クリスマスなんだからいいじゃないか。映画『REX 恐竜物語』を観たら
名前だけは知っていましたが観たことありませんでした。
番組表でたまたま見つけてつい録画してしまったので鑑賞(TOKYO MX 2023年1月28日放送)。
1993年の公開時にはあまりいい評価は無かったように記憶していますが、Wikipediaによると、
‟2002年の『ロード・オブ・ザ・リング』に抜かれるまで松竹の歴代興行収入(配給収入)1位だった”
だそうです。
「男はつらいよ」よりも「釣りバカ日誌」よりもヒットしたんですね。
子ども向けとしては出来が良かったとかそういうことかな?どうかな?
安達祐実の映画デビュー作だそうですが、恐竜博士の父親役で渡瀬恒彦が出演しています。
渡瀬恒彦と恐竜。ふっふっふ。
これはもう『恐竜・怪鳥の伝説』(1977年)を思い出してしまいますね。
恐竜と言えば渡瀬恒彦。日本映画の常識です。
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立野千恵(安達祐実)は、自然に恵まれた環境でお父さんとおばあちゃん、そして馬や犬と仲良く楽しく暮らしていましたがお母さんがいません。
お母さんは家庭より仕事が大事だと家を出て行ってしまったのです。
傷ついた千恵は自閉症気味(劇中の表現)になり、最近転校してきた学校にも行かなくなってしまいました。
お父さんとおばあちゃんは母親が出て行ったせいで千恵が傷ついてこんなんなっちゃったみたいに言ってますが、一見普通の明るい子に見えます。時々思い出したようにかわいそうな子っぽくなります。
そんな日々でしたがお父さんが「ムー大陸の文字があったから恐竜の卵を探しに行く」と言い出します。
千恵は「私も行きたい!」と言い出します。動物大好きな千恵ちゃんです。
「遊びじゃないんだ大事なお仕事で行くんだよ」と父は言いますが、おばあちゃんが「連れて行ってあげれば千恵の心の傷も癒えるかもしれないじゃない」というので連れて行くことにします。
ところがその恐竜の卵があるらしいというのがとんでもない場所で、樹海の奥の洞窟の奥だったりします。
凍った洞窟で足を滑らせ、ボブスレーのように延々滑り落ちていく一同。千恵も悲鳴を上げながら滑って行きますが、さすが天才子役安達祐実、『E.T.』のドリュー・バリモアにも負けないいい悲鳴。
と感心しましたが、監督がこの悲鳴を気に入ったのでしょうかこの後何度も聞かされることになります。
なんかあればキャーキャーヒャーヒャーキャーキャーヒャーヒャー。
「もういいから…」って気になります。
滑って滑ってたどり着いた先はピラミッドパワーやクリスタルスカルのある不思議な空間。
そこにあった巨大な卵。
一同はこの卵を持ち帰ることにします。
とこんな映画です。ホームドラマSFオカルトファンタジーヤク中の妄想、諸々ごった煮です。ムー大陸とかクリスタルスカルとかさらっと出てきます。
「恐竜出すんだからついでに他の不思議アイテムも出しとけ」という感じでしょうか。
映画やドラマを観る時って、どんなに突拍子もない内容でも「だいたいこういう映画」と掴んでこちらで調子を合わせたりするものですが、この映画はそういうチューニングみたいのが難しかったです。
科学的っぽいセリフの直後にそれを全く否定する行動を取ったりします。
あと、おしゃれなユーモアのつもりなんだろうなー、でもなーというシーンも多かったです。
唐突に同級生男子が現れたりします。これってたぶん『E.T.』のクライマックスの自転車逃亡シーンみたいになるんだろうなぁと思っていたら終盤でそうなりました。
一緒に観ていた妻が「安達祐実にいろんなかっこさせたいだけの映画だね」と言っていましたが、まぁそういうことですね。
クライマックスがクリスマスの町なのですが、そこで安達祐実がかわいい服でなんかしてたらそれでいいや、なにやっててもいいや、って気にもなりますね。クリスマスってそういう魔力がありますもんね。それを狙って作られた映画なんだな。クリスマスにクリスマスっぽいファッションの安達祐実を見る。それでいいじゃないかそうかそうか。
と勝手に納得してたら公開は1993年7月3日でした。
どうかしてるぞ角川春樹(製作・監督・脚本)。
「安達祐実を鑑賞する映画」ということに異存はないのですが、それ以外の‟売り”としては、レックスの造形は『E.T.』を作ったことで知られるカルロ・ランバルディで、制作には500万ドルかけてるそうです(Wikipediaより)。
1993年は1ドル111円程度だったようなので(調べた)、約5億5千万円になりましょうか。
何体作ったのか、撮影方法はどうなったのか気になるところですが、こんな本がありました。
メイキング・オブ「REX恐竜物語」―カルロ・ランバルディの世界
この本を見ればそんな疑問も解決することでしょう。
買わんけど。
コミック版もありました。
Rex―恐竜物語 (あすかコミックスDX)
CLAMP
書いているのはあのCLAMP先生。映画の変なとことかどう処理してるかちょっと気になります。
買わんけど。