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テラダラ警備隊西へ 中編(1日目夜〜2日目)

すっかり晴れてきた神戸だったが、日も傾いてきたので一旦ホテルへ戻りチェックイン。しばしだらだらタイム。
やがてだらだらにも飽き、あたりも暗くなってきたので「夜景でも見るか」とメリケンパークへ。神戸といえば夜景ですよね。
歩いていると神戸タワーが見えてきましたが、ライトアップされて赤くなったり青くなったり暗くなったりとっても綺麗。

パークにはたくさんの人がいて、さすが神戸、夜景が名物。と思いましたが、なんだか海沿いの柵に張り付いて海の方を見つめている人が多い。柵沿いは隙間がないくらい。
「なんだか花火でも上がる勢いだねこれ」
妻と娘が話していると花火が上がり始めました。
あはは。知らなかったよ。柵沿いの皆さんは知っていたのね。
ノープランにも程があるけどそれゆえのセルフサプライズ、ってことで。

そしていよいよ神戸ポートタワーへ入場。待ってろよモロボシダン(『ウルトラセブン』「ウルトラ警備隊西へ」参照)。
ポートタワーには展望階とその上に屋上デッキもあったが、あまりに寒いので「展望階まででいいよね」で満場一致。

登りエレベーターを待つ間に係の人が説明してくれたが、登りはともかく、帰りは「螺旋階段を何階かまで降りてからエレベーターに乗ってどこだかの階で降りてそこからはまた階段を降りて…」みたいな、年寄りは一度聞いただけでは覚えられないような説明だった。

展望階は眼下の夜景をぐるりと見渡せてなかなか壮観だったが、なんと肝心のアレが無かった。
アレ。モロボシダンがペダン星人を発見した双眼鏡。
がっかりしてタワーを降りたが、降りる人たちの流れの中で家族と逸れてしまい、気づいたらエレベーターの前で戻るに戻れず私だけ下降。ほらみろ。

神戸タワーからの夜景。昼間乗った観覧車も見えました。

出口付近で待機して、お土産屋に寄っていた家族と無事合流。ホテルへ帰還。セブンイレブンで買った夕食を食べてその日は寝ました。

ホテルの朝食はカレーということは聞いていたが、レストランに入ると大画面に陽気なインド音楽の動画が流れていた。店内もインド感満載の装飾。象とかいる。そういうことか朝食カレー。
動画は時々CMが入り、「なんだろうこれ?」と思ったらYouTubeだった。店員が時々思い出したようにCMをスキップしていたのがちょっとおかしかった。

神戸旅行二日目の観光は異人館街。
地下鉄やらで新神戸駅まで行き、そこから徒歩。坂道多くてそこそこの運動。
やがて異人さんの家が見えてきた。
ぷらぷら歩いて目についた「英国館」に入場。チケット売り場で
「ここだけの単館のチケットもありますが、いくらいくらで(表を指差しながら)こことこことここに入れるチケットもあります。でもこれには有名な「うろこの家」は含まれていなくていくらいくらで「うろこの家」とこことこことこことこことここに入れるチケットもあります」
とか言われたが面倒なので単館チケットで入場。

「英国館」は
「シャーロック・ホームズ館」で、入ったところであの帽子やあのマントみたいのやパイプ、デカい虫眼鏡を貸し出してくれて、シャーロックコスプレで見学できるようになっていったがまぁやめといた(出る前に着て写真だけ撮ったけど)。

ホームズ中心ですが、別のキャラもちらほら。

「英国ホームズ館」の次はいよいよ「うろこの家」へ向かったが坂また坂の苦行の道。
やむをえず途中の店で休憩。
私はオーストリアビール、妻と娘はホットワイン。よく晴れて気持ちいい。オーストリアとスウェーデンエリアだが、案内のおばちゃんは元気な関西弁。シフトの時間だったのか途中で別のおばちゃんと交代していたが全く同じ喋り方で、家族でくすくす笑えた。

時々風が吹いたけど、それがなければ穏やかで暖かい日でした。

休憩を終え、さらに坂を登りようやく「うろこの家」に到着。
有名らしいが私は全く知らなかった。楳図 かずおの漫画に出てきそうな不気味館を期待していました「うろこの家」。
着いてみたらそれは「外壁が鱗みたいな家」でした。

坂を登って登ってようやく到着「うろこの家」。
外壁鱗だらけ。夜になると巨大な蛇女に変身するとかしないとか。

その気づきを家族に告げると
「知らなかったの?」
と驚かれた。
ええ知りませんでしたとも。

異人さんたちは各国のいろんなものを集める癖があるようです。

庭の真ん中に猪の像があり、館内の土産物屋にはこの猪キャラ(ポルチェリーノ)のグッズもあったが、グッズの説明を読むと、この猪像の鼻を撫でると幸せになれるらしい。
庭に降りて見るとポルチェリーノくん、鼻だけピカピカしてる。みんな撫でてんだ。幸せ求めてんだ。こんなとこに観光に来れる人はみんなそこそこ幸せだと思うけどな、と思いながら撫で撫で撫で、と。

午後1時過ぎていたのでどこかで遅めの昼食にしようと坂を降りていると妻が
「なにこれ怖い」
妻の視線を追うとそこには不気味な異人廃屋が。

何館だこれ?「呪いの家」か?チケットいくらだ?
写真を撮っていたら窓の向こうでボロボロのカーテンが揺れ、闇の中から長い髪の異人の女がこっちを見て右手をゆっくりあげ、細い細い指で私を指差した。
なんてことがあると怖いので急いで坂を降りた。こういう時は振り向いてはいけない。
せっかく猪の鼻を撫で撫でしたのにここで呪いをかけられたりしたら台無しってもんだ。
坂を降り切ったところの店で神戸牛100パーセントハンバーグランチを食べて確かな幸せを腹に入れて今夜の宿、有馬温泉に向かった。
【つづく】

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