自分が目指すモノ part2
複数のプロジェクトを平行して進めていくようになりデベロッパーの会社とのやり取りなどが増えていくなかで社内では一人一人が孤立してるかのように作業を行っているのが当たり前だった。必要最低限ほぼ話すことなく毎日過ぎていく中、新人の私はわからないことだらけだったので周りに聞いたりすることが必要だった為、タイミングを狙ってわからないことを聞いたり仕様書などのフィードバックをもらうことを繰り返していた。
一度でOKをもらえることはほとんどなく修正を繰り返し行って上司に確認をしてもらっていたある日、新しい仕様書を作成するよう言われ作業内容を確認の上始めようとしたが正直どのように作成すればいいかよくわからなかった為、上司に聞くことにした。聞く前に私なりに調べたりして仕様書を作成し上司に確認と相談をしたところ上司からさりげない一言だった。
「こんなこともできないの?」
今思うと新人にこんな言い方しなくてもよくないか?など思ったりしたが当時の私は、できなかったことに対して全部自分が悪いと思い込むようになっていた。なぜこのようになっていたかというと大体はアルバイトの経験が一番影響受けていたと思われる。学生時にカラオケ店でバイトをしていた際に私はレジ(レジ締なども含む)、厨房、清掃、機材トラブルの対応や電話対応などすべて対応できるようにしていたのだ。一通りの業務ができると気持ち的に余裕ができ働きやすかった。
しかしゲーム業界ではそう簡単にはいかずできないことだらけの中でどんどん追い詰めらてくかのように作業が滞る。私ができていなかった仕様書については裏で上司が作業進めており結局無駄になる。ほかの上司にも相談するが上司間でもギクシャクしておりなかなか相談に乗ってくれる人がいなかった。上司から話しかけてくることがほとんどないこともあり私が動かない限りずっと孤立した状態が続くためだんだん手が止ってしまい精神的に苦になってきた。
数か月そんな日々が続きだんだん会社に行くことが億劫になってしまい、何度か会社を休むようになる。上司とどう向き合えばいいかわからなかったのだ。入社時は上司の名前を覚えると同時に趣味や好きなことなどを聞き上司が好きなものが自分も好きであるかのように真似をしていた。例えば全く興味のなかったガンプラを買って作ってみたりアニメや映画を一気見したりなどプライベートの時間を削ってまでしていた。
なんでこんな無駄なことしていたんだろうな。きっと上司と話が合わないと嫌われたりすると思って必死に合わせていたんだろうと思う。今思うと自分が好きなジャンルや作品を話す機会は一度もなかったような気がする。
仕事以外の会話もだんだんなくなり、仕事の話でも理不尽に怒られることが増え私は耐えられなくなり課長に話しをして最終的に退社することにした。
私の心の弱さが生んだ結果なのだろうか。
せっかく新卒で入社した会社をすぐ辞めてしまい親にも合わせる顔もない。親に話した次の日の朝めちゃくちゃ泣いた気がする。親に対して申し訳ない気持ちが脳裏でよぎりとめどない気持ちが涙となって溢れてきたのだ。でもいつまでも落ち込んでるわけにもいかず転職するまでの繋ぎとしてバイトを始めることに。
こうして、転職活動をしつつ過ごす日々が始まったのだった。