのラフ案を出す
③Adobe Fireflyで納得のいく画像を生成(案外大変だった)
④レタッチ
⑤デザイン
といった流れになります。
今回のプロンプトは「月で出来たケーキ、真上から撮影、ハイクオリティ」と非常にシンプルですが各種パラメーターや似た画像を生成しまくって少しずつイメージを寄せていきました。
最終的に生成した画像はこちら。
そのままでもハイクオリティな画像なんですが、ここからはいつも通りコツコツとレタッチをしていって最終的なビジュアルに仕上げていきます。
ブックレット
ブックレットも同様にAdobe Fireflyを使って制作しました。
これもAdobe Fireflyで生成してレタッチをしています。
今回は「バーチャルな存在であるViANKiEの生活が見えるビジュアル」をテーマにブックレットを制作しています。
そして今回、僕が生成AIを使ったもう一つの理由が生成AIの不完全さです。
生成AIはやっぱりすごいんですが、まだ違和感が拭えない部分もあります。限りなく本物っぽいけど、何かが違う。そんな不完全さがバーチャルな存在のViANKiEにしっくりきました。
近くにいそうな気がするけど、ちょっとだけ違う世界にいる。みたいな。
そうです。僕、拗らせてます。
なのでMUSICの文字もわざと崩れたものを採用しています。
他に考えられる便利な使い方
今回はがっつり生成AIに作ってもらった画像を商用利用していますが、ほかに考えられるのはラフやイメージボードとしての案出しかなと思います。むしろ、こっちのほうが実用的かもしれないです。
実際、企業さんで生成AIを使われている方のお話も聞きましたがパッケージデザインの案は生成AIで作り最終的にデザイナーの手でデザインに起こす。という使い方をされているらしいです。
まだまだ使い方はさぐりさぐりですが、うまく付き合っていきたいですね。
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